第86話 教皇の目論見

 ソフィアさんの優しさに包まれ、無事ダメになった僕は……じゃなくてメンタルが回復した僕は闇堕ちしなくてすんだ。



 だが、教会の問題が解決したわけじゃない。

 それに、聖女の最後の言葉も気にかかるところだ。



『……ではお節介ついでに一つ。影霧のミストが動いているようです。お気をつけ下さい』



 影霧のミストか……。

 今なら勝てるかな。



◇◇◇



「なにっ、『闇天』のアンナが捕縛されただと……!」



「はっ、教皇さま、無力化させられた状態で忌々しい聖女に捕らえられたとのこと」



 聖ミザリー教会の頂点にいるライナス教皇。

 彼は厚い人望やら巧みな権謀術数やらでのしあがったわけではなく、お抱えの戦闘集団によりライバルをこの世から退場させてきた。



 その暴力を支える暗部の中でも上から数えた方が早い『闇天』のアンナを派遣したがアランによって記憶を消されてしまったため、廃人となっていた。



 報告に来た部下の司教は続ける。



「こちらが聖女側に紛れ込ませているスパイによると、アンナは記憶を無くし何も喋れず【ネオアサシン】もなくなっていると」



「どういうことだ……? そもそもアンナを無力化して捕まえるような戦力は聖女側にいないはず」



「ええ、ですので、協力者がいるかと。おそらくそれは此度のターゲットである冒険者アランではないかと思われます」



「ああ、儂らに無断で治癒を行ったという冒険者か。確か、ゴールドであったな。そやつには我らの同志となるよう折伏部隊を送ったのであろう?」



「ええ。ですが折伏部隊は全員殺されておりました。信じがたいですが、状況からすると折伏部隊を返り討ちにし、アンナを捕えて聖女に引き渡したものと思われます」



「我々の説得に応じないどころか、聖女にも与するか。我々の偉大さを思い知らせてやろう。信者を集めよ!!」



◇◇◇

 


 王都の一等地にある聖ミザリー教会の大神殿。

 そこに大勢の信徒が集められた。



「教皇ライナスの名においてゴールドランク冒険者アランを『神に背きし異端者』と認定するっ!!」



 その大広間で教皇は大勢の信徒に向かって宣言した。

 暗殺者を派遣する一方で、他にも手を打つことにしたのだ。



 異端者アランの似顔絵を書いたビラを大量に配布。



 とはいえ、普通の信者には異端者をどうこうする力はない。

 やることと言えば、できる範囲で村八分だ。



 もちろん実力部隊は別にあるが一般の信者は知らされていないので、あとで『異端者は改心しました』と説明されるだけである。



 なので、大半の信者は『そいつも改心して信者が1人増えるのだろうな』ぐらいにしか思っていなかった。



◇◇◇◇◇◇


スキル:【リバース】【神眼】【剣神】【怪盗紳士】【暗黒魔法】【岩鉄魔法】【神聖魔法】【時空間魔法】【灼熱魔法】【凍氷魔法】【マジックハンド】【誘惑】【痛覚緩和】【状態異常完全耐性】【炎精霊の守護】【幻魔】【疾風迅雷】【闇精霊の守護】【怪力乱神】【雷神剣】【強運】【晴嵐魔法】【謙虚】

ランク:ゴールド(アリサ:ゴールド)


いつもお読みいただきありがとうございます😊

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