第83話 横取り
「そこだっ! サイコバインド!」
吹き抜けの2階のところにいた暗殺者を光の鎖でがんじがらめにしたところで姿が現れた。
正確にはもともとそこにいたけど見えるようになった、ってところか。
うーん、光学迷彩みたいな隠れ方してたな。
さすが【ネオアサシン】。
明らかに悪役が持つようなスキルなんだけど、教会が隠し持ってる戦力なんだよな。
「くっ、殺せ!」
しかも女暗殺者ときた。
「あいつらを囮にして油断したところを毒針で必殺のはずが、なぜ……」
怖っ。さっきまでの集団20人くらいいたんだけど。
それで殺せればよし、ダメでも倒し終わって疲れて油断してるところに最高戦力をぶつければいいって、殺意高すぎ。
でも残念。
見えてる人数と気配の数が違ったから、多分そんなことだろうな、と思って油断してなかったんだよ。
ちなみに今もまだ僕は警戒を解いていない。
特に気配は感じないけど、念の為だ。
そしてこの女アサシン、【狂信】なんてスキルもある。
とりあえずサイコバインドをもう少しキツく締めてこいつを気絶させ、スナッチスキルで【ネオアサシン】を奪っておく。
【怪盗紳士】に統合された。
んー、あとは【狂信】か。
これいらない、っていうか奪って僕のものになってもろくなことになりそうにないんだよね。
試しにリバースしてみる。
【無神論者】になった。
これも要らない。
僕はスキルコレクターというわけでもないし。
無駄足踏まされたな。
記憶は剥奪しておこう。
おー、教皇の悪事が出るわ出るわ。
すげーなコレ。
◇◇◇
と、不意に神聖な気配を感じた。
「そこのお方、一体どなた様でしょうか。私たちの恥部とも言うべき教会暗部の名うての暗殺者を無傷で捕えるなんて、国内のオリハルコン級の者たちは一応全て把握しているつもりなのですが……」
金髪の巨乳の白いローブの女性が現れた。
見かけは僕の少し年上くらい感じの年齢に見えるが、口にした内容は年相応じゃない。
「申し遅れました、私は聖ミザリー教会認定の聖女、テレーズと申します。お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「僕は冒険者ゴールドランクのアランです。聖女様がこんなところにいったいどんな御用でしょうか?」
美しい聖女様が血だらけの死体が転がるこんな場所にわざわざ1人でやってきて一体何の用なのか。
まさかこのアサシンを引き渡せ、とかじゃないよな?
「お願いがあるのですが、あなた様が捕縛したその者を引き渡していただきたいのです」
え、マジで?
まさかが当たったよ。
「襲われたのは僕で、反撃したのも僕で誰の手も借りていないのですが、冒険者から獲物を取り上げるつもりですか? それはあなたたちから信仰を取り上げるのと等しいと思うのですが」
◇◇◇◇◇◇
スキル:【リバース】【神眼】【剣神】【怪盗紳士】【暗黒魔法】【岩鉄魔法】【神聖魔法】【時空間魔法】【灼熱魔法】【凍氷魔法】【マジックハンド】【誘惑】【痛覚緩和】【状態異常完全耐性】【炎精霊の守護】【幻魔】【疾風迅雷】【闇精霊の守護】【怪力乱神】【雷神剣】【強運】【晴嵐魔法】【謙虚】
ランク:ゴールド(アリサ:ゴールド)
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