第82話 めでたく異端者
そういや思い出した。
ファンダンタルのスタンピードのときは、領主が低いランクの冒険者を使い潰そうとしたのが気に入らないからこっそりと治しまくったんだっけか。
その次の女の人の治療は、魔力欠乏症を金貨2枚で治すといって払えないから連れて行こうとしてたのが気に入らなかったから僕が治した。
宿の火事の話は、家宝の宝剣をタダ同然で買い戻そうとして失敗した伯爵様(故人)が命じて放火したやつだよね。
あの時は巻き添えにして申し訳ないと思ったから治したんだけど。
こうして振り返って、僕に悪いところひとつもないよね。
高い治療費を無理やり回収してどうせ教祖さまの女遊びとか贅沢とかに消えるんでしょ。
協力なんてしないね。
むしろ積極的に邪魔してやろう。
「どうした? 我々に協力しないのか? 光魔法には攻撃に優れたものもあるのだぞ。『聖なる裁きが神敵を貫き穿つ! セイントビーム!』」
老神官が流暢に唱えた魔法による黄白色の光線が僕の顔のすぐ横を通り過ぎた。
人に向かって魔法を撃ってはいけません、って習わなかったの?
「フハハ、驚いて声もでまい! さあ跪け、命乞いをしろ! その治癒能力を教皇様のために使うのだ! 三分間待ってやる!」
僕が微動だにしなかったのをビビったからだと思ってるらしい。
そんなわけないじゃん。
全然危なくないから動く必要がなかったんだよ。
「やなこった」
「は? きさ……」
老年の神官はそれ以上喋ることができなかった。
僕が光の剣で首を刎ねたからだ。
「僕はね、アンタらの金儲けに手を貸す気はない。この【神聖魔法】で作り出した光の剣でお前たちを神の下に送ってあげるよ。僕からのありがたい説法を受け取ってね」
さっきの老神官の『セイントビーム』はまともに食らえば普通の人なら死ぬくらいの威力があった。
つまり言うことを聞かなければ本当に僕を殺すつもりだったのだ。
「なぜこんな少年が【神聖魔法】を使えるのだ? 神は力を与える人間を間違っている!」
神官がそんなことを宣うが、それこそ自分たちの奉ずる神への侮辱じゃないかな。
ま、その理由はあの世で聞けばいいよ。
「異端者めっ! この聖剣で死ねっ!」
と言いながら教会騎士が剣を振りかざして斬りかかってきた。
聖剣というので武器を【神眼】で見たらちょっといいミスリルの剣に光属性を付与しているだけの剣だ。
おう、中二病やめーや。
あと異端者認定いただきました。
これは教会を全滅させなきゃいけないコースか?
首を刎ね、心臓を貫き、集まった狂信者たち(対象は神か金かどっちだろうね?)を倒していく。
全滅させた、と思った。
さて、どうやって死体を処理しようか、晒しておいて僕からの警告にするか。
そして【怪盗紳士】の察知機能に反応があり何かが首に向かって飛んでくるのがわかる。
僕は少し体をずらしてかわす。
そのまま銀色の針状のものが地面に向かって飛んでいくが、地面に触れるとズブズブと沈んで消えていった。
◇◇◇◇◇◇
スキル:【リバース】【神眼】【剣神】【怪盗紳士】【暗黒魔法】【岩鉄魔法】【神聖魔法】【時空間魔法】【灼熱魔法】【凍氷魔法】【マジックハンド】【誘惑】【痛覚緩和】【状態異常完全耐性】【炎精霊の守護】【幻魔】【疾風迅雷】【闇精霊の守護】【怪力乱神】【雷神剣】【強運】【晴嵐魔法】【謙虚】
ランク:ゴールド(アリサ:ゴールド)
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