第81話 甘い依頼
『エリクサー100本納品でランクアップ!』
なーんて依頼が冒険者ギルドに出ていた。
まだなんか薬不足が解消されてなかったのかな。
まあでもめっちゃ簡単じゃん。
僕は嬉々として持っていたエリクサーを100本納品して無事ランクアップしてゴールドになった。
◇◇◇
そしたら、たくさんの教会関係者に囲まれた。
神官やら、教会騎士か聖騎士か知らないけど帯剣してこちらに今にも斬りかかってきそうな騎士様たち。
その中で一番偉いと思われる老神官が口を開いた。
「我々は聖ミザリー教会の者。冒険者アランだな? 我々とともに神に仕えるか、神の下へ旅立つか選べ」
なぜか改宗を迫られている。
100本のエリクサーを納品したあと、ついでの依頼ということでそれを教会まで運べと言われたからのこのこと教会に持ってきたのだけど。
異世界でも宗教ってあるんだな。
不思議だよね、魔法がある世界で宗教が猛威を振るうなんて。
てっきりラノベで敵役を作るための都合のいい設定だと思ってたよ。
「え、いやなんで僕が神に仕えるんですか?」
「それは数ヶ月前のことだった……」
後期高齢者に差し掛かりそうなリーダーっぽい神官が語り始める。
なんか話が長くなりそうだ。
回想シーンかな。
「ファンダンタルの街で定期的に起きるスタンピード。多くの冒険者が怪我をする。そこに我々聖ミザリー教会の者が颯爽と現れ、治癒していく。泣きながら感謝する彼らは末長く我らが神に寄進する。信心が足りない者は分割で寄進していく」
それって押しかけ治療して怪我してる冒険者の足下を見て延々と高額な治療費を払わせてるってことだよね?
「……のはずだったが、今回はなぜか治療の必要な者がほとんどいなかった」
へえー。
「そのわずか数日後、我らが同志が貧しき女の魔力欠乏症を治療しようとした矢先、何者かがタダ同然で治してしまい、神への忠誠を尽くすことができなかった」
そうなんだ。
ぼったくり失敗したんだね。
「それからその後、この王都でとある宿屋が火事になった。だが、怪我を負った者たちは広範囲の癒しの光を受けて古傷すらも治ったということだ」
ふむふむ。
今度は出番すらなかったと。
「これらはつまり、我らが神の御威光を知らぬがゆえにタダで治療を行う優秀なヒーラーがいると言うことを示している」
言っちゃったよ。
タダで、ってことは俺らの商売の邪魔をするなってことなんだね。
これって闇ギルドがシノギを取られて焦ってるのと同じ感じじゃないのか?
「だから、その者は高度な治癒魔法を持っているか、治癒薬を大量に持っている可能性が高い。だからエリクサー納品の依頼を出したのだ。そして引っかかったのはお前だ、間抜けめが!」
僕は、間抜けだった……?
「こんなに簡単に見つかるとは思わなかったのだがな! さあ、これから我々と同じく神に仕えるのであれば今までの咎は許そう。ともに愚民から寄進を巻き上げるのだ!」
なんか免罪符とか売ってそう、この集団。
◇◇◇◇◇◇
28話、33話、42話がこの話の前振りとなっていました。
スキル:【リバース】【神眼】【剣神】【怪盗紳士】【暗黒魔法】【岩鉄魔法】【神聖魔法】【時空間魔法】【灼熱魔法】【凍氷魔法】【マジックハンド】【誘惑】【痛覚緩和】【状態異常完全耐性】【炎精霊の守護】【幻魔】【疾風迅雷】【闇精霊の守護】【怪力乱神】【雷神剣】【強運】【晴嵐魔法】【謙虚】
ランク:ゴールド(アリサ:ゴールド)
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