第53話 サブマス隷属

「ホワイトキングタイガーウルフについてとのことだが、一体どういうことかね? 君が持っているとでも?」



 そう言われてる間に【怪盗紳士】に反応があり僕のマジックバッグに侵入される感覚が僕を襲う。



 【神眼】、発動。

 目の前のこいつは【マジックハンド】っていうスキルを持ってる。

 現在絶賛発動中で、僕のマジックバックの中を探している。



 目に見えない第三の手。

 これなら商業ギルドが盗まれても分からなかったわけだ。

 【マジックハンド】はつかむ物の大きさ、重さとか関係なく移動させることができるらしい(人間は除く)。



 とはいえ、いまホワイトキングタイガーウルフは僕の時空間魔法の中に収納しているから、そもそも見つけられないだろうけど。



 つーか、そもそもいきなりスキルの行使とか失礼すぎるな。

 もし僕が持ってれば奪い取ってしらばっくれるつもりだったか。



 人払いをしてくれてるのは僕にも好都合だ。

 向こうはいざってときに僕を実力でどうこうしようとか思ってるのかもしれないが。



 密かに【時空間魔法】のディマケーションを発動し、空間を隔離する。



「さて、泥棒のくせに名乗りもしないサブマス。リーンから頼まれて商業ギルドから【マジックハンド】でホワイトキングタイガーウルフを盗み出し、闇ギルド『ダイアモンド』に預けた。なかなか罪は重いですね。リーンが闇ギルドの関係者と知ってのことですか?」



「な……! 何のことだか分からんな!」



 クロか。

 でも一応本人の口から聞きたいな。

 だから、『強制奴隷スレイブチョーカー』、発動。



 サブマスの首に、黒くて全方位トゲトゲ付きのいかつい首輪が嵌められた。

 なお、鍵穴とかはない。



「これは、隷属の首輪か! いったいなぜ!? 詠唱もなしにこんなことが!」



「はいはい、そんなことより、リーンが闇ギルドの関係者と知っていましたか?」



「あ、口が勝手に! そうだ、知ってるさ。『ダイアモンド』のマスターの娘だってな。アイツの抱き心地はいいんだぜ、ガキには分からんだろうがな! その後ろ盾を持って俺はギルドのグランドマスターになるんだ!」



 リーンのご機嫌取りのために僕のホワイトキングタイガーウルフを取ったのか。

 そんなおいたをする子にはお仕置きしないとね。



「スナッチスキル!」



 相手はスキルを奪われる。

 対象は当然【マジックハンド】だ。

 あーあ、これでもう2度と盗みができないねえ。



「おまえ、一体何をした!」



「悪いことできないようにしました。あと、この件については一切の口外を禁じる。逆らえば激痛が走るのは知ってるよね? ついでだから逆らうたびにスキルを封印していくようにしておこう」



「スキルを封印? そんな力量差がなければ、あがががががっっ!!」



 サブマスが激痛に悶えた。

 あーあ。言わんこっちゃない。

 【剛力】が封印されちゃったよ。

 バカだなあ。



 次はリーンだ。

 なお、首輪は見えないようにしておいた。



◇◇◇


side リーン



「はあ〜、だっるぅ。アイツからの呼び出しかあ。最近ちょっとマンネリ気味なのよねぇ……。今日はずっと舐めさせて終わろうかなあ……」



 こうしてサブマスの自宅に呼ばれた私。

 でもそこにいたのはサブマスともう1人男の子。

 あれ、今日は3Pなの? 

 マンネリ解消にしてはヤリすぎじゃない? 

 あたし別に少年趣味とかないんだけど。



 ていうかかろうじて精通してそうかどうかの少年じゃない。

 もしかしてあいつの趣味? 

 顔は悪くないけど……



 あっ!

 ホワイトキングタイガーウルフを持ってきたガキじゃん!



 ははーん、こいつを痛めつけるため呼んだのかな。

 やるじゃんサブマス。

 じゃあ何をしてやろうかなぁ。



◇◇◇◇◇◇


限定近況ノートに第0.2話を掲載しました。

本編には影響ありません。



スキル:【リバース】【神眼】【剣神】【怪盗紳士】【暗黒魔法】【岩鉄魔法】【神聖魔法】【時空間魔法】【灼熱魔法】【凍氷魔法】【マジックハンド】

ランク:ブロンズ


いつもお読みいただきありがとうございます😊

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