第37話 王都の商業ギルド
商業ギルドで別室に案内されたあと、少しの間を置いて壮年の男とさっきの受付嬢さんが入ってきた。
「カードをお返ししますね」
と受付嬢からカードを返してもらう。
「おーなんだ、アランだっけか? 俺はギルドマスターのベーシスだ。イーグルの裏書付きカードなんざ初めて見たぜ。あいつは俺の同期でなあ、人を見る目は確かだ。つーわけで、建物の裏庭について来い。そこでモノを見せろ。ちなみに俺は【鑑定】もちだぜ」
一気に捲し立てるギルマス。
だが悪い人ではなさそうだ。
そして、裏庭にてマジックバックからホワイトキングタイガーウルフを出す。
「おおぅ…… この毛並み、王宮にはブラックキングタイガーウルフが飾ってあるが、勝るとも劣らねえな。こりゃ鑑定しなくてもわかるな、本物だぜ。まあ、一応視ることは視るがな。おまえさん、これをどこで?」
「モメンタムの街の東の森です。突然変異種でした」
「討伐主もアランか。冒険者ランクは? ブロンズ? バカな。昇格の申請しといたほうがいいぞ。ランクが低くても一つもいいことないからな」
「ええ、そのうちにしておきますね」
「それで、冒険者ギルドで断られたってな。おい、一応確認してこい。断ったのはどこのどいつだって?」
「リーンっていう受付の人でした」
それを聞いた商業ギルドの受付嬢は素早く出て行った。
ギルマスと2人で別室に戻る。
しばらくして受付嬢が戻ってきた。
「ギルマス、リーンという受付担当から言質をとってきました」
「お、よくやった。これで手数料総取りだな。さて、これほどのブツだと金貨10000枚からスタートかな。久々の超大物オークションだ、腕がなるぜ。期待してろよ!」
「ありがとうございます」
心の中ではそんなに期待していないが、高く売れる分には構わないだろう。
別に金に困ってないからさ。
ルビードラゴンの溜め込んでいた財宝もかなりのものだったからね。
ホワイトキングタイガーウルフを商業ギルドに預けた。
◇◇◇
次は、衛兵の詰所に用事だ。
『猛き宝石団』とやらの賞金首を持って行く。
ついでに僕が潰しておいたアジトの場所も教えておく。
賞金は後日くれるとのことだ。
なお、そこで見つけた物は自分のものにしていいが、本来の所有者が買取を申し出たら交渉次第となるらしい。
あまり強欲なことをすると痛い目をみるから気をつけな、とのことだった。
もし申し出があったら伝えないといけないから、ということで今借りてる宿を教えておいた。
そしてもっかい商業ギルドへ。
さっきの受付嬢さんがいて聞きたいことがある、っていうと別室に案内された。
「あの、盗賊団のアジトを潰して財宝を手に入れてるんですが、返してほしい、っていう人が来た場合、どれくらいを要求したらいいんでしょうか?」
「そうですね、相場はだいたい3〜4割というところでしょうか。相手が貴族だったりするとややこしくなるので言い値で返すことが多くなるでしょうね。彼らからするとその人を襲って奪った方が安くつく場合があるからです。その人がよほど強ければ別ですが……」
「ありがとうございます。ところでその情報にいくら払えばいいでしょうか?」
「えー、さっきのホワイトキングタイガーウルフを持ち込んでいただきましたし、それはおまけということで」
受付嬢さんが可愛くウインクしてきた。
やべっ、惚れそうだよ。
そんなことを思いながら宿に帰ってくると、早速商人が待っていた。
◇◇◇◇◇◇
スキル:【リバース】【神眼】【剣神】【怪盗紳士】【暗黒魔法】【岩鉄魔法】【神聖魔法】
ランク:ブロンズ
いつもお読みいただきありがとうございます!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます