第8話
「私……女性とのお付き合いは考えて無いのですよね~」
そこまで言われ、何かハッとして離れるピースさん。
ん〜?まぁ、嫌な予感しかしないので断るのは確定ですがさてはて。
「も、申し訳ありません!
私達の脱出に付き合ってくださいです!!!」
「おやおや」
・おぉ〜
・おっさんならそうなるわな
「私、一応キャンパーなのでお二人みたく強くないのでお断りします」
「うっそ!?おじさん強いって!」
「ラブ!?
いえ、その……ならせめてサインだけでももらえますか?」
「えぇ!?」
そう言ってピースさんは手帳とペンと、それと着替えかな?
白いシャツを出してキラキラした目で見てきます。
「ツインヒーローでトラさんが映った時!電流が走りました!
私はこの人を推すために産まれたって!!!
お願いします!」
えっと……多分見た感じピースさんは冷静でお淑やか系。
黒髪のロングと結構な身長で、深窓の令嬢なんて言われる感じですね。
装備もキチッとしたファッション要素を盛り込みつつもオーソドックスな小手や胸当て等の基礎に忠実な物です。
逆にラブさんは俗に言う陽キャギャル……で良いのですかね?
髪はウェーブをかけた金髪で、それを後ろでボンボンみたく縛ってます。
格好も流行りのファッション制を重視した本格派な人からは邪道と呼ばれてるタイプ。
纏めると、お嬢様な子とギャルな子のチームなのですが、まさかピースさんが暴走するなんて……
そう言うのはラブさんが担当では?
「サインと言われましても、私はお二人みたく事務所所属では無いのでサインなんて持ってませんよ」
「と、トラさんってだけでも大丈夫です!」
興奮して私の手を握るピースさん。
まぁそれならと私は彼女の出してくれた手帳にトラさんと書き、そこに日本でも有名な映画のトラさんをデフォルメしたキャラも描いておきます。
「おおおおおお!!!!!」
「ピーちゃん?ピーちゃんの顔がモザイクしないといけないくらいに崩れてるんですけど!?」
・トラさん絵上手いな
・トラさんだから寅さんか
「はい♪あ、それと……」
私は銛を取り出し、高速で近付いてくる奴の眉間に刺しておきます。
うん、上手く刺さって満足ですね〜
「ふぁ!?」
「は、初めて見るモンスターなんだけど……」
「名前は解らないので肉々蛇って私は呼んでます
この身が凄く美味しいのですよね~見かけと違って熱を通すと膨らんで、噛みごたえ抜群
肉の味が強いので焼肉とかの肉を味わう料理では凄く良いのですよね~」
肉々蛇の大きさはアナコンダの三倍くらいですが、弱点の眉間を突かれると十秒前後麻痺します。
なので肉々蛇の脈をすぐに切り、血を抜いてたらいに貯めた水で丁寧に洗い手早く下拵えをします。
さて、この水は餌になるので他のモンスターの血も混ぜておきます。
よく見ててくださいね、ほら来ましたよ〜
外見的には成人男性の手のひらサイズのバッタですが、背中には揺れる球体を所持してます。
「ま、また新種!?」
「トラさん!?コレは!?」
「調味料バッタですよ〜
彼等、多分食べた物の一部を背中の球体に溜めて殿様調味料バッタに献上してるのですよね〜
あ、ちょっと待っててくださいね」
・ちょっ!?これ歴史に残る配信じゃん!?
・やべぇ、私達は今伝説を見てる
石川ダンジョンの裏一層の水、そしてガリガリ大牛の胃液を混ぜた液体を霧吹きで吹き掛けるとバタバタと倒れていく調味料バッタ。
うん、こうした繊細な美味しい虫にはこの虫眠らせ液がピッタリですね♪
「嘘……」
「トラさんヤッバ」
さて、先ずはおびき寄せのたらいを回収して調味料バッタの背中の球体をいただきます。
彼等は基本的に臆病なのでこうして餌が無くなると慌てて逃げるのでそこの心配は御無用です♪
バーベキューセットに肉々蛇、そしてこの調味料バッタの球体。
今日は大量ですね♪
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます