第7話


叱るべきかと悩みますが、私と違い仲間とのキャンプではテンションが上がるのもまた然り。

それに今は配信をしているので荒波立てる行動よりも穏やかな行動を。

そうして目を瞑ろうとしてると今回は二組の女性が慌ててコチラに近付いてきました。 


篤海君や津院君よりも年上そうですがあの慌てようは異常ですね。

って!?


「ひぃ!?ピーちゃん大丈夫!!!」


「私は良いから逃げてラブ!」


ピーちゃんと呼ばれた女性が転んでしまい、今にでも奴に食われそうになってました。

これは……彼女達の討伐対象でらないと判断してよろしいですよね?


私はすぐに釣り竿を引き上げ、奴の喉から脳に掛けて貫き自慢気にカメラへ向けてしまいました。


「ヌシ、とったどー!!!」


・は?

・はい?


このアナゴとウミヘビとウツボを足して巨大化させたモンスターこそ、このダンジョンの水のヌシであるアナへツボです!


肉は噛みごたえ有るのに淡白な味わい、そして儚く消える様な姫様のような食感。

噛みごたえが有ってなのにってまさに矛盾な美味しさを持つのがこのアナへツボなのですよ!


オススメは蒸して軽く炙るのですが、茹でると歯ごたえは無く上等なトロの様に儚く消えるので悩みますね。


「ヌシきましたー!!!ヌシですよ!ヌシのアナへツボですよ!!!

今回はどう調理しましょうかね〜炙り焼き?それともさっと湯通しなんてのも美味しそうですよね〜」


・アレラブアンドピースじゃない?

・ラッピーだよな!?


視聴者さんが驚いて女性二人を紹介しますが、正直どうだっていいですね。

それよりこのアナへツボをどうするかですよ!


「ふふ……アナへツボのぶつ切りでばらちらしなんてのも美味しそうですね」


「あ、あの!!!」


「はい?」


「助けて頂きありがとうございます!

私はピース、それでこの子はラブで二人でラブアンドピースチャンネルをさせてもらってます」


「はぁ……」


私が興味無くアナへツボを捌き始めると、ラブさんが更に慌てて紹介をしてくれました。


「リトルユートピア所属の探索者でして、トラさんの事は先輩であるツインヒーローから聞いてます!」


「えぇ〜ヒロちゃんたち助けたのオジさんなの!?」


「さぁ〜どうなんでしょうね〜」


濁す様にそういうのだが、ピースさんは何故か食いついてきた。

う〜ん、年頃の娘の気持ちは解らないのですねぇ〜


「と、トラさん!!!

是非お付き合いお願いします!!!」


「はい?」


「ピーちゃん!?」


・おっさんモテ期?

・配信初回から事故www

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