第5話

翌日、私は身なりをやる気ワクワクなお店で買った安物作業服とジャンバーで整えて電車に乗り込み、本日の目的地へ向かう。

色々考えたのですが、今日は海鮮も摘みながら少し配信に手を出してみようかなんて老化を考慮して戸田ダンジョンへ向かいます。


戸田ダンジョンとは戸田競艇のそばに出来たダンジョンでして、裏八層から湖や海が見えるのでロケーションも良いですし何より虹色鮭や骨なし鮎が美味しいのですよね!

虹色鮭は全身に脂が乗ってるのにその脂がくどくなくてサラリときて最高ですし、骨なし鮎は骨が無くて食べやすいのに身がしっかりしてて味も強く、濃い口醤油にすら負けないのですよ!


それで在り来りかも知れませんが、先日の津院君と篤海君を見習って少し配信に手を出してみようかなと思いまして。

私程度では大した人気は出ないでしょうが、こうして新しい事に挑戦すれば老化を防げると聞いたことが有るので、まぁ後者が大きな理由ですね。


ダンジョンの前に着くと小さな物置を改造した受付が有り、そこに今回の目的と名前。

そして同意書をサインして入ります。

同意書の内容は二文。

死んだら自己責任と、これに関して探索者省を責めないです。


さて、ダンジョンの中に入った私はすぐに入口そばの壁を特性包丁で切ります。

そして出てくる小さな紫色の石を手に、少し先の魔法陣に乗り、裏八層を念じます。

魔法はダンジョンが出てきてから現れたものなのですが適性が無ければ使用出来ません。

ちなみに私に適性は無いのでそこまで調べる必要は無いですね。

それとコレは転移陣、乗って行ったこと有る階層を念じれば送ってくれるエレベーター的な物です。

でこの紫色の石は裏への通行証で、これが無いと事故が起きない限りは裏階層へは行けないのです。


なので恐らく前回の篤海君と津院君は何かしらの事故で裏に着いたのでしょう。

さて目的地の裏八層に着きました。


「うん、清々しいですね〜」


キラキラと輝く太陽、そして爽やかな森と太陽の光を反射する綺麗な湖。

温度は程よく寒すぎず暑すぎずで、私はジャンバーを脱いで早速カセットコンロ等を準備します。


こんな華麗な景色ですがやはり虫はいますので、大阪ダンジョンの裏三層に生えてる花を燃やし、その煙を周りに巻きます。

それと石巻ダンジョンの裏十二層で採れる水を虫に吹き付けておきます。

花の方は虫除け効果がありまして、水の方は撃退効果が有るので機会があれば是非試してみてください♪


さて、では手抜き小籠包を蒸しましょう!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る