第26話 ダンジョン課2


「よし。では二人の頑張りと西園寺の歓迎会だ食べて飲んでくれ」

「「「かんぱーい」」」

「お寿司なんかいいんですか?」

「あぁ。会長に連絡したら経費で落としてくれるそうだ」

「やった!」

「大トロ」

「私は中トロで」

「じゃあ遠慮なくエンガワで」

「あはは。この課はまだ出来たばかりだからね。遠慮はいらないよ」

「じゃあ一つ聞いてもいいですか?」

「おう!なんだい?」

「課長は独身ですか?」

「そうだけど?」

「ふぅ。ならよかったです」

 大人っぽく涙ボクロのある綺麗系女子に言われるとくらっとくるな。

「あぁー!課長狙いはあなただけじゃないんだからね」

「ふん!」

「まあまあ。喧嘩はやめよう」

「はい!」

「課長!性悪ですよ!気をつけてくださいね」

「中トロで!そういうあなたもですね」

「くくぅー!まぁ、今日は歓迎会だから許してあげるわよ」


 結構飲んだのに次の日3人はピシッとしていた。

「おまえら大丈夫か?」

「はい!課長は?」

「まぁ、俺は大丈夫だ、工事してるから気をつけろよ?」

「はい!」

「んじゃ西園寺はこれとこれな」

「え?剣士って言いましたっけ?」

「あ、鑑定ですね?勝手に見たらダメですよ?」

「そうなのか?すまんな西園寺」

「いえ、課長ならいいですよ」

「くあっ!課長びいきすな!」

 変なポーズで威嚇している四ツ谷。

「んじゃとりあえず3人で1階層から行くか」

「そうですね」

「いいとこ見せますよ!」

「おうがんばれ南原」

「はい!」

 とりあえず1階層は難なくクリアして2階層、3階層と普通に戦える西園寺を見て二人の反応はホェーとしていた。

「こら、ボサっとするな!」

「「はい」」

 それじゃあこのまま5階層に行くと、一閃で倒してしまう。

 ほぅ。いいじゃないか!即戦力だな。

「今日は二人について頑張ってレベル上げをしてくれ。俺は帰るから何かあれば連絡な!」

「はい!」

「え?帰るんですか?」

「あはは、もう20日くらい休みとってなかったから怒られたんだよ」

「そりゃ怒られますよ」

「あはは、だから頼むな!南原!」

「はい!」

 無駄に気合を入れてる南原だ、頑張ってくれるだろう。


 タクシーに乗って車屋にいく、中古でいいSUVあたりがないか見ていると黒でいいのがあったから即決する、走行距離もそんなにいってないしな。

 納車日を決めてまぁ一括で買う。


 あとはタクシーで家の近くのコンビニに行ってビールやつまみを買って帰る。久しぶりに部屋の掃除をしながら飲んでいる。


 テレビはつけっぱなしでやっているのであまり進んでいないが俺たちが映ったのにはビックリした。

 そんなとこまで使うなよな!


 久しぶりに甘いものが食べたくなりウーバーでクレープを頼む。あはは、異世界のアレが美味すぎたんだな。


 異世界から帰ってきて3ヶ月くらいか。

 なかなか波瀾万丈だな。


 久しぶりに休めたせいかぐっすりと眠って、次の日だ。


 学校前は人だかりが一段と盛り上がりを見せている中入っていかないといけないのが辛いな。

 なんとか入るとギルドの外観はほとんど出来ていた。すごい技術だな。

 中ではもう3人が防具を着て待っていた。

「あ、そうだったな、こういうのはどうだ?」

 ドロップ品だが女子には似合いそうな感じがしたので見せてみる。

「あ!それいいですね」

「ですね!これよりも全然いいです!」

「じゃあ二人分な」

「「はい」」

 と二人は着替えに行く。ロッカールームなんてのもあるみたいだな。

「南原もなんか欲しいのあるか?」

「俺ですか?まぁ、強いて言えばもう少し強い剣がいいですね」

「そうか、ならこれはどうだ?」

 黒鉄の剣だ。

「うお!かっけぇ」

「いいみたいだな」


「じゃあ、3人とも怪我しないようにな!」

「「「はい」」」

「課長は?」

「会長に報告がある。一緒にいくか?」

「いえいえ!頑張ります!」

 そしてまた人並みを掻き分けてタクシーに乗る。

 会社に着くと会長室まで行き、

“コンコン”

「入れ」

「失礼します!」

「おお!知念君!」

 ソファーに座れというので対面に座る。

「どうだい?ダンジョン課は?」

「まあまあですね、レベル上げをしてもらってますしこの前の皇居前では助かりました」

「そうか!ボーナスに期待しろと言っておいてくれ」

「あはは、はい!それで。ダンジョンコアはどうしましょうか?」

「今出せるのかね?」

「はい!」

 ダンジョンコアを取り出す。

「すごいな、これがあのダンジョンの元か」

「そうですね。で、どうします?」

「とりあえず保管しといてくれ、その内ケースを作るよ」

「ハイ!」

「他の防具なんかは下請けに回してあるから問題ないと思うが」

「ありがとうございます」

「いや。ずいぶんがんばってるみたいだから素材が溜まって行く一方だしな」

「もうちょいペースは落としたほうがいいですか?」

「いや、大丈夫だ。問題ないぞ」

「そうですか」

「それよりもちゃんと休んでくれよ?いざという時に動けないのは良くないからな」

「はい、流石に今回はやばかったですからね」

「まぁそうだな、今後は課の者も増えて行くから頑張ってくれ」

「はい」

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