第21話 ブレイク寸前
地震が収まると周りではスマホのアラームが鳴る。その中を神速で走り家に帰ってテレビをつけると、そこには今映っている塔があった。
「2個目かよ」
“ヴヴッ”
「はい」
『知念君あれは』
「2個目の塔ですね」
『そのようだな、すぐに自衛隊が封鎖に行くが君も行ってくれないか?』
「わかりました」
電話は切れる。
そして外に出て走って行く。
そこは新宿、明治神宮外苑にあった。
「ここは立ち入り禁止です」
「あ、こう言うものです」
シルバーの名刺を見せる。
「あ、どうぞ」
「はい。ありがとうございます」
中に入るととりあえず防具を装着して塔の中に入る。
すると今にも出てきそうなほどモンスターがいた。
「サンダーストリーム」
“バリバリバリ”
と魔法でとりあえず前にいた奴らを消滅させるが後から後から押し寄せてくるので魔法を連続で使いながら中に入って行く。
「大物もいるな!」
サイクロプスやレッドドラゴンも出てこようとしているので疾風迅雷で斬って範囲魔法を撃つ。
「インフェルノ」
火柱が何本も立ちまたそれを縫うように敵を倒して行く。
2時間?3時間?時間の感覚がわかんないほど倒してきて漸く少なくなってきたがこっちの体力も結構かつかつだ。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、」
素材を収納に入れて回りながら残っている奴らを斬って回る。
時計を見ると結局4時間も戦っていたようだ。もう治ったろうと思い外に出ると、朝になっていた。
「ご苦労様です!ダンジョンのほうは?」
「なんとか収まりましたね」
「そうですか、良かった」
“ヴヴッ”
「はい」
『どうだったかね』
「ダンジョンブレイクの一歩手前でした」
『ダンジョンブレイク?』
「ダンジョンから外にモンスターが出てくるんです」
『それは危ないね』
「なんとかできましたが、僕もへとへとですね」
『本当かい?そんなに数がいたのかい?』
「溢れそうでしたからね」
『そりゃほんとにやばいな」
「定期的に間引いてやったりしてれば問題はないんですが、これだけ急だと対処が遅れる可能性もありますね」
『其処は要検討だな』
「そうですね、今までかかりましたから」
『今まで潜ってたのか?だから電話が通じなかったんだな』
「はい」
『とりあえず休んだらこっちにきてくれないか?迎えにいかせるから』
「わかりました」
それから30分くらいで迎えが来た。
「大丈夫ですか?」
「まぁなんとか」
車に乗るまえにクリーンで綺麗にしてから乗り込む。
会社に着くと会議室に行く。
「無事で何よりだ」
「はい、なんとかなりましたけど」
「まぁ座ってくれ」
椅子に座ると、
「まずどのくらいの量のモンスターが外に出そうだったんだ?」
「はい、これがその時のドロップ品ですね、魔石を数えるとわかると思いますが」
「これほどのか」
山のように大量のドロップだ、数えるだけでも大変だろう。
「おい!人を呼んで数えさせろ!」
「はい!」
「これだけの量が外に出たら大惨事だな」
「ですね!必死でしたがサイクロプスやレッドドラゴンもいましたから」
「…またあると思うかね?」
「必ずあるでしょう」
「ギルドの設立と冒険者を早く手配しなくてはな!」
「そうですね、自衛隊じゃまだ無理だとおもいますから」
「わかった。ありがとう、それじゃあ寝てないだろうから仮眠室で寝て行くといい」
「ありがとうございます」
俺は仮眠室に行き寝に入る。流石に疲れたな。
横になるとすぐに寝息を立てて寝てしまった。
「ふあぁ、何時だいま?」
あれから3時間も寝たのか、会議室に向かおう!
「おう、どうだよく眠れたか?」
「はい!まだ数え終わってないですね」
「あぁ、千個は超えたぞ」
「え?」
「これだけの数が外に出るとなると問題は山積みだな」
「そうですね」
千体以上のモンスターが街に出てくるとは考えにくいがあれだけ溢れそうになっていたんだから出てくるのだろう。
「これは自衛隊にも共通認識してもらう、後はすまないが塔の出現したときは」
「はい!できるだけ早く到着できるようにします」
「よろしく頼むよ」
「結局は千五百体以上か、これは想定していたよりも深刻だな」
「何処に出現するかがわかるといいんですが、まだ二つ目じゃ」
「そうだな。もっとサンプルがないとどうしようもないな」
「やはりギルドを作り冒険者を増やすしかないかと」
「その通りだな!よし会議だ」
「はい!」
会議には会社の役員が揃って、ギルド設立と冒険者の誘致について議論され、早速動くことになった。
「知念君はいつでも動けるように、と部下たちの教育も頼むよ」
「はい!」
課に戻ると心配そうにテレビを見ている2人がいた。
「四ツ谷に南原は今からダンジョンだ」
「「はい」」
一緒に行ってダンジョンの5階層まで行くと外に出てを繰り返す。
レベルを上げるには。経験も必要だからな。
パワーレベリングしてもいいんだが流石に死なれては困るからな。
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