第22話 バカ2人


 レベル上げも2人でできるようになったのでここからは2人に任せることにする。

「あぶなければ逃げるように!」

「はい!」

「あとは定時までレベル上げだな」

「わかりました」

 俺はスキル玉で何がいいのができないかを検討する。

 なかなか使えそうなのがないのが現状だ。

 順風 贅沢 方便 成長 沈黙 睡魔 学習 感覚 日課 落書 視野 下手 度胸 短気 辛抱 無精 etc

うーむ、順風とかは神風や疾風なんかに使えるがなかなか思いつかないもんだな。

 まぁ、色々学習して行くしかないか。


 定時まで頑張った2人は少し怪我があったのでヒールをかけてやる。

「すいません」

「いや謝ることはないぞ」

「もっとレベルを上げますから!」

「そう力むと力が発揮できないからな?」

「はい」

「無理はするなよ」

「「はい」」

 

 そうして会社によってから帰る。

 漢字辞典などを買ったりして勉強ようだな。コンビニに寄って夕飯を買って家に着く。


 家に帰っても勉強だが。


 勉強は苦手だなぁと思いながらテレビをつけ。やっぱりもっとスキル玉を集めとけば良かったと後悔していた。


 とりあえず教育があったのでこれを覚える。

 2人に教えるにはちょうどいいだろう。


 次の日も朝からダンジョンだ、2人も来ているので一緒に潜って剣の振り方や槍の扱いなどを教えると教育の本領を発揮したのか初級から中級に上がったらしい。


 2人とも10階層まで行きそれをまた周回することにした。


 俺はそれを見ながらスキル玉を確認して紙に書いている。いいのがあったら使ってやるのだが収納は流石にやりすぎだと思うのでマジックバッグを持たせてある。


 マジックバッグならこちらでも管理できるしな。


「少しいいかな?」

「はい?」

「うちのにも教育してもらえないだろうか?」

「…まぁ、いいですよ」

 自衛隊員に自分の得意な武器を持たせると教育していく。1時間程度だったがそれなりに上達したようだ。

「ありがとう!」

「いえいえ、自衛隊にも強くなってもらわなきゃならないですしね」

「そうだな」


 戻ってきた2人はヘロヘロだった。

「10階層まで行ってきました」

「つ、疲れた」

「そうか、休んでくれ」

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 四ツ谷瑞希ヨツヤミズキ  20歳

 レベル16 職業 槍師

 スキル 中級槍術 初級盾術 生活魔法 火魔法 疾風

 ユニーク なし

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 南原清正ナンバラキヨマサ  20歳

 レベル15 職業 剣士

 スキル 中級剣術 スラッシュ パリィ 生活魔法 水魔法 迅雷

 ユニーク なし

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 まぁ、上がった方じゃないかな?

 このままうまくいけばいいんだが。


 と外が騒がしいので行ってみる。

「あ。おまえ!なんでそこにいるんだよ!」

 異世界組の若い方のバカだ。

「ここは工藤グループの土地だぞ?」

「は?まじかよ!お前工藤グループなのかよ!」

「そうだがそれがどうかしたか?」

「俺も紹介してくれよ?どうせダンジョンなんだろ?」

「は?嫌に決まってるだろ?お前みたいなペーペーを紹介なんて」

「お前が言うな!ふざけんじゃねーぞ!」

「はぁ、もうちょっとマシになればいいけどな」

「なるなる!」

「無理だな!」

「フッざけんじゃねー!スーパーカッガフッ」

 こう言うやつだからな!

「せっかくのユニークをこんな公共の場で使うな!」

「いつつ。テメェ!覚えてろよ!」

 逃げて行くバカを見て何もやらかさなきゃいいけどな、と思う。


 もう1人のバカは何してんだろ?


 もう1人のバカこと忠野克己タダノカツミは離婚され1人で野宿生活になっていた。

 残飯を漁り橋の下に寝ると言うことをもう一週間も続けている。

「ステータス」

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 忠野克己タダノカツミ  43歳

 レベル1 職業 魔術師

 スキル 初級水魔法

 ユニーク なし

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「わしもあっちで頑張りゃ良かったか?」

 でもこっちに帰っても使える保証のないものになぜ一生懸命になれるんだ?

 帰ったら嫁も子供も新しいパパがいた。

 なぜだ!なぜわしを待っていてくれなかったんだよ!

「「クソッ!ふざけんじゃねーぞ!」」

「「え?」」

「おっさん?」

「若造」

 バカコンビの再会である。

「何やってんだよおっさん?俺らの時代だぜ?」

「はぁ、お前みたいに俺にもユニークがあれば良かったのに」

「は?俺のユニークなんてしょぼいっての!」

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 進藤宏シンドウヒロシ  25歳

 レベル1 職業 無職

 スキル スーパーカッター

 ユニーク 切れるナイフ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「本当だ、ワシの魔術師の方がマシだ」

「ウッセーくそ!ダンジョンに入れりゃ俺も」

「ダンジョン!ワシもレベルを上げるぞ!」

「それがよ」

「なんじゃ」

「あいつがいるんだよ!」

「もしかしてあいつのことか?」

「しかも工藤グループの社員だ」

「あ、あの工藤グループか!クソッ!」

「どうにか潜れないかな?」

「そうじゃのー」

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