第18話 勇者君


 次の日は朝からダンジョンに潜る。

 さっさと攻略しときたいしな、

 31階層、テンタクル

 タコのような化け物だな焼き殺して消滅させる。ドロップは宝玉と魔石。宝玉は錬金で使うから探してたものだ。


 32階層、スカイシャーク

 まためんどくさいのが出てくる。空中を泳ぐサメだが動きも早いし噛みつきが鬱陶しいので魔法を使い倒して行く。ドロップは皮と魔石だ。


 33階層、オークジェネラル

 今更オークと思うがこの階層のオークは強い。しかも呼び出しを持っているので大量のオークを倒さなければいけない。見つけたら疾風迅雷で倒している。ドロップは肉と魔石、時々鎧だ。


 34階層、マジカルオーブ

 球体が魔法を放ってくる。避けて斬ると消滅するが多いと厄介だ。空のオーブに魔石だ。空のオーブを使い道があるので取っておく。


 35階層、トレント

木の化け物で燃えない。斬り刻み核を壊すと消滅する。ドロップはトレントの木材と魔石。宝箱は金のスキル玉に銀貨90枚。

 金のスキル玉には火魔法が入っていた。


 ここらで休憩をする。50階層までで終わってくれればまだ良いがそれ以上は少しきついな。まぁ、攻略するだけだな。

 とモックのバーガーを食べてからつぎにいく。


 36階層、ビートル

 カナブンのでかい版と言えば良いかな?ツノはない、硬い甲殻に覆われているので体当たりだけで痛いが魔法に弱いので対処出来る。ドロップは甲殻に魔石。


 37階層、ファングウルフ

 牙のでかいウルフだが所詮ウルフだ疾風迅雷で一撃だぁ!ドロップは牙と毛皮と魔石


 38階層、グレイタートル

 亀だな亀!裏っ返して首を斬る。危ないのは噛みつきを避けながらひっくり返すことだな。甲羅と魔石をドロップ。


 39階層、ホーリーバード

光を飛ばしてくる鳥だ、しかも小さいので斬りにくい、倒すと光の玉と魔石をドロップ。


 40階層、ボス部屋だ。

 サラマンダーだった。

「ウォーターキャノン」

『ガアァァアァァァ』と痛がっているので連発してたら消滅した。ドロップは皮と魔石。

 宝箱には金のスキル玉と金貨一枚だ。

 金のスキル玉には革細工が入っていたのでいただく。


 まだ二日めだから今日はここまでにして外に出る。自衛隊員に聞いたらまだ2階層でレベル上げをしているそうだ。

 まあ。しょうがないでしょ。

 と言うわけで家に帰る。


 途中でルナから連絡があり合流する。

「ニンニン」

「ヨミも久しぶり!」

「あ、そうだこれ」

 ルナに渡すと普通に開ける。

「あ、収納だ!ありがとうございます」

「あぁ、これで3人一緒だな」

「やった」

「ヨミにはこれな」

 ヨミもスキル玉を開けると、

「影縫?」

「まぁ使えると思うぞ!」

「わかった」

「でどうしたんだ?」

「あ、そこに入りましょう」

 と喫茶店に入るとコーヒーを頼む、ルナはオレンジジュースでヨミはウインナーコーヒー。

「金貨をもらえないですか?」

「何か買うのか?」

「弓がダメになってきちゃったから弓とヨミも武器を新調したいといってますので」

「おういいぞ?金貨100枚あれば足りるか?」

「はい!」

「ほい、どうぞ」

「やった!これで買える!」

「なんなら全部やろうか?使い道ないし」

「それはまた今度でいいですよ」

「そうか?」

「はい!」

 そしてルナとヨミの学校の話になって、私立に通っているそうだ。

 あと一年だもんな。

「もちろん進学だろ?」

「いいえ?冒険者になりますよ?」

「わたしも」

「ええっ!成績もいいんだろ?勿体無い」

「えへへ、今やれることをしたいんで」

「そうそう!」

「工藤さんは?」

「パパは好きにしなさいと言ってますから」

「まぁ、それならいいがな」

 そうか、世間の荒波に揉まれるのか?いや、冒険者だしな。

「んじゃそん時は一緒にまた回るか?」

「そのつもりですよ!」

「ニンニン」

「あはは、そうか」

 と後はだべって帰りにコンビニ寄って帰った。

 ビールを飲みながらテレビを見てるとスマホが鳴る。

「もしもしどうした?」

 勇者君である。

「その、すいませんいきなり電話かけて」

「おう、なんかあったのか?」

「あのダンジョンを作ったのは聖女のヒトミです」

 聖女かぁ。

「そりゃしょうがないなぁ」

 召喚の1番の被害者になるのか?いや一番の被害者は、

「僕のせいなんです、僕がきちんとヒトミと話をしないまま帰ってきたせいで」

「何を言ってるんだ?勇者君は立派にやり遂げたじゃないか!」

「でも」

「一番頑張ってたのは勇者君!君だ!誰がなんと言おうと」

「はい」

「俺が味方じゃ不安かもしれないが誰かに言われたら言ってやれ!お前は頑張ってたのかって!俺は一番頑張ってたのを知ってるからな!」

「ばい」

 泣いているようだ。精神が不安定なんだろうな。

「他の誰から言われても気にするな!お前はお前だ!ダンジョンは俺がなんとかしてやるから!」

「ばい」

 勇者君はその後泣いていたがようやく落ち着いたみたいで頑張りますと言って電話を切った。


 1番の被害者は君だよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る