第12話 決意
勇者は訓練をやめない。
「次こそは勝つ!」
右腕一本でもなんとか戦えているが、反撃も喰らうし、その度に聖女が近寄ってヒールをかける。鬱陶しそうに手を払いのけるとまた魔物に戦いを挑んでいく。
休憩時に賢者のケンイチロウが寄ってくる。
「次はないから聖女は置いて行くぞ?」
「あぁ、2人で行こう」
2人の気持ちは一緒だった。
「うおりゃぁぁぁ!」
「グァァアァア」
「魔王よ、滅びの時だ」
「ぐ、くぞ!俺が滅びるわけがないだろうが」
「行くぞ!」
『フルケア』
「なっ!」
「ガーはっはっは!仲間割れか?助かったぞ!」
完全回復したのは魔王だった。
「グアッ」
「よくもさっきはやってくれたな」
「ヒトミィィィ!?」
「あは。ようやく呼んでくれた」
その顔は恍惚としていた。
「グァァアァア」
勇者の左腕は無くなる。
「ぐっ、クソ!テレポート」
賢者はギリギリでテレポートを使って逃げ出したのだった。
「王にはもう話てある」
「わかった、次で最後にするぞ」
「あぁ」
怠け者2人はどこまでも怠けていたので今度は独房に入れられた。
「もういいや。ここで帰りを待とうや」
「そうだな。疲れちまったよ」
何も成し遂げず疲れたと言っているこの2人。
「オバチャンうまかったよ!」
「あいよ!また来なさいね!」
王城の料理番に取って代わろうとしているオバチャンは人一倍頑張っていた。
「なぜ、あの2人だけこんなにも違うのか、私には理解できない。勇者達は命をかけて魔王討伐をまた行おうとしている。もう1人のあの人も料理をして騎士達のために働いてくれている。他の3人もうまくやっているというのに、同じ人間として情けない」
宰相は1人愚痴をこぼし涙する。
さて、俺たちはまた隣町に来ていた。あのあと2人と喋りまだ攻略していないダンジョンを攻略したいと言ってきたので隣町にした。
「アイス美味しいですね」
「うまうま」
「だな。でも、もうここに来て半年は経つのか」
「そうですね。いろいろありましたけど」
「うまうま」
「そうだな、じゃあこれ食ったら今日のノルマでも達成しに行こうか!」
「「はい」」
俺たちのノルマは20階層から40階層までいくことだ。最近これでレベルを上げている。まぁ、素材も溜まってきたのだがな。
これを売るかどうかが考えものだな、錬金の素材にも使えるからな。
まぁ何はともあれ今日のノルマ達成目指して頑張るか!
40階層をクリアしてステータスを見てみる。
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レベル129 職業 達人 錬金術師 鍛治士
スキル 刀剣術極 槍術極 弓術極 体術極 魔術極 槌術極 裁縫 鑑定 収納 神速 一閃 気配察知 解体 錬金術 投擲術極 挑発 中期鍛治 御者 神風 迅雷 豪運
ユニーク 一文字変換 異世界言語 限界突破
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レベル105 職業 弓師
スキル 弓術極 速射 三連射 瞬歩 生活魔法 解体 火魔法極 上級風魔法 中級土魔法 上級水魔法 気配察知 回復魔法 初級影魔法
ユニーク ショップ 限界突破
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レベル110 職業 クノイチ
スキル 忍法 影術 索敵 瞬歩 乱切り 生活魔法 料理 危機察知
ユニーク 忍者 限界突破
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これだけあがってれば本当に魔王を倒せるかもしれないな。
まぁ、やらないけどね。勇者君が頑張ってるのならそれを見守ってるほうがいいしな。
「それにしても暑いな」
「そうですね。夏ですもんね」
「あぢゅー」
ヨミはバテバテだな。
「アイスでも買って帰ろうか」
「ですです!」
「さんせー」
俺たちはアイスを買いに出かける。
アイスを食べてから流石に防具もくたびれてきたので防具屋に寄り黒狼の胸当てとブーツとグローブを新調する。金貨50枚だ。
それと武器屋に行ってミスリルソードに変えるとそれも金貨50枚した。
さーて。明日は50階層まで行ってみるかなと思いながら伸びをする。
次の日は朝から40階層にいた。
45階層、フェンリル
もう戦ったからと油断していたら咆哮や呼出で、他のウルフ系を呼び出す。なんていやらしい戦法だよ!倒し斬ってもまた呼び出しを掛けるから神速一閃で突貫する。
『ゴフッ』と途中で遠吠えが止まり、今度は噛みつきをしてくるので神風で避けて首を斬る。
ルナやヨミも攻撃しているからようやく倒せた。ドロップは虹色のスキル玉と毛皮と牙。虹のスキル玉は限界突破なんで収納しておく。
宝箱はルナが開けて薬と金貨2枚、その薬も知ってるから収納に入れる。
流石にこれ以上若くなったら子供になってしまう。
今日は50階層は諦めてレベル上げをして帰る。やはり暑くてアイスの誘惑に負けてしまう。銅貨30枚は高いと思うがこの誘惑に勝てる奴はいないだろう。
そんな毎日を送っている。
勇者の左腕が治っていないなんて知る由もない。異世界に来て壊れた聖女。
どれだけのものを犠牲に魔王城まであったかわからない。
それを無に帰してしまうくらい壊れてしまったのだろう。
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