第11話 勇者帰還
「ヨシヒコ、飛ばしすぎだ」
「今も困ってる人がいるんだ!さっさと倒してしまうぞ!」
「うおりゃぁぁぁ!」
勇者は魔王城へとやってきていた。
モンスターを斬り伏せて進んでいく。
魔王の玉座まであと一歩のところまで迫っていた。
その頃王城では、
「だから俺たちゃここでいいって言ってんだろ?」
「うるさいでろ!」
「チッ!なんだよ」
「ここで食っちゃ寝されたら困るんだよ!」
「また使ってやるから今度はちゃんとしろ!」
「はぁ、はい」
「わぁったよ」
カツミとヒロシは反省室から出されて衛兵の仕事に戻されていた。
オバチャンのような働きを期待してたのに飛んだ拍子抜けだ。
オバチャンこと
そして俺らは、
「これ!こういうやつがいいの」
「はいはい、こういうのね」
「これ」
「あぁ、こういうのか!」
バッグ屋に来て欲しいマジックバッグの形を教えてもらっていた。まだ素材はあるし皮だっていくらでもあるからな。
ここに来て裁縫が役立ってくれている。
マジックバッグはそりゃ金貨1000枚とかでやり取りされているらしいが作れりゃそりゃ作るよな!
俺は二日間でマジックバッグを四つ作った。寝る間も惜しんで作り上げたのだ二つはルナとヨミのもの、あとクラッチバッグ、が二つ。
「わぁ!これ凄いですね!とバッグを着けてみる2人は可愛いもんだな。ルナはハンドバッグのような形のもので、ヨミはポシェットのような方からかけるタイプのものだ。
いやぁ、喜んでもらえてよかった。
あとクラッチバッグならどんな時でも手放さずに住みそうだからな。
冒険者用にヒップバッグみたいなのも作るか。休みを一週間貰いバッグっくりに専念することにした。
いやぁ、疲れたな。
朝コーヒーを飲みながら外を眺める。もう薬液も無くなったし結構作ったからな。
俺のクラッチバック以外は収納に入っているので取られる心配もない。
ルナも普段はヒップバッグ型のマジックバッグに入れているらしい。
まぁ、汚れるのが嫌だもんな。
「コーヒー」
「うお、ヨミちゃんとノックして入れよ?」
「うん」
2人でコーヒーを飲んでると必ず来るルナの分も入れておく。
“コンコン”
「開いてるよ」
「やっぱりいた!」
「よ!コーヒー飲む?」
「何を言ってるの?ここはクオンの部屋でしょ?」
「いいよ。コーヒー飲むかい?」
「いただきます」
あはは、いつもの朝だな。
と思っていたら、どうやら負けて帰ってきたらしい勇者は左腕がなく、賢者も担架で運ばれている。勇者のそばには聖女が付き添っているがなぜ治してあげないんだ?
そして王城ではやはり、
「聖女よ!なんのためにあなたがいるのだ!早くその左腕を治してやりなさい」
「これは罰です。姫にうつつを抜かした勇者の!」
「あぁ、悪かった。姫は幽閉しているから直してやってくれないか?」
「ダメです!私が支えになりますから」
ヒトミの目にはドス黒い何かが渦巻いている。
「分かったもう良い、勇者よご苦労だったな」
「はい」
聖女を押し除けて行く勇者、ついて行く聖女。
俺たちは勇者を見送ってから普通に戻りダンジョン攻略に行く。何も思うところがないわけじゃないが負けてしまったのは仕方がない。
46階層、シルバーイーグル。
斬ると斬れるがどこかに核があるようで治してまた襲ってくる。切り刻んでやっと角を潰すとドロップは銀のインゴットと魔石だ。
47階層、フェンリル
大きな狼で暴れるが、ガードしながら対処すればなんとかなるな。倒すと毛皮と魔石が手に入った。
48階層、ヒュドラ
毒耐性のない俺らは辛いがさっさと倒すため神速一閃を使い倒す。回復しながらだから大変だな。だがヒュドラの指輪が毒無効なので3体倒したら揃った。ドロップはヒュドラの皮と魔石、時々ヒュドラの指輪。
49階層、水竜
とりあえず雷魔法と雷遁を飛ばすと痺れたのでその間に斬る。皮と魔石と時々水流の護符をドロップ。
50階層、ホワイトドラゴン
極太のビームのようなブレスを吐いてくるドラゴン。尻尾を神速一閃で斬り落とすと神風を起こし上に飛ぶ、そして首を斬り魔法の連打でようやく倒せた。ドロップは虹色のスキル玉2個と金色のスキル玉1個、皮に極大魔石だ。
宝箱には銀色のスキル玉が入っていて金貨が50枚だった。
虹色は限界突破、ルナとヨミだな。
金色は影魔法、ルナにあげる。
銀色は迅雷だったので俺がもらう。
先に進むとダンジョンコアというものがあってそれに触ると、
1、ダンジョンを消去する
2、ダンジョンコアを取る
3、ダンジョンから出る
もちろん3を選ぶ。
ようやく王都のダンジョンを攻略した俺たちは次はどうするかをクレープを食べながらしゃべっていた。
「今の私たちなら魔王倒せるんじゃないですか?」
「馬鹿、そんなことあるわけないだろ?」
「むぅ。強くなったと思ったんですけど」
「そりゃ強くなったけど魔王は勇者に任せるべきだろ?」
「うんうん」
「そうですね、じゃあ、またレベル上げですかね?」
「そうだな、それくらいしかできないからな」
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