第13話 地球


 50階層、レッドドラゴン

 やはり前やった時より強くなっているレッドドラゴン。だが属性のついた方が弱い!

『アイスウェイブ』

『グオオォォォ』

「アイスランス」

 体に刺さるとうめき声を上げる。

「アイスニードル」

 足を縫い付けてやる。

 ルナとヨミも一生懸命に削っていた。

 そして倒れたレッドドラゴンは虹のスキル玉と皮とツノになって消えて行く。

 虹色のスキル玉は限界突破。やはりここが人間の限界なんだろうな。

 そして宝箱には金貨100枚が入っていた。

 そうしてダンジョンコアに触り外に出る。


 暑い日差しに照らされてやっぱり冷たいものが欲しくなるな。

「アイス買いにいこうか?」

「「はい!」」

 そして王都に戻る。まあ、走っていっても疲れるだけだから馬車に揺られて帰る。

 そうして馬車から降りると勇者君に会ってしまった。

「あ、勇者君」

「え?あぁ、巻き込まれた人ですか?」

「左腕は治さないのか?」

「聖女が治してくれないんですよ」

 とくしゃりと笑う。

「あー、焦ったいな!包帯取るぞ!」

「えっ!ああ!」

『フルケア』

 勇者君の左腕は治った。

「よし!これでいい!」

「あ、ありがとうございます!」

「あと今レベルは?」

「え?99ですけど」

「ならこれ使いなさい!」

「虹のスキル玉?!」

「いいから早く」

「はい!」

 スキル玉を開ける勇者くんは、

「ハイ、レベルは?」

「129…です」

「よし!あと賢者君の分もいるな」

 とスキル玉を渡す。

「あ、ありがとうございます」

「なにいってんだよ!応援してんだから!」

「あ、…ばい!」

 勇者君は泣いてしまった!

「俺だけじゃないぞ!」

「頑張ってください」

「がんばれ」

「うん、がんばるから!」

 馬を引いてきた賢者君と会う。

「あ、ヨシヒコ!腕が!」

「あぁ、、治してもらったし、これ!」

「虹のスキル玉?どうしたんだ?」

「開けろよ」

「あ、あぁ、」

 スキル玉を、開ける賢者君は目を丸くする。

「レベルがあがってるぞ!」

「あぁ、僕たちには外にも仲間がいたんだよ!」

「ありがとうございます」

「いやいいよ!今から向かうのかい?」

「はい!必ず魔王を倒してきます!」

「二人?」

 ヨミが聞くと、

「そう、二人で十分だからね!」

「それじゃ!」


「がんばれよ!」

「はい!」


 見送ることしかできないけど、頑張ってくれるといいな。

「よし、宿に戻ろう」

「「はい」」


 そのあと戦力の立て直しができていない魔王軍に打ち勝ち魔王を倒したのだと報告が入った。

 凱旋パレードでは屋根の上から勇者君を見ていた。

「ということは帰れるのか?」

「ですです」

「そう!」

「早く王城にいこう!」

「「はい」」


 王城に行くと3人足りない?

 え?逃げ出して行方不明?

 馬鹿じゃないのか?

 せっかく帰れるのに!


 それから三ヶ月、ようやく見つけたのは魔王城の中で、遊んでいる二人の馬鹿。

 すぐに連れ戻されて王城にいる。

 悪びれもせずに文句ばっかり言っているのでみんな無視している。


 それから一ヶ月後にようやく聖女がボロボロになって帰ってきた。

「あぁ。ヨシヒコ」

“ブス”

「え?」

「それくらい治せるだろ?」

 勇者君が聖女を刺したのだ。

「く、クソォあの姫のせいでェェェェェ」

 一向に治そうとしないのでフルケアをかけて。勇者君に一言。

「帰ろう!」

「あ。はい!」帰還石を使って日本に帰るのであった。魔法陣が光ってる中でも聖女が指を噛み血を流していたのが印象的だった。



 俺たちは日本のあの時に戻ったのか?

俺たちは来た時の格好をしていて聖女だけがボロボロの血だらけの服装だ。

 通行人から何年の何月何日かを聞くとあれから二年の時が経っていた。

 急いでコンビニまで行き充電器を買う。

 警察に連絡と子供達とオバチャンは家に電話をかける。

 俺はその間、空を見ていた帰ってきたんだなぁ、としみじみ思った。

 警察はすぐにきて俺たちを連れて行くが大人二人がどこかへいってしまっていた。あの怠け者二人はどこかへいってしまっていたのだ。

 取り調べが行われたがみんながみんな同じことを言うので警察は後の二人を探し出して問い詰めるがやはり同じことだった。

 聖女は精神病院に入院となり、あとは帰って良いとのことだった。


 その後は俺は警察署の前から動けないでいた。この後どうすればいいかがわからなくなっていたからだ。

「知念久遠君だね?私は工藤というものだ」

「あ、あぁ、ルナとヨミの」

「父親だ。ルナが知念君に借りていたお金を返しにね」

「あはは。忘れてましたね」

「そうか、沢山迷惑もかけたとか」

「いえ、こちらこそ大変助かりましたよ」

「いまからどうするんだい?」

「それを考えてたとこです」

 それから少し話をして札束をもらい部屋を用意してくれて明後日には会社の面接まで手配してくれた。

「あ、ありがとつございます」

「いや娘とこうして再会させてくれたんだこれくらい安いもんさ」

 と言って去って行く工藤さん、俺は秘書という人に家に連れて行かれるとそのマンションの一室をもらうことになった。そして明後日の面接も迎えにくるとのことだった。

 こんなに良くしてもらっていいのか?でも今は頼るしかない、

 コンビニで久しぶりにビールを買うと部屋に戻り一人で飲む。

 こんな味だったかと苦笑いをする。


 豪運がまだ仕事してくれたのか?

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