第8話 護衛


 その頃王城では、誰もいなくなったあの部屋を見てようやく肩の荷が降りた宰相だった。残る一人、オバチャンはあのあと私にも仕事をちょうだいと言ってきたので部屋と料理の方の手伝いをお願いした。


 一応あの二人もサボりながらも仕事を続けているのでよかった。


 勇者達は着々と実力を付けていてもうすぐ魔王を倒せるんじゃないかと言うところまで来ている。ただ、聖女と姫との間で諍いが絶えない。どちらも譲らないので引き離すしかないのだが難しい問題だ。


 だが。ようやく宰相は肩の荷が降りてハッピーになっていた。


 さて俺はコーヒーを飲んで目を覚ましていた。今日は休みにすると言ってあるので今はもう昼時だ。ちょっと寝過ぎたな。

 

 二人は買い物に行ったみたいだ。

 仲のいい姉妹で良かった。


 俺ももうちょっとしたら外に出ようと思う。流石にレベル上げをしているからいいと思うがこのままだと二人を守れないような気がしているのだ。同じようにレベルが上がっているがそれじゃダメだと思うからな、たまには一人でレベル上げをしに行こうと思う。


 それで森にやってきた。上級がいくような山に来ているのでさっさと倒して行く。レベルもだいぶ上がってきて今はレベル80 というところか!


 これなら守ることはできるだろう!


 ギルドに行って解体場のおっさんに渡す。もう何も言わないようだが、獲物をドンドンだして査定してもらう。

「とりあえず多過ぎだ!あと自重しろ!」

「はいはい。んじゃな」

 受付に持って行くと金貨23枚銀貨56枚になった。

「あ、それと護衛依頼がありますので明後日からになります」

「行かないとダメ?」

「そうですね、ペナルティがありますから」

「はぁ、わかったよ」

「ありがとうございます」

 

 帰ると二人にクレープのお土産を渡して明後日に護衛依頼があると言う。

「わぁー、他の街に行くなんて初めてですね!」

「ワクワク」

「真面目な仕事だぞ?」

「まぁ、小旅行とかんがえてもいいんじゃないですか?」

「うーん。まあな」

「ワクワク」

「じゃ明日は準備して明後日は朝から護衛依頼な」

「「はい」」


 次の日は必要な物を買って行く、野営があるかもしれないからテントなんかも買っておく。携帯食の干し肉なんか初めて買ったな。


 そして当日、朝から門で待っていると人の良さそうなおっさんが馬車に乗ってやってきた。

「いや、今日はよろしくお願いしますね。ヌッティと申します」

「よろしくお願いします、クオンと言います、こっちがルナでヨミです」

「よろしくお願いします」

「よろしく」

 さあ、これからだな。


 のんびりとした風景を見ながらモンスターはサクッと倒している。

「いやぁ、こんなにスイスイ行けるなんて初めてですよ」

「そうなんですか?」

「はい!いつもならモンスターに囲まれることも多いので」

 と喋っていたら。

「止まって」

「止まってください」

「どうどう」

 ヨミが何かを察知したみたいだな。まぁ俺も探知したけどな。

「おいおい挟み撃ちにしようと思ったのによ」

「なんでバレた?」

「と、盗賊!」

「盗賊かぁ」

 よし。体術でいこうかな!

 神速!

 手足の骨を折って回ると倒れ伏す盗賊達。

「とりあえずアジトはどこだ?」

「ひぃ!あっちの方に道が」

「あぁ。あるな、ヨミとルナでこいつら縛っといてくれるか?」

「はい」

「はーい」

「私も手伝いますよ」

「んじゃ行ってくる」

 アジトまで神速で行くと見張りがいたので無力化する。

 中にはごろつきが二、三人しかいなかったので手足を折って外にぶん投げとく。物色すると金貨50枚にマジックバッグに結構色々入ってるな。これももらっておこう。

 そしてその部屋の奥には女子供が捕まっていたので出してやる。外に馬車もあったので盗賊は縄で縛って乗せる。

「御者ができる子はいるか?」

「は、はい」

「なら頼む」

 他の子には怖いだろうが我慢してもらう。


 合流するとしっかり縛られた盗賊達がいたのでそれも乗せる。

 で出発だ。

「凄いですね!生きたまま盗賊を捕まえるなんて」

「あはは、体術も得意なんですよ」

 と喋ってる間、夕方になる頃には隣町までついた。

「こいつらが盗賊であと捕まってた子達です」

「こ、こいつらを捕まえたのか?ゴンゾ盗賊団で間違いないな」

「へぇ、名前があったんだ」

「まぁ、二日ほど時間をくれないか?」

 盗賊の報酬などあるようで二日間の逗留をしなければならないが、

「どうでしょうか?」

「いいですよ、その間に商売をしますので」

「ありがとうございます」

 と言うことで盗賊を引き渡し捕まってた子達も無事に送り届けてくれるそうだ。

 俺たちはここにいる間自由に過ごしていいとのことだったのでとりあえず宿に泊まる。


 次の日は街ブラをしていると、スキル屋があったので見てみると、

 御者 気配察知 

 があったので買い、御者は俺で気配察知はルナにあげる。

 御者はそのままで俺が使う。

 青玉も鑑定すりゃいいのにな!


 街ブラしてたらここにもダンジョンがあると言うので行ってみる。

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