第4話 パーティー


「ヨミだけでも逃げて!」

「でも」

「クオンさんを呼んで!」

「分かった!」

 ヨミは走って門のところでクオンを見つけると倒れてしまった。

「ヨミ!大丈夫か!」

「お姉ちゃんが」

 ヨミを背負ってその場に急ぐ、途中で回復魔法を掛けてやる。

“ダンッ”

 と到着した俺の横の木に叩きつけられたルナがいたので直ぐに回復魔法を掛ける。

「お前がなんでこんなとこにいるんだ?」

 ゴブリンの森に出てはいけないはずの狒々がいた。

 2人は真面目だから朝からレベル上げにゴブリンの森に来てただけなのにこいつは殺しもせずに格下を痛ぶってたわけだ。

 ごめんな汚い大人で!俺が悪かった!


『ウキーキーキー』

 お前は許さねえからな!

 俺は体術を使い骨を折って鳩尾を打ち抜いて首の骨を折った。思い切り痛めつけて殺してやった。


「…ごめんな、ルナ、ヨミ」

「いいえ、私達が弱いから」

「から」

「いや。またよければパーティーを組んでくれないか?今度は俺から頼むよ」

「い…いんですか?」

「俺から頼むよ」

「いいよ」

「よろしくお願いします」

 涙を流す2人を胸に抱き、

「あぁ、よろしくな」

 と言う。


「よし!んじゃ!次の森に行くか!」

「「はい」」

 俺たちはパーティーを組んでゴブリンの森を後にする。

 狒々はそのままだ。ゴブリンの餌にでもなればいい。

 次はオークの森だなぁ。

「さて2人は通用するかな?」

「意地悪ですねー」

「いじわる」

「あはは、んじゃ、倒してみようか」

 と2人との距離も縮まったみたいだな。

 今のステータスが、

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 知念 久遠チネンクオン 32歳

 レベル26 職業 達人

 スキル 刀剣術極 槍術極 弓術極 体術極 魔術極 槌術極 裁縫 鑑定 収納 神速 一閃 気配察知 解体

 ユニーク 一文字変換 異世界言語

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 工藤 月クドウルナ 18歳

 レベル12 職業 無職

 スキル 弓術 速射 生活魔法 解体

 ユニーク ショップ

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 工藤 夜美クドウヨミ 18歳

 レベル12 職業 クノイチ

 スキル 忍法 影術 索敵 生活魔法 料理

 ユニーク 忍者

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 俺だけレベルが高いのはもっと上の魔物を狩ってたからだ。


 オークを狩る2人には悪いが俺はここよりもっと上の魔物が倒せる。それはいわなくてもわかっているだろうけどな。

 

 さて、どちらがいいだろうか?稼げるのは外で魔物を狩る方が金にはなる。だがレベルを上げるならダンジョンが1番楽だよな。


 2人に聞くとどっちもらしい。

 とりあえず俺が狩っていた森に行くか。

 ルビーアイグリズリーがちょうど出てきたので神速一閃で首を落とすと「「おおー」」と言う声が聞こえた。 

 とりあえずルナと2人で解体して収納する。

「それずるいですよね?収納?」

「私も出来る」

「うそ?」

「影収納」

「すごーい!わたしだけだ」

 ルナがちょっと拗ねたが、まあ問題ないだろ。

 ギルドに行くと3人で解体場に行く。

「おう、今日はなんだ?」

「これだ」

 と頭陀袋から出すふりをして収納から出す。

「だからいつもいってんだろ?どうなってんだよそのズタブクロ!そんなに入るわけないだろ?なにか?マジックバッグなのか?」

 解体人が大声で怒鳴るが、

「だからそんなところだと言ってるだろ」

 と返してやる。

「チッ!しょうがねえから査定してやるよ」

 紙をもらうと受付に持って行く。


「はい、ってパーティー組んだんですね、では後ろの2人もランクはDになりますのでカードを出してください」

「「はい」」

「はい、ランクDですのでそろそろ護衛依頼も」

「まだ組んだばかりだからいいだろ?」

「そうですね」

 と金を持ってくる。

「では、金貨2枚と銀貨50枚です」

「「ふおぉぉぉ!」」

 2人とも信じられないと言う顔をしているが無視して、

「ありがとう」

 と言ってギルドを出る。


「凄いですね!あのクマがあんなにするなんて」

「凄い凄い」

「まあな、でもこれも三等分だぞ?」

「「おおー」」

 盛り上がる2人。

「パーティーだからな」

「「はい」」

 嬉しそうな2人の顔が見れて良かった。

 帰りはまたスキル屋に寄って行く。

「また来たのかよ!」

「いいだろ別に」

「いいけどな」

 解体 火魔法

 があったのでヨミに解体、ルナに火魔法を渡す。ヨミは青だが、ルナは金エフェクトだ。

「嬢ちゃんあたりだねー!!」

“カランカラン”と鐘を鳴らす

「やった!」

 これでも売り上げには貢献しているのだぞ?サクラじゃないしな。


 宿屋に帰ると一緒に飯を食う。

「で。学校の成績は良かったんですけどヨミには勝てなくて」

「ニンニン」

「ヨミは似合わず頭がいいんだな?」

「一言多い」

「あはは、ごめんごめん」

「勇者君達と同じ学校なのか?」

「はい、勇者のヨシヒコ君と聖女のヒトミさんは付き合ってるって噂でしたね」

「そうなのか!やっぱりな」

「そう言う感じでしたよね」

「うんうん」

 とやっぱり距離が近くなるとしゃべることも多いなぁ。

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