第2話 2人の姉妹


 は?

「あの!お願いがあるんですが!」

「ですです!」

 2人が俺に近づいてくる。

「…わかった、取り敢えず宿代を払ってしまおう」

「あ、はい!」

「はい!」

「そうしてもらわなきゃ困るよ」

 と女将さんも困り顔だった。

 一緒に行き、受付で2人部屋十日分と言うとまた計算が得意じゃない女将さんがえーっとと考えている。

「2人部屋は一泊幾らだ?」

「銀貨3枚だよ」

「じゃあ30枚だ」

「ほんと助かるねえじゃあ28枚でいいよ」

「金貨の釣りはあるか?」

「ちょっとないねえ」

「じゃあ、28枚な」

「あいよ」

 と鍵を渡してくる女将さん。

「貸しだぞ」

 と鍵をわたす。

「す、すいません」

「ません」

「とりあえず荷物置いて下に降りてこい、飯食ってないんだろ?話もそれからだ」

「「はい」」

 俺は女将に銀貨一枚払って2人分の食事をお願いして釣りをもらう。

 そして空いてるテーブル席に移ってエールを飲みながら待つ。

 すると元気な音が上から響いてくる。

「こっちだ」

「「はい」」

 2人とも席に着く、1人は元気そうだが清楚な感じの黒髪ロングの女の子で、もう1人はちっこい元気そうなショートの女の子だ。

「さてまずは自己紹介だ、俺は知念久遠だ、クオンでいい」

「私は工藤月クドウルナ18歳です、で双子の妹の」

夜美ヨミです」

 似てないから一卵性じゃないな。

「ルナにヨミな。よろしく」

「はいお待たせぇぇ!いっぱい食べな!」

 と料理が運ばれてくる。

「まぁ、飯食ってからな!」

「「はい!」」

 2人はがっついて食べている。昼を抜いてるのだろう。俺もだが。


「どうだ?落ち着いたか?」

「は、はい!いきなり尋ねてきてすいませんでした」

「でした」

「それはいいが、何があった?」

「それが」

 やはりあの王城の一角に巣を張る様にして暮らし始めたおっさんとおばちゃん、そして軽薄そうな男は執拗に口説いてくるので断って出てきたらしい。で、先に出た人に色々聞こうかと探していた。

「と言うことか。俺も今日出てきたばかりだしな」

「すいません」

「ません」

「いや。あいつよりはマシだろ。まぁ、あとで君達だけで生きていけるかスキルを聞きたいから、うーん、2人の部屋で聞こうか」

「「はい」」

 俺もエールを飲み干して、おばちゃんにお礼を言って3階にある2人の部屋に行く。

「で、さっそくだが、2人のユニークを聞いていいか?」

 俺は椅子に座って、2人はベッドに腰掛けている。

「私のユニークはショップです」

「大当たりじゃないか!商人ギルドに「まっ、待ってください」?」

「と、ショップでもこちらのお金が使えないんです」

「ならあちらのお金か、カードはダメかな?」

「私達カードしか持ってなくて、小銭ならあったので確認できたのですが」

「そうか。じゃあ俺のって言っても少ないがな、ここに25,000円しかないしな」

 とルナに渡す。

「ありがとうございます」

「女の子は必要なものが多いだろうが服なんかは買うなよ?こちらのものにしておけ」

「はい!」

「ヨミは?」

「忍者だニンニン」

「それも当たりだな!」

「ニンニン!」

 そうかそうなるとルナを、戦える様にしないとな。

「ルナは何か得意なのはないか?」

「一応弓道部にいました」

「なら弓術がいるな」

 探せばきっとあるだろ、無くてもとりあえず探すしかないが。

「では明日な!鍵はちゃんとかけとけよ」

「「はい」」


 次の日は朝から下に降りると2人とも朝食を食っていた。

「あ、おはようございます」

「おはよ」

「ああ、おはよう」

 隣に座って朝食がすぐに出てくる。シチューにパンとソーセージか、朝から豪勢だな。

「冒険者なら朝からしっかり食べなよ!」

「ありがとう」

 しかし多いな。


 朝食を食べたら服屋に行く。

「じゃあ、買ってきます」

「あぁ、いってらっしゃい」

 女の買い物は長いからな。


「って早かったな」

「サイズが合うのでズボンになるとやはり似たり寄ったりなんですよ」

「すぐあった」

 そりゃヨミサイズは少ないだろうな。

「じゃあ次はスキル屋だな」

「えっ!防具屋じゃなくてですか?」

「あぁ、途中宿屋に寄るから着替えてくるといい」

「「はい」」

 2人を待ってからスキル屋に行く。

「おっさんまたきたのかよ」

「悪いなまた見せてくれ」

「あいよ」

 運良く弓術があった、それと速射も、あとは索敵と気配察知だな。

「四つだ」

「銀貨4枚ね」

「でこれとこれがルナ、これはヨミだ」

「はい」

 ルナが開けると銀のエフェクトだ。

「おっ!姉ちゃん当たりだね」

 あとは青エフェクトが続き、俺のも銀のエフェクトで気配察知を手に入れた。


 よし、これでとりあえずレベル上げだな。

 っと、防具と武器だったな。


 防具と武器を買いに行って装備したら様になったな。

「あ、あと生活魔法が欲しいんですが」

「あぁ、魔法屋にいくか」

 俺は魔術極だったからいらなかったな。

 生活魔法は銀貨一枚だった。

 トーチ…火をつける

 ウォーター…飲み水を出す

 ブリーズ…風を出す

 ホール…穴を掘る

 クリーン…清潔にする

 この五つが生活魔法だ。髪を乾かしたり汚れを取ったり生活に欠かせないな。

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