一文字変えれば最強です

あに

第1話 巻き込まれた


「1金貨=100銀貨=1000銅貨

 と言うお金の価値でリルと言います。」

 と声に出して喋っているのはこの国の宰相さん。

 なぜに俺、俺たちが勉強をしているかなんてわからないだろうが所謂、異世界召喚をされたからである。

 そして前3人が目的の勇者、賢者、聖女であり、俺らはおまけ程度に巻き込まれたわけだ。


「宿に泊まるのには普通の宿で銀貨2枚程度ですね」

 銀貨2枚だったら6,000円くらいか?なら金貨一枚で30万か。結構えげつないな。


「それでは皆様に金貨を10枚づつ配ります」

 300万が手切れ金ってことね。

 俺たちは全員で9名召喚された。しかも必要なのは3名であとは巻き込まれた形だ。

 道路を歩いていたら急に魔法陣が出てきて逃げようと思ったが手遅れだった。

 その手のラノベやアニメは見てるからわかるが、いざ自分がなってみるとどうしようもないな。


「では3名の方は前に、」

「おいおい、俺たちゃどうすんだよ?」

「できましたらそのお金で城下で暮らして貰えばと思ってます」

「は?そんなんで納得できるかよ!」

「ですがこれ以上は何もできないわけでして」

「誠意を見せろよ?こいつらばっか特別扱いは酷いぜ?」

「そ、そうよ!私だって子供がいるんですから帰してもらわなきゃ!」

 腹の出たおっさんに便乗して肝っ玉母ちゃんみたいな人が言う。

「それは魔王を倒してもらったのち帰還石がドロップするはずですので!」

「それで倒せなかったらどうなんだよ!」

「そんなのこの子達にさせる気なんですか?」

「魔王は勇者にしか倒せない。これはこの世界の共通認識です!あなた方に言われなくてもこの子達に行かせたいなんて誰が思いますか!ですが決まってしまったんです。だから我々も早くこの子達につきっきりになりたいんですよ!ここは解放しときます!早くでて行ってくださいね」

「な。なんじゃそりゃ!おれはここから動かんぞ!」

「そんな。あの子達だけでそんなことを」

 と横を見ると軽薄そうな男が女に絡んでいる。しかもまだ10代だろう女の子にだ。

「んじゃな!」

「どこへいくんだ!」

「付き合ってられないからここを出て行くさ」

「勝手にしろ」

「はいはい」

 俺は外に出て門兵に会釈をして城下町へと降りていく。


 まずは何をするにしてもギルド証が必要だよな!

 冒険者ギルドの場所を聞いて、ギルド証の発行をお願いする。

 思ったよりスムーズにカード型のギルド証が手に入った。


 それから服屋に行って服を三着分買う、これで銀貨50枚飛んだ。それから宿屋に行く。

「一泊いくらだ?」

「朝食付きで銀貨2枚だよ」

「じゃあ10泊するから割り引いてくれるか?」

「10泊なら…」

「銀貨20枚だろ?」

「あんた計算早いね、じゃあ銀貨18枚でいいよ」

「ありがとう」

 と銀貨18枚を渡す。

 部屋に入るとようやく気が抜けそうになるがまだだ。

 服を着替えてこっちの服装になる。靴を買うの忘れたな。

 そしてようやくステータスを見る、

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 知念 久遠チネンクオン 32歳

 レベル1 職業 村人

 スキル 

 ユニーク 一文字変換 異世界言語

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 村人でスキルなしだからな!頼みの綱は一文字変換だがどうやって使うんだ?

 一文字変換を意識すると村人が少し動いてる気がしたので触って見ると変えられるみたいだな。一回しか変えられないならよく考えて変える必要がある。

 村人 偉人 達人 旅人 職人 武人

 この中だと達人だな。

『村人』→『達人』に変換する。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 知念 久遠チネンクオン 32歳

 レベル1 職業 達人

 スキル 刀剣術極 槍術極 弓術極 体術極 斧術極 槌術極

 ユニーク 一文字変換 異世界言語

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 となった!良かった当たりだ!とりあえずはこれで問題はないな。

 外に出て防具屋に行く。

 動きを阻害しない様な防具を探していると、店員に黒革の胸当てを勧められる。魔法が付与されていてフィットと言うと身体に馴染むらしい。

 これは決まりだな。後はブーツと帯剣とグローブを入れて金貨一枚にしてもらった。

 武器屋に行って黒鉄の剣を買うと金貨一枚飛んだがしょうがないな。

 早いな金がなくなるのが。

 明日のために出来ることはあとはスキル屋に行くことくらいか。


 スキル屋に行くと青玉が樽に入って一個1銀貨で売られている。

 この世界ではスキル玉というものがあって色によってレアリティが変わる。

 青→赤→銅→銀→金→虹の順にレアリティが高くなっているので青玉は最低ランクだ。

「おっさん買うのか?」

 こいつもおっさんだろ?しかも年上だと思うが、

「あぁ。一つもらう」

「あいよ、銀貨一枚ね」

 開けると青いエフェクトで『裁縫』だった。

 これは変え方がわからないな。

「もう一個だ」

「やめといた方がいいぜ?まぁいいけど、銀貨一枚だ」

 開けるとまた青いエフェクトで『剪定』だった!

 よし!これは変換できる!

『剪定』→『鑑定』

 に変換した。

 もう一度青玉を鑑定していく。

 収穫 加速 一揆があったので買う。

「全部青じゃねえか!運がねえな!」

「いや、これでいい、ありがとう」

「また来なよ」

『収穫』→『収納』

『加速』→『神速』

『一揆』→『一閃』

 に変更した。

 あとは斧術は使わないと思うので、

『斧術極』→『魔術極』に変換した。

 これで魔法も使える!

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 知念 久遠チネンクオン 32歳

 レベル1 職業 達人

 スキル 刀剣術極 槍術極 弓術極 体術極 魔術極 槌術極 裁縫 鑑定 収納 神速 一閃

 ユニーク 一文字変換 異世界言語

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 となった!よかった!

 部屋に戻り装備を外して下で銅貨三十枚で夕食を食べる、銅貨一枚渡してエールを頼む。氷魔法で冷やせばキンキンに冷えたエールになる!キンキンのエールは飲みやすいな!


 おばちゃんが誰かと喋ってるがよく見ると男に絡まれてた女の子2人だな。

「あ!いた!」

「いた!」

 は?

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