第12話 森の精霊さん、ついに森をでる
なんか、コマンドに出てきた、【セリカ姫と、兵士達、それから侍女に、精霊王の祝福を与えますか? YES or NO】の、YESと押しちゃったんだけど、なにやら、兵士達が騒いでいる。
オットンは、俺に向かって祈ってるし、セリカ姫は、俺を見てウルウルしてる。
侍女に至っては、ニヒルにフフフフフと笑っていて、とても怖いし。
なんか、よく分かんないけど、兵士達は、なんか顔の前を手でブンブンしてる。
ん?
もしかして、コマンドを操作しようとしてるのか?
まさかのドラ○エコマンド……
俺だけ、ドラ○エ仕様じゃなかったのかよ!
というか、全然、コマンド使いこなしてないし。
これは、日本語分かるオットンに聞いてみるのが手っ取り早い。
「オットン、お前らコマンド見えるようになったのか?」
何故か、俺を祈っているオットンに喋りかける。
「せいれい、せいれいまほうつかえるようにしてくれた! あんがと!」
まさかの日本語じゃなくて、古代エルフ語。
「だから、お前は、古代エルフ語使わんでいいよ! なんか、ムカつくし!」
【すみません……感謝の気持ちを伝えようと、精霊様の使う言葉で話してみたんですが……】
なんか、オットンは、恐縮しきりである。
まあ、日本に来てる野球とかサッカーの助っ人外国人が、頑張って日本語使ってくれてると嬉しいけど、これは別。
「で、お前らも、コマンド見えてんだよな?」
【ええ。精霊様に、精霊王の加護を頂いた事により、伝説の精霊魔法が使えるようになったと思われます……しかし、残念な事に、私共は、古代エルフ語が全く読めないので、使い方が分からないのです……】
なるほどな。俺が精霊王の加護を与えたから、コイツらも、俺と同じドラ○エ仕様となった訳か。
「お前ら、全く古代エルフ文字読めないのか?」
【ハイ。古代エルフ文字は難解ですから。なんせ文字だけでも、平仮名、カタカナ、漢字の3種類ありますし、漢字に至っては、何千、何万語、もしかしたら無限に有るではないかと言われおりますので、とてもじゃないですが、我々のような凡人の頭には覚えられないのです……】
どうやら、オットン達にドラ○エコマンドが現れたまでは良かったのだが、まさか日本語が読めかったようである。
ドラク○コマンドは、完全に日本人仕様のようだ。
仕方が無い、ここは偉大なる精霊王の俺様が、レクチャーしてやるしかないな。
ようするに、パーティー組んで、ガンガン行こうとか、命大事にとかいう、さくせんを使わなければ良いのだ。
俺が、強制的にパーティー組んで、俺の考えた攻撃させてれば、自然に戦闘の仕方とか、魔法の使い方とかも覚えるだろ!
名付けて、コマンドに何が書いてるか分かんなかったら、体で覚えろ作戦。
俺って、頭いい!
というか、ドラ○エ好きなら誰でも知ってる?
アホか、この世界で、俺ほどドラ○エ知ってる奴はいねーんだよ!
てな訳で無理矢理パーティーを組む。
といっても、強制的だけど。
ドラ○エ同様、4人までしかパーティー組めないから、俺と、オットンと、セリカ姫と、髪フッサーでパーティーを組む事にした。
後は、全員馬車ね。
まあ、馬車に別に入らなくてもいいんだけど、俺はドラ○エのディティールに拘るのである。
因みに、俺以外の3人のステータスはこんな感じ。
オットン
魔法剣士Lv.1
ちから : 120
すばやさ : 32
たいりょく: 60
かしこさ : 22
うんのよさ : 56
さいだいHP : 230
さいだいMP : 180
こうげき力 : 88
しゅび力 : 53
Ex : 0
セリカ姫
僧侶Lv.1
ちから : 11
すばやさ : 16
たいりょく: 12
かしこさ : 32
うんのよさ : 82
さいだいHP : 15
さいだいMP : 20
こうげき力 : 8
しゅび力 : 8
Ex : 0
フッサー
戦士Lv.1
ちから : 65
すばやさ : 25
たいりょく: 32
かしこさ : 12
うんのよさ : 22
さいだいHP : 120
さいだいMP : 15
こうげき力 : 32
しゅび力 : 36
Ex : 0
オットンだけ、上級職。
まあ、エルフの血を引いてるらしいので、魔法素養が高いのだろう。
そして、まだ、誰も魔法を覚えてない。
まあ、オットンは、この世界の魔法を使えるかもしれんが、ドラ○エ魔法は、まだ覚えてなかった。
しかしながら、ドラ○エ仕様ってヤバいな。パーティー組んじゃうと、人を支配できちゃうって事だろ。本当に恐ろしいシステムである。
まあ、取り敢えず、レベル上げ。
ドラ○エは、レベル上げに始まり、レベル上げで終わるのだ。
髪フッサーは、戦士だから魔法覚えないと思うけど、何かスキル覚えればいいよね。
てな訳で、森の魔物は俺の配下なので、森の外の魔物を倒しに行く事にした。
初めての森の外。引き籠もりの俺は、ちょっと緊張する。
バイデスヨを、パーティーメンバーに20倍がけして、たった5分で森の外に出る事に成功してしまった。
というか、パーティーメンバーにも、俺のコマンドが見えてるみたいで、相当ビビっていた。
まあ、日本語分かんなくても、自分のステータスと全然違うから、そりゃあビビるよね。
俺でもビビるステータスだから。
この世界は、転職してLv.1に戻っても、ステータス全く下がらないから、戦士から魔法使いに転職した場合も、戦士のHPのまま魔法使いになれてしまうのだ。
てな訳で、森の外に出たので魔物を探す。
【スライムが3匹あらわれた!】
早速、俺がパーティーメンバーのコマンド操作をしてやる。
まあ、俺は、【ぼうぎょ】
そして、オットンは【こうげき】
セリカ姫は、まだ、魔法覚えてないので【ぼうぎょ】
フッサーは、【こうげき】と、
俺は、チャチャチャとパーティーメンバー全員のコマンド操作してやる。
【森の精霊は、みをまもっている】
【オットンの攻撃!スライムAに80ポイントのダメージ! スライムAを倒した!!】
【セリカ姫は、みをまもっている】
【フッサーの攻撃! スライムBに25ポイントのダメージ! スライムBを倒した!!】
【スライムCの攻撃! 森の精霊は、ヒラリとかわした!】
それじゃあ、2回目のターンはと、森の精霊【ぼうぎょ】、オットン【ぼうぎょ】、セリカ姫【こうげき】、フッサー【ぼうぎょ】
セリカ姫の攻撃じゃスライム倒せないと思うけど、これは日本語を体で覚えさせる為の訓練だからね。最悪、日本語読めなくても、どのボタンを押せば、体がどう動くか分かればいいもんね!
【森の精霊は、みをまもっている】
【オットンは、みをまもっている】
【フッサーは、みをまもっている】
【セリカ姫の攻撃! スライムCはヒラリとみをかわした!】
【セリカ姫 「ええっーー!!】
なんか、絶対に、ドラ○エの戦闘シーンでは出て来ないコマンドが現れてるが気にしない。
まさか、セリカ姫は、自分がスライムに攻撃を仕掛けるとは思ってなかったのだろう。
3回目のターン。森の精霊【ぼうぎょ】、オットン【こうげき】、セリカ姫【こうげき】、フッサー【こうげき】
【森の精霊は、みをまもっている】
【オットンの攻撃! スライムCに70ポイントのダメージ! スライムCを倒した!!】
【森の精霊達は、スライムを倒した。それぞれ10ポイントの経験値を得た】
スライムを倒し終わると、
【これは、一体、何だったんですか!?
私、スライムに攻撃する気がなかったのに、勝手に体が動いて】
【私も、スライムに攻撃しようと思ったら、体が勝手に動いて防御体勢になってしまって……】
【私もですね!】
セリカ姫とオットンの話に、フッサーも、フッサーと髪をなびかせながら答える。
「どうだ! お前らわかっただろ! 取り敢えず、コマンドをしっかり見とけよ!
コマンドをどう動かせば、どう動くか体で覚えやがれ!」
俺は教官なので、偉そうに言い放ってやる。
【精霊様が、コマンドをよく観察しろとおっしゃってます。古代エルフ文字が分からなければ、体で覚えろという事でしょう】
日本語が分かるオットンが、オブラートに包んで通訳してくれる。
というか、オットンの日本語も、相当汚いので、俺の汚い言葉遣いを敬語だと思ってるかもしれない。まあ、それはそれでいいんだけど。
【なるほど。森の精霊様が、古代エルフ文字を、私達に教える為に、私達を操って教えて下さってる訳ですね!
流石は精霊様、人さえも操れてしまうなんて!】
セリカ姫は、勝手に操られて怖くないのだろうか?まあ、なんか感動してるみたいだから、深くは突っ込まないでおこう。
オットンも精霊信仰が深い為か、何とも思ってないみたいだし、フッサーに関しては、髪をフッサーとなびかせる事に夢中みたいだし。
こんな感じで、魔物を倒してレベル上げしてくと、
ティッティテ~ン!
【オットンのレベルが、Lv.2から、Lv.3に上がりました!ヘラを覚えました!
セリカ姫のレベルが、Lv.2から、Lv.3に上がりました! ハイミを覚えました!
フッサーのレベルが、Lv.2から、Lv.3に上がりました!】
ついに、フッサー以外の者達が魔法を覚えた。
まあ、フッサーは、魔法を覚えられない戦士だから、しょうがないのだけど、魔法よりも、フサフサになった髪の毛に夢中みたいだから問題なさそうであった。
ーーー
ここまで読んで下さり、ありがとうございます。
どうやら、髪フッサーになった兵士の名前は、フッサーだったようです。覚えやすいですよね。因みに金髪サラサラヘアーでイケメンらしいですよ!もしかしたら、王子様キャラなのかもしれませんね。
この物語の復活の呪文は、とても簡単で、【フォロー】を、ピコッ!と押すだけみたいです。
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