第4話 上級精霊じゃなかったの?
月日は流れ、この世界に異世界転生されてから、1年の月日が流れた。
俺は、魔物を狩り続け、ついにLv.99となりカンストしてしまったのである。
しかしながら、相変わらず、攻撃魔法は覚えられないでいる。
回復魔法と防御魔法だけでLv.99になるのは、本当に大変だった。どんな縛りプレイだよ。
俺みたいな、ドラ〇エ脳筋じゃなければ、絶対無理なミッションだった事は間違いない。
多分、森の精霊史上、魔物を、投擲と、尖った枝と、己の拳だけで倒しLv.99に至ったのは、俺1人だけだと自負できる。
でもって、今、俺の前に、コマンドが出てたりする。
【職業、武闘家or剣士に転職できます!
転職しますか?YES or NO】
勿論、転職するに決まってる。
武闘家と剣士だって? こんなの武闘家に決まってんだろ!
だって、俺が持てる武器って、その辺で拾った枝くらいのもんだしね。
勿論、モンスターを倒して、たまに棍棒とか銅の剣とか拾ったけど、精霊の俺には、デカ過ぎて装備できねーんだよ!
という訳で、俺は、コマンドをポチッと押して、多分、森の精霊始まって以来の武闘家になったのだった。
ーーー
どうやらドラ〇エと違って、ステータスはLv.1に戻ってもそんなに下がらないけど、やはり、非力な精霊が武闘家になるのは無理がある。
まあ、スライムぐらいは、正拳突きで破裂させられるが、オークともなると、やはり体重差のせいで、パンチが弾き返されてしまうのだ。
だけれども、俺は決して諦めない。
だって、時間は無限にあるし。
神様から、この世界で何かやれとか使命も受けてないし。
どっちかというと、ドラ〇エぽい世界なので、ひたすら修行僧のようにレベル上げするのが正解だと思うし。
俺がやってる事は、絶対に間違っていないと断言できる。ドラ〇エ的には……
そして、3年後。
俺はついに、武闘家Lv.99になってカンストしてしまった。
冗談のような本当の話。
何度、諦めようかと思っただろう。
リザードマンなんか、皮がメッチャ硬いし、しかもゴツゴツしてるから洗濯板みたいで、殴ると拳の皮がズリ剥けて、何度、拳から白い骨が見えた事やら。
本当に、武闘家は辛かった。
だって、どう考えても、精霊は武闘家向いてないし。
だけれども、今の俺は、精霊の中で、1番速く動け、拳が固い精霊だと自負出来る。
俺の正拳突きは、巨大な岩さえも砕いてしまうのである。
でもって、またコマンドが出てきた。
【職業、鍛冶師に転職できます!
YES or NO】
勿論、YES!
俺は、最近、戦いばかりで飽きてきた所だったのだ。
丁度、武闘家のレベル上げ中に、鉱石をたくさん落とすスライムを見つけて、大量に鉱石をゲットしてるし、素材に関しては全く心配する必要がないのである。
ーーー
職業、鍛冶師になってから5年。
俺は、森の精霊史上、多分、初めて鍛冶師Lv.99になった精霊だと自負できる。
自分が鍛冶師になった事により、自分専用の自分の体にあった剣も、しっかり製作する事が出来た。
これで、前になれなかった、剣士にも転職出来る筈!
でもって、案の定、目の前にコマンドが現れる。
【職業、武士に転職できます!
転職しますか? YES or NO】
て、剣士に転職出来ないのかよ! 前はあったのに!
だけれども、俺は剣士より、やはり、元日本人だから武士に憧れてしまう。
すぐさま、日本刀を製作し、職業、武士を選択する。
そして、3年。俺は職業武士を、Lv.99になってカンストした。
やはり、森の精霊に武士は難し過ぎた。
だって、ちびっこい森の精霊さんは、リーチが短いのだ。しかも、刀も森の精霊さんサイズだし。最終的には、刀を新たに打って、人間サイズの日本刀を使ってたんだけど。
持ち手の鞘の部分だけが精霊サイズで、刃の部分は人間サイズ。
まるで、バーサーカー精霊侍の出来上がり。
なんか、森の精霊が職業武士時代、森に迷い込んだ人間が、巨大な刀が森で徘徊してるのを見たとか、見ないとか。結構、騒ぎになったとか、しなかったとか。
そんな人間の些細な噂話など、勿論、ドラ〇エレベル上げモードの森の精霊さんは、知らないのであった。
でもって、森の精霊さんの快進撃は、まだまだ続く。
【上級精霊に転職できます! YES or NO】
勿論、YES!
俺は、3年の修行を経て、上級精霊の最上級魔法エリクルを覚えたのだ。
因みに、ドラ〇エで言うと、ザオ〇クね。
まあ、味方が誰もいないので、使い道、全く無いのだけど。
そんな感じで修行する事100年。
俺は、47もの職業を極め、最後に、魔法使いの職業を極めたのだった。
何故か、魔法使いより、賢者の枝の方が最初に生えたのは笑える所。しかも、賢者なのに攻撃魔法が一切、覚えられなかったのはお約束。
俺は、魔法使いになって、やっと攻撃魔法が覚えられたのである。
因みに大変だったのは、商売する人が誰もいないのに、職業 商人になってしまった時。
本当に、カンストするのは無理だと思ったし。
たまたま、森の西の方で、ハイエルフの集落を見つけて、俺が職業、鍛冶師や錬金術師の時に作った製品を言い値で買ってくれたから、なんとかカンストできたけど、本当に、あの時は危なかった。
だって、商人Lv.99になるには、合計1兆ゴルを稼がないといけなかったのに、ハイエルフの人達、俺に対して土下座しながら、こんな高価な物買わせて頂いてありがとうございますとか、涙を流しながら喜んでたからね。
きっと、ハイエルフの人達にとって、精霊は信仰の対象なのだろう。
だって、エルフって、精霊魔法使うし。
じゃなければ、俺なんかが作った製品を喜んで買わない筈だしね。
ーーー
【実際のハイエルフの感想】
あの精霊王様が売ってくださった武器や防具、全て伝説級の代物だったぞ!
あんなもの、伝説のエルダードワーフでも作れやしない!
しかも、値段は超破格!
普通は、値段など付けれない代物なのに!
これが、実際のハイエルフの感想。
いつの間にか、精霊王になってしまっていた森の精霊さんには、決して知りうる事が出来ない話だった。
だって、ハイエルフなんかと、もう会う機会ないしね。
ーーー
ここまで読んで下さり、ありがとうございます。
今日の豆知識は、エルフは精霊魔法を使うでした。
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