第3話 森の精霊さん、スライムから卒業する

 

 ホ〇ミじゃなくて、ハイミ?


 まさか、魔法じゃなくて、旨味調味料とかじゃないよね?


 俺は、取り敢えず、旨味調味料ハイミーの名前の似た、ハイミを調べてみる事にする。


 コマンドを操作し【じゅもん】【ハイミ】【調べる】の順で、ポチポチ押していくと、


【ハイミ、一人のHPを30~40程度回復させMPを2~3消費する】


 うん。ホ〇ミと一緒だね。

 俺の現在の最大HP20だから、ハイミで全回復しちゃうという事みたいである。


 そんな感じで、ガンガンスライムを倒してレベル上げしていたのだが、Lv.12になった時点で、スライムではレベルがまったく上がらなくなってしまった。


 因みにステータスはこんな感じ。


 ちから : 25

 すばやさ : 95

 たいりょく: 25

 かしこさ : 20

 うんのよさ : 7

 さいだいHP : 55

 さいだいMP : 65

 こうげき力 : 15

 しゅび力 : 15

 経験値は省略。


 結構強くなって、パンチでスライムを倒せるようになっている。

 攻撃を受けないのかって?


 俺のステータスをよく見てみ。

 そう、森の精霊さんは、すばやさ95もあり、スピードスターなのである。


 モハメド・アリのような、蝶のように舞い、蜂のように刺すを、地で行ってるのである。まあ、七色の羽根持ってるしね。


 そんな訳で、俺は、森の中を高速で飛び回っている。

 そして分かった事は、この森には、結構、高ランクの魔物が生息してる事。


 俺の縄張りの泉は、丁度、森の中心付近で、弱い魔物しかいなかったりする。

 森の端に行けば、端の方に行くほど強い魔物が徘徊してるようである。


 まあ、俺はまだ低レベル過ぎて、森の中心付近でしか活動出来ないのだけど。


 でもって、これからである。

 俺は、今日、ついにスライムから卒業する事にしたのだ。

 攻撃魔法を覚えてからと思ってたのだが、俺は、どうやら攻撃魔法を覚えられない気がしてきたのである。


 ハイミの後に覚えた魔法は、デトックス。どうやら解毒の魔法らしい。

 そんでもって、次に覚えたのが、ハハイミ。

 これは、ハイミの上位版。ドラ〇エで言えば、ベホ〇ミって所だと思う。


 もうそろそろ、メラとかギラとか覚えたいのだけど、感覚的に覚えそうな気がしないのだ。


 だって、俺って、森の精霊さんだから、とても聖なる存在のようなのだ。

 俺が、森の中心付近に居るから、森の凶悪な魔物が森の中心付近に近付いてこないみたいだし。


 まあ、俺って基本キラキラしてるし、特に羽根が。しかも、なんか金色の鱗粉みたいなのが体から出てるみたいで、それが森の植物にかかると、そりゃあもう、植物が良く育つのだ。


 俺の縄張り辺りに、美味しそうなフルーツとかがたくさん成ってたの、どうやら俺の鱗粉のせいみたい。

 蛾の鱗粉みたいに、痒くならなくて本当に良かった。


 まあ、それは置いといて、俺はついに、大人の階段を登るのである。


 ゴブリンとかいう人型の魔物を殺しちゃうのだ。


 ゴブリンは、俺の縄張りである泉から10キロ位の所に住んでいる。


 弱っちいから当然なんだけど、しかしながら、邪悪そうな顔をしてるゴブリンが、森の中心付近に暮らすのは辛そう。


 俺って、存在自体が聖なる存在だし。

 前世は、例え小汚い小太りのオッサンでも、この世界では、誰がなんと言おうと聖なる森の精霊さんなのである。


 実際、ゴブリンに俺が近付くと、ゴブリンは悲壮な顔をして逃げていくし。

 まるで、十字架を突き付けられた、バンパイアみたいに。


 よっぽど、聖なる存在が苦手なのであろう。


 まあ、そんな訳で、俺はゴブリンの生息地域まで、飛んで行く。


 トゥルゥルゥルゥルゥルゥルゥルゥゥゥ……!!


【ゴブリンが2匹あらわれた! まだゴブリンは気付いてない】


 いた!

 ゴブリンは、本当に醜悪。上空に飛んでても臭い匂いが臭ってくるし。


 因みに、俺は無臭。

 毎日、泉で泳いてるし、勝手に体が、鱗粉で浄化されてるし。


 俺は、早速、ゴブリンに石を投げつける。

 最近では、コマンドを使って投げるより、普通に投擲した方が命中率が高いのだ。


 それに、コマンド使うと、強制的に相手モンスターのターンを受けないといけないので、時間の無駄だし。


 石に当たったゴブリンが、地上で、地団駄踏みながら怒っている。


 なんだか弱い者虐めの気もするが、しょうがない。

 だって、ゴブリン、鼻が曲がるほど臭いんだもん。


 俺は、これでもかと、ゴブリンに石を投げつける。

 怒ったゴブリンも、俺に向かって石を拾って投げてくるが、俺は空中に居るから当たらない。


 この世界には、重力ってものがあるのだよ。


 俺が投げた石は、重力の力も加わりスピードが早くなるが、ゴブリンが投げる石は、俺に全く届かないのである。

 まあ、ゴブリンが届かない位置から攻撃してるから当然なんだけど。


 そんな感じで、石を投げ続けたら、ゴブリンを倒す事に成功してしまった。


「ゴブリン弱ッ!そして、臭ッ!」


 しかしながら、やはり、ゴブリンはスライムより経験値が高かったようだ。

 俺は久しぶりにレベルが上がり、Lv.12から、Lv.13になったのだ。


 ーーー


 ここまで読んで下さり、ありがとうございます。


 今日は、森の精霊さんが、ゴブリンスレイヤーになったお話でした。

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