第9話 大人の
あれから、ほぼ毎日ゲームセンターでSyoとバトルゲームで遊んでいる。
中学生とは言え毎月の小遣いでは足りるのか?そんな、うるさい親みたいな心配をしてしまう。
Syoに聞いても「大丈夫」の一言で終わってしまうのだ。
ある日こっそりと店員に聞いてみた。
「ああ、あの子なら大丈夫ですよ。年会費と遊技代を親御さんからいただいてるので」
親公認なのか・・・
「くっそ!また負けた」
「オジサン弱いからハンデつけようか?www」
カタコト日本語のようなしゃべり方で俺を煽る。
「こう見えてもなぁ、学生の時はeスポーツで世界ランキング上位だったんだぞ」
「・・・おじさんも昔取った杵柄?・・くだらない大人って皆そう言うよね」
「・・・!!」子どもに気づかされるとは・・・
就職したての頃から会社の上司が言う「俺たちの若い頃は」とか。「昔はもっとこうだった」とかに嫌気がさしていたことを思い出した。
俺も、ああいう大人になってきたのか。急に恥ずかしくなってきた。
ろくに人生経験も積んでないくせに偉そうに大人のいやな部分を指摘して、都合が悪くなると逃げることだけ考える。
人間関係が苦手だ?そこまで言えるほど人と関わってきていないじゃないか。
中学生の少年が自分よりゲームが強いから、悔しくて、自分のプライドを潰したくなくて・・・・
「Syoは、くだらない大人になるなよ。ゲーム再開だ!」
「おーけー」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます