第2話 ニート

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカチッ

ウイーーーーーーン

カシャン

カチカチッ


「1208番の番号札をお持ちのかた~2番の席にど~ぞ~1208番の・・・こちらにどうぞ」


「わたくし、求人情報担当の清宮せいみやと言います。おかけになってください」

「・・・・」


「ご希望の求人はございましたか?または、気になる項目でもかまいませんよ」

「・・・・あの・・・」


「はい?」

「あの・・・・変なこと聞いていいですか?」

「?ええ、どうぞ」


「ここの求人情報じゃないんですが、ネットで見つけたんです」

「見せてもらえますか?私のほうでも探しますよ」


「じゃあ・・スマホの・・これなんですが・・・・」


『株式会社 人間     

 代表取締役社長 犬

 職種   人間

 基本給  160000

 福利厚生 有り

 休日   毎日

 通勤   なし

 残業   なし

 賞与   年3回

 雇用期間 永年雇用  』


「ああ、最近増えてる求人ですね。要するにニート向けの、お仕事です」

「これも仕事なんですか?」


「そうですね、福利厚生もあるようですしボーナスが3回。永年・・シぬまで雇ってくれるそうです、どうしますか?応募してみます?」

「犬が社長って・・会話できますか?」


「犬さんって名前かもしれませんよ?どうします?」

「う~~ん・・う~~~~ん・・・・おねがいします」


「では、少々お待ちください」

プルルルルプルルルル

「わん」


「わたくし、ハローワークの清宮と申します。人事担当の方をお願い致します」

「わんん」


「失礼いたしました、貴社の求人をご覧になり応募希望の方がいらっしゃるのですが、求人枠はまだ空いていますか?」

「わ、ワホ?わん」


「ありがとうございます、まだ空いてるそうですよ」

「・・・・あの~ホントに会話してます?」


「もちろんです!とても良い対応なさってくださいますよ」

「わ?ワン」


「ああ、申し訳ございません。面接の日程ですね、はい、9時から11時の間に、ではそのようにお伝え致します。お忙しいところありがとうございました」


「いつでもいいそうですよ、良かったですね」

「明日でもいいってことですか?」


「時間だけ守ってくだされば、いつでもいいそうですよ」

「会社の場所、教えてください」


「わかりました、すぐにコピーしますね」

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異世界に転生出来なかったから現実逃避する 笠原源水  @portupano

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