詩 お題「肌」への応援コメント
『犀川さんを褒める会』
・闇に咲く君を照らせり春の星
すうっと読める素敵な一句。孤独な時、カクヨムなら、誰にも作品が読まれていない時などに、春の星が見守ってくれているようです。春の星といっても夜はまだ寒そうですが、色的には薄い桜色の星のようなイメージがします。
・幼子の無垢な瞳は星々の海を映して我が道を征く
幼子の穢れなき眸に、無垢であることのひ弱さではなく、先の人生を漕いでいける強さをみている。その眸に映る星々は、きっとプレアデス星団のように華やかにして蒼く燃えているのでしょう。最後の句の力強さがこの短歌をぐっと引き締めているように想います。生まれた命の強さだけでなく、我が子の未来を信じる母の強さも同時に詠まれています。
・星選び
夫がくそすぎますが、主人公は男の肉体を共有している「貴女」に心が飛んでいる。貴女の夫だから欲しいのか、貴女とより深く、ひそかに繋がりたいから胤を植えて欲しいのか。
「貴女」は誰なのか。身近な親しい人なのかそれとも違うのか。主人公に対して強者なのか弱者なのか。
この設定で一編の小説が書けそうです。
・花びらも転圧されし年度末
これ好きです。日常のさり気無い場面を掬い取る視点があると想います。解説を読む前は、陽気に誘われて開け放った窓から入ってきた花びらが書類の間に挟まったという解釈も可能でした。
・転げゆく我が身嘲り去ぬる雁
雁、整然と並んで飛びますものね。なんか憎らしいですよね。気楽でいいわねと。石でも投げてやろうかという気持ちですね。滑稽味があります。
・自転車のサドル温め春を待つ
最初は買ってもらった三輪車に乗って外に出ていける雪解けを待っている幼児の歌なのかと想いました。
違いました。
大きく違いました。
失礼しました。
・雪解けて野には兵流転せり
冬将軍が去った後の大地には、それはそれは惨たらしくも虚しい光景が広がっていることでしょう。戦争をモチーフにするの、わたしとちょっと被ってしまいましたが、中国史にも明るい犀川さんのことですから、脳内に広がっていたイメージは中国の大地でしょうか。雄大な大地に吹き付ける風に、兵の遺体も片寄せられて雪の中から見つかりそうです。
・駿才を駆られ首魁に賜るは寒の終わりに一杯の毒
寒と漢の掛詞が勉強になりました。そうでした、スティリアさんの作品を拝見した時にも想いましたが、掛詞というテクニックがあるのでした。すっかり失念していました。『キングダム』ですね笑。なんか嬉しかったり。
・お姫さまと王子さま
女性の性を護ろうとするなら、女性は強くもあらねばなりません。鏡の中に向かって語っている独り芝居ともとれます。「星選び」とリンクも出来そうです。
以上、寸評で失礼しました。
主催者の犀川さんの作品を褒める会、でした。
作者からの返信
この度は、お褒めいただきましてありがとうございます。
まさか自分の作品を褒めていただけるとは思いませんでしたので、とても嬉しいです。
朝吹さんの作品も褒めさせていただきますね!
詩 お題「肌」への応援コメント
犀川さんのいろいろな世界観が垣間見えて面白かったです。
作風に幅があり、どれも素敵でしたが、強いて一番を選ぶなら、転圧された花びらの句が、季節や情景が思い浮かびやすくていいなあと思いました。
雪解けの後に兵の骸が出てくるのも好きです。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
いただいた感想を拝読しまして、やはり、ぱっと情景が浮かび上がるものが良いのだなと勉強になりましました。
ありがとうございます。また頑張って書いてみたいと思うことができました。