戦いの余波

「本日のニュースです。昨日15時頃、フィリピン海においてマグニチュード6.7の地震が発生いたしました。この地震における津波の心配はありません。しかし、今回の地震は不自然な点が多いことから、気象庁は専門家と共に調査を進めているとのことです。また、地震と共に出現した島についても同様に調査が進められているとのことです。政府はこれに伴い排他的経済水域を広げ…」


 テレビではそんな報道が流れていた。

 日本ではよくある地震の報道。


 でも、おかしな点が多いのはただの高校生にも分かる。

 SNSでも少し話題で、やれ人工地震だの、神罰だのといった情報が錯綜している。


 でも別に、なんでもいいでしょ。

 そんなことを考えながら、高校までの近道に私は入って行く。


 この路地、薄暗いけど早いんだよね~。


 すると、いつもはいない人の影を見かけた。

 その影は千鳥足で路地を歩いていた。


 酔っ払いのおっさんかな?

 戻るのも面倒だし、あんまり関わらないように通り抜けよう。


 そう考え先に進むと、その影の正体は女性だった。

 あれ?酔っぱらって…


 その女性とすれ違いそうになったその時、

 突如、女性の首が90°折れ曲がる。


 ミシミシミシ…!


「ヒっ!」


 首の骨が悲鳴を上げながら、女は私を見つめて口を開いた。


「この子は違う…。あなたは私になれるかも…。」


「へ?」


 ゴトッ。ギィーギィー


「~~~~!!!」


 その日、中浜高校1年生、長咲かれんは行方不明となった。

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