第14話 俳句・短歌集/朝吹先生
朝吹さんには大変お世話になっております。また多くのご助力まで賜っており、なんとお礼を申し上げていいのかわかりません。こんな小人にかけていただくには過分なお言葉、いつもありがとうございます。
朝吹さんの作風はスタイリッシュで筋肉質に感じます。犀川は前時代的な哲学をしょっぱい感性で書くのが作風ですが、朝吹さんはきちんとした感性を美しい哲学を持って書いております。穏やかですがすがしい中にも律したものがある、といいいましょうか。
俳句・短歌集
https://kakuyomu.jp/works/16818023213976700926
俳句「転」「星」
陽を透かし自転をさせる春日傘
ひをすかし じてんをさせる はるひがさ
折角の機会ですので、朝吹さんには犀川の妄想でも見ていってくださればと思います。
(妄想開始)あなたが気のない男の前で髪をいじるとき、「つまらない」という信号を送っているわけですが、この日傘はどうでしょうか。デート中、隣にいる男が一生懸命あなたに話しているのですが、あなたはどれもお気に召さない。折角セットした髪を弄るのも勿体ないし、手には日傘を持っている。春の陽気と同じくらいにぼんやりとして眠くなる男の話。あなたは溜め息をつくこともできないので、無意識に日傘を回してしまう。さすがに男はあなたの反応にいっぱいっぱいになったのか、靴紐を結び直すフリをして一息つこうとする。あなたはそれを見た後、日傘を回しながら空を見上げる。そこには日傘に刺繍された花たちが陽の中で輪舞するかのように――。(妄想終了)
万華鏡オリオン見たと笑む幼児
まんげきょう おりおんみたと えむようじ
これは素直にみなさん褒めてましたが、幼児の微笑みに敵う星はなし、といったところでしょうか。
短歌「一杯」「星」
紅白も雪解けくれば路を染め泥濘いっぱい梅の短命
こうはくも ゆきどけくれば みちをそめ でいねいいっぱい うめのたんめい
美しいものにも命はあり、散っていく先は泥の中。そんな儚い無常を感じます。――わたしたちも同じようではないか――。そんな思いがこの短歌から聞こえてくるようです。こういう感性はわたしに皆無なので見習いたき短歌です。わたしであれば、泥濘から見上げて「梅の野郎。綺麗に咲いていい気になりやがって!」みたいな……(悲しくなるのでやめましょう)
戦音で空を揺すりし静寂後に茜の裾に昇る宵星
せんおんで そらをゆすりし しじまごに あかねのすそに のぼるよいぼし
これもまた人間の愚かさを感じますね。でありながら、そこにひとつのどうしようもない美を感じます。人類文明は何千年も続いているくせに、争いひとつやめることができません。そんな愚かしい我らにも、宵星は等しく光り続けるのでありました。
詩 『愛の終わり』
素直な詩なのでノーコメントで。
えええええ! となりました。どうしよう。また変な解釈をしてしまうかもしれない。
最初に思ったのが、「誰の愛」が「何」によって終わったのでしょうということでした。美しい表現ひとつひとつにどう連動性があって、話の継続性をどこを中心としているのか。そんな基礎の基礎みたいなところから迷子になってしまいました。すいません。
ぼくのやる気のなさとマンネリズムを刺してくる
いい女を見た、ということでしょうか。
男の子が欲しいのは剣と馬とお人形
ここはなんとなく男なんて権力や車や女を欲するだけの生き物、という読み方をしました。
地肌の見えた女の子たちとはもう終わり
終わったのは男側なのか女側なのか。すいません。
燃える水のような星灯り
主文とは関係ないですが、きれいだなと思いました。灯油やアルコールが燃えるときのような薄青い光を感じました。
永遠の誓いで口をふさがれたお人形
愛が終わりながらも結婚による女の束縛を書かれているいると思いました。でありながら、どこかお人形という表現が女の軽薄さを感じるのです。
申し訳ございません。詩については、無学なわたしにどこかで解説を賜れれば幸いです。
素敵な作品の数々、ありがとうございました!
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