第11話 詩「肌」/葵 春香先生
葵 春香さんにはいつも近況ノートに書いていただいたり、応援いただいたりしておりまして、わたしの中ではお友達のように思っております。あ、距離感バグっているおばさんなんで、気に触りましたらすいません(謝罪)。
詩「肌」
https://kakuyomu.jp/works/16818023214043625320
フルの引用、失礼します。
それが欲しくて
近づくの
あなたの一番近くまで
せんせー。それって何ですかあー? 一番近くってて何ですかあー? なんて葵さんにニヤニヤしながら聞いてみたくなりますが、言うのもヤボというやつですよね。
あなたは恐らく男性だと思います。男の一番近いところは女の一番深いところ。なんてことを思ってみたのですが、いかがなものでしょうか。
肌に触れたら
満たされる
女が男の肌に触れたときの安心感。詩にのせると一種の達成感のようなものも感じますね。語感も良く、満たされている女の心と身体がイメージできました。
あなたと別れて
しばらくすると
指の間からこぼれ出す
こぼれ出すのは何か。恋しさや寂しさ。そんなものが詰まった砂袋には穴が開いていて、塞ごうとしても指の間からこぼれてしまう。
すくっても
すくっても
こぼれて消えてしまう
女の心の中にある穴の開いた砂時計からもれる砂を愚直にすくっても寂しさや愛おしさはおさまらない。それどころか虚しさすら感じで、すぅーと血の気が引くような喪失感を覚えてしまう。あなたがいないとダメなの! そんな男に依存している女の悲痛な喘ぎ声は聞こえてくるようで、わたしはこの女に対して強い軽蔑と嫉妬を感じるのでありました。
だからまた
会いにいく
そうよね。わかる。会いにいきたいですよね。この女はこれを繰返して生きているのだろうということがよく表現されている詩だと思います。これを愚かしいと思うか、羨ましいと思うか。どう捉えるかによって詩全体のイメージが変わるのだと思います。
先程、「肌に触れたら 満たされる」とありましたが、本当に満たされたのでしょうか。100%の愛情充電など存在しないのではないでしょうか。自分自身で「満たされる」と言い聞かせているような気もしてきました。どこまでも足りないと思う者に満足という言葉は似合いません。わたしが沼ったら、「おかわり! おかわり!」と強く要求しそうな気がいたします(笑)。
美しくそして強く弱い女の詩、素敵でした。この度はご参加いただきありがとうございました!
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