第10話 星々の糸/鳥尾巻先生
鳥ねぇ(親愛を篭めて)とはいつどこで出会ったか忘れてしまうほどに親密なお付き合いをさせていただいております。大変僭越ながら、わたしと同じ「匂い」がする人だなと思っております。普段はのらりくらりしているのに、いざというときはパワーを大爆発させるタイプですよね?(笑)
星々の糸
https://kakuyomu.jp/works/16818023214044983629
編み連れの 星糸たぐり 手放して
あみつれの ほしいとたぐり てばなして
もうね。「わかる!」の一言です。この句は、わたしたちの人生観そのものじゃないですか(笑)。
溝川に オフィリアのごと 横たわり
吾朽ちる肉と 星を見上げる
どぶがわに オフィリアのごと よこたわり
あ くちるにくと ほしをみあげる
ご本人も体調イマイチということで、怨念とはいわずともやや情念の篭った感じがしますが、そのセンチメンタルな表現と教養の深さを感じる短歌です。文学的素養のないわたしはオフィリアを知らないのですが、朽ちたような身体で溝川にいても君を見上げているという男気や色気を感じます。鳥ねぇらしい情感のはっきりした短歌ですね!
蝸牛 性を転じて 恋矢射り
かたつむり せいをてんじて こいや (れんし)いり
雌雄同体の蝸牛のように先に刺して
冗談はこの位にして、恋矢射りという表現がすごいですよね。このあたりはわたしと違って教養を感じます。蝸牛に人間の性を例えるとか深いッス……。
詩「肌」
愚か者であるわたしたち人間の業の深さを詩にこめています。
わたし達は
無限∞のヘビ
互いの罪を喰い合うケダモノ
このあたりに性悪説のような人間のどうしようもなさを嘆きながらも、それを感受し俯瞰すらしているねぇさんの視点があるように思えました。地獄にわたしたちを糾弾することなく、「あーあー、お前らはしょうがねぇなあ」みたいな言葉を上の世界で呟きながら、お尻をかいて煎餅を食べている鳥ねぇさん、みたいな構図でしょうか。
人の不幸は蜜の味とむしゃぶりつく浅ましさを
人の不幸はやはりおいしいのでしょう。そんな気持がなくならない限り、わたしたちはもしかしたら陰険な傍観者になっているのかもしれません。ネットで争いごとはやめてほしいものですよね。
こうして鳥ねぇの作品に感想を書けることを嬉しく思いました。ご参加いただきありがとうございました!
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