第2話 おわりました
なんだかノイズ混じりで、ちょっと声が遠い気もするが警察に繋がった!
けれどこの状況、どう説明をすればいい?
『事故ですか?事件ですか?もしもし、大丈夫ですか?』
端末の向こうから声が続くが、言葉に詰まってしまう。
見ると、新たな鎧男が2人、女の子に迫っている。
まずい、時間がない!
『もしもし、どうしましたか?』
「あ、あの――」
『あぁ、わかりました。
――異世界ですね?』
「え?」
『ただちに救助に向かいます。あ、他にも人がいらっしゃいますか?
現在、危険な状態ではありませんか?』
「あ、あの小学生くらいの女の子とかが」
『はい、他にも付近からの発報が確認されました。直ちに救助に向かいます。
身の安全を第一に、端末はできる限りそのままでお待ち下さい』
といって、保留音のようなものが流れ出した。
ここが何処とか言ってないけど(何処かはわからないけど)、大丈夫なのか?
女の子の方に目をやると、捕まえようとする鎧男の手をスルリと抜けて逃げ回っている。
結構すばしっこいぞ、あの女の子!ブザー鳴らしたまま逃げ回ってる!
それを苦い顔で見ていた陛下が手を挙げると、さっらに2名の鎧男が女の子を捕まえようと動き出す。
流石にこれは捕まりそうなる、その時。
赤黒い渦が部屋の真ん中、丁度俺の目の前に、生まれ。
中から何かが飛び出してきた。
―――
飛び出してきた影は十数個。
最初に飛び出てきた影が
「伏せて!」
と叫ぶ。
慌てて伏せる、俺と周囲の人たち。
影は、なんだか何処かで見たような特殊部隊の制服のように見えた。
ガチャガチャと金属音がする。周囲にいた鎧男たちが集まってきたようだが、伏せているためよく見えない。
「貴国は!我が国の国民を不法にも拉致し!命を危険に晒そうとしている!
直ちに保護させて頂き、後に正式に抗議させていただく!」
先程の女の人の声だ。この人たちが救助隊?
そっと顔を上げる。どうやら女の子と押し倒されていた男性は確保出来たようだけど
剣や槍を持った鎧男たちが周りを囲んでいる。さらに苦い顔をした陛下の後ろの扉から
追加で鎧男たちが入ってくる。ざっと見て、こちらの3倍程の人数。
「その人数でどうにかできると思うのか?」とは苦いながらも自信アリげな陛下の声。
それに対して、救助隊の方たちは、、、銃?
全員が小銃を携えそれを構える。
「抵抗されるか、、、制圧」
ぼやくように言い放つと、救助隊の人たちが発砲する。
バスン、バスンとちょっと気の抜けた様なそれでいて腹の底に響きそうな発砲音が続き、
鎧男たちが倒れ伏す。
何か最後の方には、火の玉やらビームみたいのものが飛び交っていたけど
陛下も含めて部屋が制圧されたのは、間もなくのことだった。
「隊長、怪我人は要救助者に軽傷1、他は敵方も含めてありません。状況完了です」
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