第12話 「セッションしましょう」
屋上に出て昼食を食べる。
いつもは一人だったので誰かと食べるご飯はこんなに美味しいのかと驚いてしまう。
「なぁ連」
「ん?なに?」
「ちょっと付き合ってくんない?」
「へ?」
なんか若干デジャブを感じる
「ごめん、俺ちょっと男には興味がないっていうか.....ね?」
「バカタレ、そうゆう意味で言ったんじゃない。」
「お前ベースできるんだろ、だから今日の放課後予定空いてたら付き合ってくれない?」
今日は水曜日、ちょうどバイトは無い。
「特に予定は無いけど、どこ行くの?」
「えっとね、g――」
キン!コン!カン!コン!
タイミング良くチャイムがなってしまった
「まぁ後で言うわ」
「おk」
♢
「さようなら〜」
やっと憂鬱な1日が終わった、といつもなら思うところだが今日みたいな1日だったら少しは楽しいかもな....
「高校に入ったら友達をたくさん作り、軽音部に入り、そして、そして『彼女を作る!』それで一緒にバンドをする。」
確かそんな事を考えていた気がする、これで一つ達成できた。高校に入って約二ヶ月、初めて友達ができた。
「よし、連行くz――
「樹下くん?」
海智の言葉を遮ったのは原咲さんだった
「....何でしょう?」
「忘れてない私との話?」
「いや覚えてます。」
「じゃあ入るかどうか決めたの?軽音部」
「「「「「「「「「「え?」」」」」」」」」」
俺より先に反応したのはクラスの友人?男子?だった
「いや聞いてなかったのかよお前ら....」
「「「「「「「「「どうゆうことだ海智、俺達はそんな事一言も聞いてないぞ」」」」」」」」」
「いや昼休み言ってたぞ、『ベースしてるとこ見られて軽音部誘われた』って」
「「「「「「「「「「oh....忘れてた.....」」」」」」」」」」
「覚えてるけどまだ決めてない。」
「理由は?」
「まず原咲さんがどんな演奏するか聞いてないし、このまま俺が入って原咲さんがゴリゴリのメタル好きとかだったらそれこそ方向性の違いで廃部まっタダなしだから」
「ぐ....確かに一理あるわね....」
原咲さんは自分から『デビューしたい』と言ったのだ、こんなくだらない理由で原咲さんの夢を潰したくない。
「じゃあセッションしましょう、樹下くん。音楽室の鍵持ってるから」
「え?」
「ほら行くよ」
そう言って原咲さんは僕の手を握った。
「え、ちょ――」
「「「「「「「「「「蓮、お前はやっぱり敵だ」」」」」」」」」
「友達になったんじゃないのかよ..........
あ、蓮〜今日は無理そうみたいだからまた今度付き合ってくれ〜」
海智の声を背中に俺と原咲さんは手を繋いだまま音楽室へと向かった。
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