第11話 友人

 コンビニに向かう、もちろん腹痛というのは嘘だ。いつもは学校の自販機で買うお茶を購入し店を出る。ここからはいつも通り一人で学校へ向かうとしよう。


 学校までの道のり。慣れているはずの”一人”がどこか虚しい様な気がした。


 ♢


 学校へつき教室に入ると何やら空気がおかしい、男子も女子もこちらを見てヒソヒソと会話をしている。

 まぁ原因は朝の登校の件だろう、でも放って置けばそのうち誰もその話題で会話をすることは無くなるだろう。


 キン!コン!カン!コン!


 「は〜い、出席取るぞ〜」


 チャイムと同時にフッちゃんが入ってきた。ナイス!俺はこの空気が嫌いだ。なので誰も会話をできない状況にしてくれたフッちゃんナイス!


 その後は1限から4限まで何事もなく進み昼休みの時間になった。うちの高校、彩橋学園高等学校あやばしがくえんこうとうがっこうは偏差値73の進学校だ。その分校則はゆるい、まぁ『校則には記さないけど、頭の良いお前たちなら自分で判断できるよな?』みたいな意味だろう。そんな感じで屋上が開放されているので俺はいつも一人屋上で昼食を食べている、開放されている事自体知らないという人が多いのでボッチには数少ない安置になっている。

 

 とりあえず昼食を食べるとしy――


 「ねぇ樹下くん!原咲さんと付き合ってるの?」「どうゆう関係!?」「己、許さんぞ!」「kwsk」「黙秘権はないぞ」「お、俺の初恋.....」「まさか、ね?」「…シテ……コ…コロシテ…」「納得できないと夜しか寝れない」「まだワンちゃんあるかも?」


 「「「「「「「「「「さぁ」」」」」」」」」」


 うん。今日は屋上に行けなさそうだ、それとご飯も食べれるか怪しい。あと一人話さなくても健康なやついるぞ。


 「わかった、話す。話すからそんな怖い顔をしないでください皆さん」


 ♢


 「――という理由で原咲さんと登校するわけになりました」


 「なるほど。つまり二人は付き合っているわけじゃないんだね?」


 「はい」


 今会話をしているのは城口海智しろぐちかいち、クラスの中心人物でバスケ部のエース。いるいわゆる陽キャと呼ばれるやつだ。

 しかし海智くんには彼女が居たはずだ。なぜ原咲さんの事を聞いてくるのだろう?


 「ねぇ城口くん、城口くんって彼女いないっけ?こんな事聞いて怒られない?」


 「あぁ〜それはね今ここにいる男子たちが樹下くんの事が怖いから代表として話してくれって言われて....」


 「何故に俺は怖がられてるの?」


 「? 普段喋らない人が急に学校1の美女と登校してるから実は893じゃないのかって噂があっt――」


 「残念ながら暴力団とは関係がありません。私はごくごく普通の一般人です。」


 「「「「「「「「「よかった〜」」」」」」」」」」


 「なぁ言っただろ?樹下くんは悪い奴じゃないって」


 「城口くん!....いや城口様!!」


 しまった、勢い余って変な事を言ってしまった。これは間違いなく引かれるな...

 

 「ブフッ何だよそれ....クㇰ、海智でいいよ連」


 ごめん、惚れそう


 「ごめん、惚れそう。」


 またやってしまった。高校に入って来てから人と話てなかったから嬉しくてついやってしまう。


 「樹下くん君も海智の良さが分かるか?」「今日からお前は友だ」「意外と面白いじゃん連!」「原咲さんの彼氏じゃないなら友だ!」「実は海智のファンクラブがあってですね...」


 「おい、お前ら話の方向性がずれてるぞ、でもまぁ付き合っては居ないそうだ良かったな、あとファンクラブは解体しろ。最後に連。急に馴れ馴れしい、でも俺もそんくらいが接しやすいからそのまま行け」


 「うん、これで行く。よろしく海智くん」


 「おう、よろしくな連」


 高校に入って初めての友人ができた。今日の夕飯は赤飯だな


 「「「「「「「「「え?俺達は?」」」」」」」」

 

 「あ、えっと、よろしくお願いします?」


 「てな理由で今日は皆で昼食を食べよう!」


 「賛成!」「さすが海智」「天才」


 「てなわけでいいかな?連」


 「もちろん」


 「連はいつもどこで昼食食ってんの?」


 「屋上」


 「「「「「「「「「「屋上って行けんの?」」」」」」」」」」


 「うん、あんまり知られてないけど実は鍵が空いてる」


 「「「「「「「「「「よし行こう。すぐ行こう」」」」」」」」」」

 

 屋上が空いている事を知った男子たち?友人たち?はすぐに教室を出て屋上へと向かった。




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