第10話 すこぶる不愉快
無言。沈黙。会話がない。
原咲さんと家を出てから早10分。ここら辺まで来ると同じ学校の生徒もちらほらと出てくる、その人達は俺達を見て何やらヒソヒソと会話をしている....ちなみに言うと全部聞こえているのである。俺の地獄耳舐めるなよ?
男子は「なんであいつが原咲さんと二人で!?」とか「お、おれの初恋が....」などだ。いや付き合ってないからね?勘違いはやめて欲しい。
女子は「原咲さん見る目なさすぎ(笑)」とか「うわ〜、いい気味(笑)」などだ。正直に言おう、すこぶる不愉快だ。男子のほうがまだピュアで可愛い、だが女子は違う。
原咲さんは顔も頭もスタイルも良く、その上誰にでも優しい。その性格のお陰で友人と思える人も多い、だがその分『嫉妬』という負の感情を抱く者もいる。そんな人達からしたら今の状況は格好の餌食だろう。
とりあえずこのまま学校に向かうのはまずいので別れよう。
「あの〜、原咲さん?忘れ物しちゃったから先に行っててくれない?」
「でも今から家に向かったら遅刻しちゃうよ?何忘れたの?かせるものなら貸すよ?」
考えてなかった、どうしよう。
「あのーえとー....自尊心?」
「うん。学校行こうか」
「はい.....」
馬鹿すぎないか俺?なんだよ自尊心って.....もっと他にあっただろ!例えば、道徳心とか好奇心とか.....って全部心情なんかい。物で良かっただろ、筆箱とか体育着とか。てか最初に出てきたのが自尊心、道徳心、好奇心って.....本当に自尊心忘れてきたかもしれない。
そんなくだらない事を考える前に今は原咲さんの事だ、早く別れないと原咲さんの株が下がってしまう。
「ごめん、原咲さん。ちょっとお腹痛いからコンビニでトイレしてくる。先に行っててもらってもいい?」
「え、大丈夫?」
「全然平気だから先に行ってていいよ」
「そう?まぁ、分かった。じゃあ行ってるね」
「うん、ごめんね」
ひとまずこれで変な噂はされないかな。
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少なくてすみません。読んでくださりありがとうございます。
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