第3話 付き合ってくれない?

 「え?」


 ん?原咲さんは俺に「付き合ってくれない?」と言ったのか?これは告白っ!?まさかまさか...俺に対して原咲さんが告白するなんてありえない、つまりこの「付き合ってくれない?」は文字通りの「(どこかに)付き合ってくれない?」なのだろう。


 「と、とりあえず、なんで原咲さんがここにいるの?」


 うん。まずはなぜhereにいるかを聞かなければ、


 「あぁ、それは...まず私が軽音部なのは知ってる?」


 「うん、一応」


 「今日も部室で練習しようと思ったら、なんか話し合い?に使うから今日は練習できないって先生に言われて『どうしよ〜』ってなって携帯で調べたらここでスタジオを借りれることを知って、受付してたらスタジオからベースが聞こえてきて、『上手だな〜』って思い覗いてみたら樹下くんがいたってわけ。」


 「上手...俺が...」


 ベースを初めてから自分の演奏を誰にも聞かせたことがなかったから『上手』と言われると正直に嬉しい。でもまだ意味がよくわからん、なぜ俺のベースを聞いて付き合うことになるのか。


 「まだ良くわかってないみたいだね、まぁ詳しいことは近くのファミレスで話そうよ」


 「ここじゃダm――」


 「ダメ」


 俺の言葉を遮りながら原咲さんは言った。


 「え!?あ、でも...」


 「だめ...?」


 上目遣いでお願いされる。流石学校1の美女、俺でなきゃ堕ちてるね。めちゃくちゃ可愛い。でも、人と話すは苦手だし...しかも相手は原咲さんだ、でもこんなチャンスもう人生で二度とないかもしれない....うぅぅぅ.......


 「........はい、行きます。」

 

結局僕は了承してしまった。


 ♢


 ファミレスにつくと周りの視線が原咲さんに釘付けになる、さすが美女。

 しかも原咲さんはここに来る間に芸能事務所の人に声をかけられていた。だが原咲さんは「すみません、そうゆうの興味ないんで。」とスカウトマンを一蹴してしまった。


 「原咲さん、ほんとに断ってよかったの?スカウト?」


 聞くか正直迷ったが、気になって夜しか寝れなくなりそうだったので聞くことにした。(ただ単に興味が湧いただけ....)


 「ん?ああ、いいの芸能界とか興味ないし。まぁ音楽関係なら話くらいは聞いてもいいけど...」


 「え!」


 「原咲さん、もしかして将来バンドとかでプロデビューしたとか思っていたりする?」

 

 もしそうなら...




 「.................笑わない?」


 原咲さんはそんな事を言い出だした。もちろん人の夢を馬鹿にしたりなんて絶対にしない。もしそんな事をする奴がいるならぶん殴ってやる


 「神に誓って笑わない。」


 俺がそう言うと原咲さんは『約束だよ!』といってその重い口を開いた。


 「実は高校自学中にバンドして、そのままデビューしたいんだよね。」


 「え!?すご...」


 その顔は高校生とは思えないほど真剣だった。


 まだ高校1年生なのにそんな高みをを目指しているのか、すごいな。でもじゃあなんで入部テストなんて行っているんだろう、一人だとデビュー以前にバンドもできないだろうに..... 


「なんで入部テストを厳しくしてるのかって思ったでしょ?」


 「よくわかったね...」


 心の中を読まれた.............


 「私はね、本気マジ高校でプロデビューしたいの。だからあんな有象無象にかまってる暇はない、私は本気で上手な人を探してるの。そこで樹下くん、本題に入るんだけど...」


 そう言って原咲さんはさっきよりも真剣な顔になり――


 「私のわがままに付き合ってほしい。つまり軽音部に入部してほしい。」


 「へ!??」


 原咲さんはそんなことを切り出した。




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