第1話 絶望

 次の日、教室に入ると皆部活動はどうするかという話題で盛り上がっていた。

自分は入る部活は決まっていたので困ることはなかった。

 もちろん軽音部だ。僕はこれから軽音部に入り、友達をたくさん作り、バンドをして、テストでも満点をとり、彼女もつくり、バラ色の人生を送るんだぁぁぁ。


――ぁぁぁ..............はぁ、何考えてるんだろ。


 自分の席につくと原咲さんが登校してきた。するとさっきまで馬鹿みたいな声でアホみたいな会話をしていた、男子が静かになった

 そんなことを考えていると原咲さんと目があった。

 その足のまま僕の席に近づき話しかけてきた。怖い怖い怖い、周りの視線が集まっている気がする。


 「えとー、昨日はありがとね、」


 そう言って自分の席に帰っていった、クラスの何処かからまた舌打ちが聞こえた。

それと「ぇ!」や「は?」みたいな言葉を発しているものもいた。ちなみにほぼ男子だ。


 まぁそうだよな...学校1の美女が俺みたいなゴミムシに話しかけているんだもんな...


 ちなみに原咲さんは学校初日で3人に告白されたらしい...これは誰がなんと言おうと学校1の美女なのである。


 「は〜い席につけ、出席を取るぞ。」


 今日も憂鬱な1日が始まる。


 「――ということで遅刻・欠席はなしと...今日は部活動見学があるぞ、どんな部活動があるかのってるプリントわけるな〜」


 渡されたプリントを見てみると、サッカー部やバスケ部など定番のものから、書道部などの文化部もたくさんあった。その中に軽音部は、、、なかった。


 「せ、先生あの、軽音部ってないんですか?」


 気づいたら口が勝手に動いていた。


 「う〜ん、残念ながら軽音部は3年前に廃部になってな。部活は作ることはできるけどそれなりに人数集まらないといけないからなぁ。」


「そう、、、ですか。ありがとうございます」


 そんなわけで僕の部活は帰宅部に決定してしまった。軽音部に入るつもりだったのに、正直すっっっっごいショックだった。


 その日の授業は集中できなかった。


 ♢


 授業も終わり部活見学の時間だったが入りたい部活も特にないのでそのまま家に帰ろうと思ったが教室に携帯を忘れたことに気づいたので戻ることにした。


 教室に入ろうとすると、何やら話し声が。よく聞くと先生と女子生徒が会話をしているようだった、


 「――生!1人でも部活動ってできないですか?」


 「部活動は無理だけど同好会ってことでなら1人でも活動できるぞ。それで3人集まったら部活動に昇進だ。」


 「じゃあ軽音部同好会を作ってください。お願いします」


 誰だ!軽音部をすると言っているやつは!俺も入れてくれ!...だがすぐに諦めることになる。


 なんと声の主は原咲さんだった。

 以外だ...アニメにでも影響されたのだろうか?けいお◯、ぼっち・◯・ろっく、みたいななのに。


 「う〜ん、わっかた。今日校長にいって作ってもらうわ。」


 「! ありがとうございます」


 すごい。勢いで軽音部(同好会)を作ってしまった、にしても原咲さんは軽音部でなんの楽器を演奏するのだろうか?部活を作るくらいだからきっと楽器ができるのだろう。


 話が終わったところで教室に入り財布を取って教室を出た。一瞬原咲さんと目があった気がするが気のせい、、、だと思う。


 ん?俺は軽音部に入らないのかって?まず原咲さんと会話ができないし、今後原咲さんがいる部活にはたくさんの人が入部するだろう。人が苦手な僕はそんな部活、耐えられるわけない!というわけで入りません!


 僕の青春せいしゅん灰春せいしゅんになった。



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