学校1の美女がドラマーだった!どうやら軽音部(同好会)に入ってほしいそうで...
@renainou
1章
プロローグ(的な何か...)
――これは僕が高校在学中にバンドをし、デビューするまでの話です。
♢
自分にも友達ができると思っていた。
一緒にカラオケに行ったり、ゲームをしたり、恋の話をしたり、時には喧嘩をしたり。そんな他愛もない友達が。
せいいぜいできた友達はベースくらいだった。
自分から人に話すのが苦手でいつも話しかけるのを待っていた。
、、、こんな考えだから友達ができないのだろう。中学卒業時に思った。
結局友達は1人もできなかった。交友関係を作るために初めたベースも誰にも見せないまま終わってしまった。
「高校に入ったら友達をたくさん作り、軽音部に入り、そして、そして『彼女を作る!』それで一緒にバンドをする。」
そう意気込んだ―――――
♢
今日は入学式。いつもより気合を入れる、玄関口に張り出されているクラス表で自分の組を把握して、教室に向かう。
緊張で冷や汗が止まらない。息を止めながらクラスに入り、自分の席を確認した。
どうやら一番うしろの席の窓側のようだ、これはとても嬉しい。
そうして席につくと隣には綺麗な美女が座って、いなかった。まだ誰もいない。そんな漫画みたいな展開はなかった。
「俺はつくづくモブキャラなんだな...」
そう思ってしまった。隣の人、、、申し訳ございません。
キン!コン!カン!コン!
チャイムの音と同時に先生らしき人が入ってきた、声からして女性だということが分かった。
「はい皆〜!席につけ〜。」
前を向いてみると意外と若くて、二十代後半といったところか。 容姿は特別きれいというわけでもないが、落ち着いていて好きな人は好きそうだ。
「はーい、というわけで1年5組の担任になりました、
やる気のなさそうな挨拶で”こいつ大丈夫か?”みたいなことを考えていた、
「じゃあフッちゃんね〜」
クラスの何処かからそんな野次が飛ぶ。その瞬間クラスの緊張は解けとように感じられた。
「はいはい(笑)、今日はみんなにも自己紹介をしてもらいます。誰か最初にやってくれる人いるか〜?」
シーン、、、当然誰も手を上げることはなく静寂が教室を包む。
「そうなると思って先生、くじを持ってきました〜。くじで出た番号の人簡単に紹介してくれ〜」
...意外と考えてくれているようだった、ごめんちゃい☆
「ということで4番の人よろしくよろしく〜」
「は、はい。」
そう声を立てて席を立ち上がったのは自分の席の隣の人だった。最初は地味な人だと思ったがよく見てみると、綺麗な顔をしている。それに制服の上からでもわかる凹凸があった、それに気づいた数人の男子はなんとも下劣な目で彼女を見ている。
「はじめまして、
パチパチパチ。
トップバッターということで少し緊張しているようにも見えたがいい感じに自己紹介をしていた。これで次からは楽に自己紹介できるだろう。
「おぉ〜読書かぁ〜、ちなみに先生は人生で読んだ本はゼクシィくらいだ。」
「先生結婚願望あるんですかぁ?」
「付録目当てだぞ〜、じゃあ隣のヤツ、次な」
それは本と言えるのか?...そんなことより当てられてしまった、薄々当てられるかな?と思っていたが1番じゃないので良しとしよう。
怖い怖い怖い。今皆何を考えているんだろう、多分「誰だよコイツ、」とか「キモ」とか考えているんだろう。
そんなことを考えていたので必然的に声が小さくなる。
「えぇ〜と、は、はじめまして。
「...趣味は音楽鑑賞です。よろしくお願いします。」
パチ、、パチ
よかった、何とか乗り切った。先程に比べ拍手が小さい気がする、それもそうかこんな陰キャに興味ないよな。
「先生はジミヘンをよく聞くぞ〜、はい次はもう1番からでいいか〜、めんどいし。じゃ、そういうことで1番よろ〜」
「はい。」
すっと立ち上がったのは、すごく可愛い人だった。綺麗な黒髪ストレートで顔は言うまでもなく整っていて、スタイルも良く、短いスカートからはスラっと白く長い脚が伸びていた。なんというか、モデルみたいだ。
「
パチパチパチ!
拍手がでかい、特に男子からの、、、まぁ気持ちはわからんでもないが流石に態度が違いすぎないか?
「凜は真面目ちゃんか〜期待してるぞ〜はい、次は――」
♢
そんなこんなで自己紹介が終わり、今日はひとまず解散となった。先生が教室から出ると、友だちを作るものや同じ中学校のものと話す人などがいたが、中学から友達はいないし話すのが苦手なので足早に立ち去った。
「同じクラスで良かったですね、凛ちゃん!」
「はいはい、私も同じで嬉しいよー」
「ちょっと!棒読みすぎですよ!私怒ると結構怖いんですよ!」
あそこの二人仲が良かったのか、まあ同じ中学校だし当たり前か。
それにしても男子の視線がやけに原咲さんに集まっている気がする。なんで、、、
次に原咲さんを見てすぐに気がついた。スカートが捲れていてあと少しで下着が見えてしまいそうだった、カバンを背負うときに巻き込んでしまったのだろう。
すぐに注意したいがどうやって伝えよう、早くしないと、、、、ええい!
「あ、あの!」
「どうしたの?えっと、樹下さん。」
考えなしに話しかけてしまった。と、とりあえず急いで伝えなければ。話すのは原咲さんも恥ずかしいだろうし、自分のスマホに文字を入力しよう。
「えとー樹下さん?」
スッ、 原咲さんの目の前にスマホを出した。
書かれていた文字を原咲さんが読んでくれた。
(スカートめくれてるよ)
その文を読んだ瞬間顔を真っ赤にした原咲さんは恥ずかしそうにスカートを直した。
チッ
舌打ちがクラスの何処かから聞こえたが気にしなかった。
「その、あ、ありがとね。樹下さん、」
「い、いやいやいや、ど、どういたしまして。じゃあ僕はこれで、」
恥ずかしさと恐怖でダッシュでクラスから逃げる。明日からまたボッチ確定だろうがまあいいか。原咲さんを助けれたし、
明日からまたボッチということを覚悟して僕は家に帰った。
♢
「――あ、行っちゃた。ちゃんとお礼したかったのに」
「もぉ〜凜ってば気をつけないと!盗撮とかされたらどうするの、やっぱり私がいないとだめですね。」
「うるさい、」
ベシッ
「ひどいです!心配してあげたのに!」
私を助けてくれたのは同じクラスの樹下くんだった、明日しっかりお礼しないと。
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