八章 六点リーダー

〔後の先:否定〕

 成海の予想とはことなり、藤堂はまったくべつの方法で、密室殺人を崩していた。共犯による殺人である。

〔間四件の一:状況文〕

 亜紀には、かつて、前科もちの恋人がいた。藤堂は彼女が現場にはいったとき、ドアのうしろに共犯者の木野がいて、亜紀の割った窓から逃げたと推理した。

〔間四件の二:状況文〕

 亜紀は共犯による殺人を否定する根拠を出せなかった。現在、捜査本部が木野の足取りを追っており、夕方には判明するらしい。亜紀はそれまで、警察の監視下に置かれることになった。

〔間四件の三:状況文〕

 こんどは加古のアリバイを確認する。加古は犯行時刻、公営競技を見ていた。電話・ネット投票をしており、殺人はむずかしかった。

〔間四件の四:目的文〕

 加古によれば、ガラス窓が割れたとき、事務所に連絡し、ストックされている窓と交換するらしい。ガラス窓は密室を構成する前提のひとつだった。事務所には桐生が勤めている。彼に話をきく必要があった。

〔先の後:新事実〕

 葛西臨海公園の倉庫には、ガラス窓のストックが置いてあるとわかった。つぎは桐生に話をきく番だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る