六章 六点リーダー

〔後の先:否定〕

 藤堂の予想は外れていた。どの容疑者にも、白い蠍のタトゥーは彫られていなかった。しかも、全員にアリバイがあった。

〔間四件の一:状況文〕

 ホテルに泊まり、一夜があける。つぎの日、朝食の途中、藤堂から電話がかかってくる。捜査の進捗状況の知らせだった。

〔間四件の二:状況文〕

 天井裏に両腕を使った痕跡が見つかったらしい。指紋の確認はこれからだった。容疑者たちは捜査の協力をするかわりに、成海の帯同を望んでいた。成海は午後の同席を約束する。

〔間四件の三:移動文〕

 成海と葵は、予定どおり、行船公園へと取材に向かった。行船公園内の自然動物園、釣り堀、平成庭園を見てまわった。

〔間四件の四:目的文〕

 午後、亜紀といっしょに、多目的研究センターに行くことになっていた。葵は彼女のマンションへと向かった。成海はそのあいだ、四肢遺棄事件の捜査を進めることにした。

〔先の後:仮説〕

 成海は交番で、不審者の目撃の有無をたずねた。きのうの夕方、教習所のちかくで左腕が発見されている。見回りを強化した直後ならば、犯人と鉢合わせになってもおかくしないと考えたのである。

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