第11話「自分、知識をつけます!」

山から帰って数日が経った。そんな時ふと新しい経験をしてみたいと思い、大図書館へと足を運んだ。知識をつければよりガロウの役にも立てると思ったからだ。大図書館には多くの人間が本を手に学んでいた。受付に話しかけ、人間についての本と魔術に関しての本のある場所を教えて貰い、本を読んでみることにした。知識があると言っても吸収した人間の数は両手で事足りる程度。欠落している部分ももちろんある、これを機に学ぶのもいいだろうと思ったからだ。椅子に腰掛け、テーブルに本を置き人間についての本から読んでみることにした。


「え〜と何々?人間には様々な重要な器官があり・・・これはどうでもいいな。え〜、人間には寿命が存在する。モンスターと違い、人間は平均で80代程で寿命を迎える。寿命で死を迎えた人間は蘇生魔術でも甦らせることは出来ない。へぇ・・・」


アンデッドとしての蘇生などは可能とその本には書いてあった。人間ってやつはどうしてこうも複雑なんだ。あとは心がどうのと色々書いてあったが飽きてしまい、魔術の本を読むことにした。


「林檎を増やす魔法とかないのか」


そんな魔法はなかったが、木の育成を早める魔術なら存在した。しかし、膨大な魔力が必要となるため、現実的ではなかった。


「そう甘くはいかないってか・・・林檎はこんなにあめぇのに」


そして、先程見た蘇生魔術のことも書いてあった。寿命を全うした人間は蘇生出来ないこと。そして、不慮な事故や殺害など道長ばで息絶えた者には使えるということ。あとは、特殊な例として長時間放置されて腐敗、もしくは骨になってしまった遺体は蘇生出来ないということ。


「魔術ってのは便利ではあるが、万能ではないってことだな」


あとは、モンスターの隷属魔術やモンスター召喚魔法や悪魔との契約の仕方などなど色々なことが書いてあった。毛ほども興味が無いのでページを飛ばして読んだが。


「結構ためになったな。林檎の複製が出来ないことには驚いたが・・・まぁ、複製出来たとしても劣化するだけかも知れんしな」


本を元あった場所に戻し、受付に軽く挨拶してから大図書館を後にした。そして、何気なくまた山に足を運んだ。スライムボーンになる前もこうやって沼地でボーッとしていたっけな・・・確かにあそこと比べればここはのどかでくつろげる気がする。あいつはこれを楽しんでたのだろうか?


「っと、もうこんな時間か。そろそろ帰らねぇとな・・・あいつ、俺がいねぇとろくに動けやしないんだし」


暗くなっていく空を見ながら俺は家へと帰って行った。

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