第4話「自分、成長いいっすか?」
あれからガロウさんのダンジョン攻略について行って自分達の装備も持てるようになった。というか買ってもらった。いつまでも手ぶらはどうなんだってことで。容姿が良いから魔術師になることになった。まぁ、あくまでも仮の姿として。しかし、レベルもだいぶ上がったなぁ・・・昔はたったの15だったのがいまでは何と50!ビッグスライムさんに至っては70ですよ70!バケモンかっての、いや、僕らバケモンでしたわ。討伐される側でしたわ。とまぁ、そんなこんなでもうビビってたあの頃とはさよならバイバイ、俺はビッグスライムさんとガロウさんと旅に出てるって感じですよ。
「そういえば〜、ガロウさんってぇ〜今ぁ、レベルぅ〜なんぼくらいなんですかねぇ〜?」
流石に人間のレベルの上がり方はモンスターと違って遅いと聞く。これはもう、勝ったな。
「ん?今の俺か?90くらいだけど」
「きゅっっっ」
あ、そうですか。そうですよね。僕らがレベル上がるってことは、それすなわちガロウさんもレベル上がってるってことですもんね。ですよねぇ〜・・・あ〜涙でそう、出ないけど。
「というか、そうか、気にしてなかったがもうそんなにレベルが上がったんだな、驚きだわ」
驚いたのはこっちなんですけど。
「まぁ、そうですねぇ、今まで確認とかしてこなかったですもんねぇ・・・」
「そんなことより林檎食いてぇ」
ビッグスライムさんはもう林檎食いてぇマシーンと化しちゃってるし・・・どんだけ食いたいんすか、レベルより林檎っすか、もしかして俺だけですかレベルに固執してるの。もうやめようかなぁ!?固執するの。
「まぁ、レベルなんてここら辺まで上がってくると飾りみたいになってくるよなぁ・・・スキルとかだって欲しいもんは大概取っちまってるしよ」
スキル、そういやスキルとかあったなぁ・・・昔じゃスキルとか取りたくても取れない、喉から手を伸ばしても取れないものだったのに今では取り放題ですよハハッ。てか、スキルそういや取ってないなぁ・・・なにか適当に取ろうかなぁ・・・
「そういえばビッグスライムさんはスキル何か取ってるんですか?」
「ん?あぁ、取ってるよ、取れるもんは全部。何かさ、取っとかないとずぅっと取れますよアピールされてウザイから」
そんな理由で取ってるんだ・・・じゃあ僕も何か取っとこうかな・・・え。何この変形って・・・かっこよさそう、取っとこ。合体とかもある・・・え、誰と合体するの!?あなたと!?というかもう僕合体してるんですけど。まぁ、いいやこれも取っとこう。あとはーーー
「お〜い、何してんだ?さっさと帰るぞお前ら〜」
「あ、は〜い。今すぐ行きま〜す。取るのはあとでもいっか」
僕達はさっさと街に帰ることにした、目的も果たしてたし。家に着いてから僕はスキルの吟味を始めた。
「骨投げ・・・え、これスキルだったの?ブーメランみたいに手元に戻ってくるのかな?それなら欲しいけど」
「スキル選んでんのか?」
「そうです、ビッグスライムさんはどんなの取ってるんですか?」
「ん〜?そりゃ捕食とか吸収とか合体とか」
「あ、合体取ってるんだ」
「何か面白そうだろ?合体。まぁ、使ったことないけど。というか使う場面どこだよ」
「それもそうですよねぇ」
合体、面白半分で取ったの間違いだったかな・・・まぁいっかもう取っちゃったし。それよりも他に何を取るか決めないと・・・そうこうしてるうちに、朝が来て太陽の光が差し込み、僕らを照らした。
「あ、もうこんな時間か・・・そろそろガロウさん起こさないとですね」
「そうだな、次の依頼ってなんだっけ?」
「次は確かダンジョンでの落し物の回収でしたっけ?」
「落し物回収って・・・めんどくせぇなぁ・・・」
「まぁ、どうせ僕らはついてくだけなんでそんな面倒なことにはなりませんよ、多分」
「そだなぁ、んじゃさっさと起こしに行くかぁ」
「はい!」
僕らはこの時知らなかった、自分達が取ったスキルであんなことが起きるなんて・・・
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