旅人

板谷空炉

旅人

【旅人】

一番星見つけた

いや、違う あれはなんだ

飛行機だろうか

目で追いかけてみる


二分経っても

消えやしないもの

輝きは星で

広い空を舞う


三年後も覚えてよう

今日の出来事、目に焼き付けた

これはこの星のではない

遠くからの旅人


次はいつ会えるだろうか




【解説文の前に】

 今回、犀川ようさんの自主企画に参加するにあたり、過去作を引っ張り出して完成させた詩がこちらとなります。

 また、応募するにあたり、珍しく解説文を書かせていただきました。

 本来の板谷作品の詩では、「解釈の自由」を掲げています。勿論私の想定した世界観と違うこともあります。しかし敢えて書いたもの以上を言わないことによって、読んで下さる方の心に届きやすいのであれば、私はそれで構いません。

 それを踏まえここでは、最低限の解説とさせていただきました。ご了承ください。



【解説文】

 それでは本題に移らせていただきます。まず一連目。

「一番星見つけた」とあるので、夕方ですね。

 しかしその直後「いや、違う あれはなんだ」 不穏ですね。

「飛行機だろうか 

 目で追いかけてみる」

 ということでこの人は、帰路か仕事中か放課後か分かりませんが、ひたすら目で追ってる人になっています。



 次に二連目。

「二分経っても

 消えやしないもの

 輝きは星で

 広い空を舞う」

 ものすごく輝きながら、広い空をぐおんぐおん舞ってるんですね。最早舞ってると言って良いのか。舞ってると思った「見てる人」の感性に拍手を送りたいです。



 そして、三連目とその後。

「三年後も覚えてよう

 今日の出来事、目に焼き付けた

 これはこの星のではない

 遠くからの旅人


 次はいつ会えるだろうか」

 この星のものではない、と解った人。怖がってないのが驚きですね。だって楽しみにしてるのですから。

 平和な世界です。



【最後に】

 自主企画を立ててくださった犀川ようさん、そして読んで下さった方々に、感謝申し上げます。本当にありがとうございました!

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