第8話 集団行動

眠いですはい。今日は、雷尾さんのお父さん「ヴォルク」さんに朝早く起こされました。まだお日様も出ていないから少し暗い。今日は狩りのお勉強をするため川までやってきました。川に着くとようやくお日様が昇ってきました。今日はお魚の捕り方を教えてくれるらしい。かわいそうだけど、唯一食べられるお肉なのでしょうがないです。兄貴も雷尾さんも初狩でうずうずしているみたいです。特に兄貴がすごくよだれを垂らしている。「一人一匹5匹を目安に頑張れ!」と言われ気合を入れます。


雷尾「おっし!俺に任せろ!」

ヴォルク「こら、魔法は禁止だ!」

雷尾「えぇー」

ヴォルク「雷属性の魔法なんか使ってみろ。魚は、ともかく仲間まで放電させる気か?」

雷尾「だから俺一人で・・・」

ヴォルク「魔狼族は、常に群れで狩るものだ。仲間と協力する練習だと思え」

闇胡「・・・」

ヴォルク「禁止だぞ?闇魔法もダメだからな」

闇胡「・・・」

ヴォルク「お前の考えはお見通しだ、何年お前の父親をやっていると思っている」

雷尾「しゃーない、頑張るか。」

ヴォルク「おう!3人とも頑張れよ!」


僕達は、川に入ってお魚を捕る準備をしました。コツは、じっとしてお魚が近づいてきたとこを素早く捕るらしいです。しばらく待っていると、1匹近づいてきました。「パシャ」っあ!・・・もうしばらくじっとしていると2匹目が来た「パシャ」、「パシャ」、「パシャ」もおおお!


地竜「雷尾さん!水パシャパシャするのやめて!」

雷尾「お?すまん、すまん・・・」パシャ

ヴォルク「こらウォル、地竜で遊ぶな。次期アルファだろうが」

雷尾「はーい」

闇胡「・・・ガキが」

雷尾「だれがガキだと?」

闇胡「さー?誰だろう?」

雷尾「やる気か?」

闇胡「上等だ!かかってこい!」

雷尾「いいだろう!どっちが多く捕れるか勝負だ!」

闇胡「望むところだ!」

ヴォルク「こら!望むな!5匹までだ!それ以上は魚が減っていなくなるだろうが!」

闇胡「・・・」

雷尾「じゃあ、どっちが早く5匹捕れるかに変更だ!よーいドン!」

闇胡「1匹、2匹!」

雷尾「3匹、4匹!」

雷尾&闇胡「5匹!俺の勝ちだ!」

雷尾「何言っているんだ、俺の方が一瞬早かったぞ!」

闇胡「何を言う、俺の方が早かったぞ」

雷尾「親父!どっちだ!」

ヴォルク「(俺を巻き込むなや、ウォルが一瞬早かったが・・。)すまん!見てなかった!それより、5匹捕ったなら地竜の邪魔をするなよ」


二人ともすごい!早いなぁ・・・見惚れている場合じゃないか。僕も頑張らないとってあれ?ヴォルクさん協力はどうしたの!?二人とも休憩始めちゃったよ?一人で頑張るしかないか。気合を入れなおして集中する。1匹近づいてきた。いまだ!パシャ!やったー、1匹捕まえた!みんなに見せて褒めてもらおう!


地竜「みんなー捕まえっあ!風月さんそれ僕のー」

風月「おっとすまん、魚が跳んでるのかと思って。うわ!、ばっばか!ギルス魔力弾を飛ばすな!」

闇胡「・・・すまん魚が飛んでるのかと思って」

風月「分かった、返す、返すから、魔力弾を練るのやめろ!ったく」

闇胡「・・・」

ヴォルク「ハハハハハ、思わぬ略奪者が来たな!」


色々あって、ようやく4匹捕まえました。お魚狩りは意外と難しいみたいです。

お昼になったのでその準備に移ります。小枝を集める者と果物を集める者、略奪者からお魚を守る者に別れるはずだったのですが・・・


闇胡「小枝集めてくる」

雷尾「いや、俺の方が早い。俺が行く」

闇胡「お前は、適当に選ぶだろうが」

雷尾「燃えりゃなんでもいいだろうが!」

闇胡「よくない!お前はそこらの雑草でも集めてろ!」

ヴォルク「(いや、果物を集めろや・・・)」

雷尾「じゃあ、勝負だ!」

闇胡「いいだろう!負けたら罰ゲーム!」

雷尾「おう!」

ヴォルク「どっちか譲るって選択は、ないのか?」

雷尾&闇胡「ない!」

ヴォルク「・・・」

風月「しゃーない、俺様が果物を集めてきてやる」

ヴォルク「ああ、すまん、助かる」

地竜「僕は何をすればいいですか?」

ヴォルク「俺たちは留守番だな、一緒に魚を守るぞ」

地竜「はーい!」


しばらくすると、雷尾さんは大量の小枝を持ってきました。兄貴の方は、量は少ないが質が良いらしい。てことで「・・・ギルスの勝ちだな」ってヴォルクさんが言います。悔しがっている雷尾さんを見て、ニヤニヤしてみている兄貴。この二人本当仲悪いですね。お魚は、生で食べてもいいが、おなかを壊すことがあるらしい。なので、火で炙るらしいです。


ヴォルク「まずは、集めた枝をこのくらい置いといて、火をつける。(小火球プチフレイム)次に川で捕った魚を傷つけないように、爪で綺麗に鱗を取る。最後に魚の口を開き、押さえながら木の枝を刺す。後は、火傷しないように注意するだけだ」

地竜「火をつける魔法が使えない時はどうすればいいですか?」

ヴォルク「そのために群れで行動をする。自分が出来ないことを仲間がカバーし、仲間が出来ないことは自分がカバーをする」

地竜「なるほど、わかりました!」

雷尾「ほれ、焼けたぞ」

闇胡「なんで、俺に渡す?」

雷尾「早く食べたいんだろ?兄として、弟の面倒見てるだけだ」

闇胡「兄貴面するな、余計なお世話だ」

雷尾「いらないのか?」

闇胡「・・・もらう」

ヴォルク「ハハハ、ギルスは、ウォル相手だと、素直だな!お父さん妬いちゃうぞ?」

闇胡「・・・すみません」

雷尾「?」

風月「相変わらず変な兄弟だな。さっきまでくだらない喧嘩をしているのかと思いきや、今度は、並んで飯くってやがる」


こんな感じで、初めてのお魚狩りを終えました。今日は朝早く起こされて、すごく眠いです。帰り道も並んで帰る兄弟、仲いいのか悪いのかわからなくなってきました。でも今は、そんなこと関係ないです。とにかく寝たいです!

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