第11話

◇◆


 それから6時間、俺と春科玲は神スペックPCと最強デバイスでみっちりと〈タクレジェ〉を堪能した。普段とは違う環境で好きなゲームができて、俺も新鮮な気分を味わえた。


 途中、俺がトイレに行ってる間に春科玲が他の客にナンパまがいをされたり会計を割り勘するかでちょっとしたいざこざがあったりしたが、なんとか乗り切ることができた。俺の祈りは届かず、案の定、ちゃんとハプニングが多々起きたのだが、まあ良しとしよう。


 だが、ここで起きたことの詳細は割愛かつあいさせていただく。俺と春科玲の甘酸っぱい思い出など不必要の極み。俺の目的は、あくまでも、丹下さんに言われた通り春科玲の気分を害さないで一日を乗り切ることなのだ。


 ということで、6時間後、俺たちはカラオケにいた。春科玲の提案だった。

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