3章 娯楽と欲望
チャプター Ⅱ
もう見慣れた景色、真っ白な空間にポツンと置いてあるテレビ
もう少し芸が無いものなのかなと考えつつボーっとしながらテレビを見ていると
ザァ―――――
テレビが光、砂嵐が流れるが、すぐに画面が切り替わり
「やぁ、皆さん」
いつもの
「どうだったかな、ほんの一握りの時間とは言え僕の世界は満足してもらえたかな?」
彼女に少し無言の時間があった。どうやらジッとこちらを凝視している様なのだが
「うーん、つまらなかったという顔、クスっと笑ったという顔、鼻で笑っているかのような顔とほんと様々だね」
相変わらず下手くそだが、とても嬉しそうな表情を見せる彼女は椅子にキチンと座り直し
「まぁ、しょうがないんじゃないないかな?人間があの程度の敵に犠牲無しで挑むとなると自然とあんな闘い方になっちゃうんじゃないかな?」
人間を擁護する…では無く憐れみ、人間がもっと強ければ面白かったと自分で創った世界に文句を言ってるようにも捉えれる
「…でもさ」
彼女は立ち上がり何処からか刀身が黄金に輝く剣を取り出す
「結構希望は見れた気がするんだ」
剣を振り上げ
「ヘルの様に『光魔法』を本来と違う使い方をして力とする人間が出てきている」
黄金の光が溢れ刀身に圧縮する
「彼はきっと竜をも倒す存在になれるだろう」
振り下ろすのかと思われたが止め、剣を捨てる
発動こそさせなかったものの、彼女は無詠唱でヘルの魔法を再現して見せた
「それにミネの『闇魔法』や…」
右手から飲み込まれそうな闇が溢れ
「ジニアの『爆発魔法』」
左手から目が焼けそうな程の光が溢れる
「彼女らの才能も冒険者の未来に期待できる才能たちだよ」
パンッ‼︎と両手を合わせ2つの魔法を消し去る
彼女はのんびりと椅子に戻り
「さぁ、今回はこの辺りにしようか」
足を組み彼女は笑う
「そろそろ彼の事を見るとしよう。娯楽で溢れた国に向かった彼の事を…」
いつものように彼女が指を鳴らすと、テレビが暗くなり
全てが闇に飲み込まれていった
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