#84 ゲーセンの思い出@消せない紅色


クラスの女子たちは貴崎母に詰め寄ろうしたものの、背後から威圧感のあるスーツ姿の男が現れたためにみんな気圧されて二の足を踏んでしまったようだった。そのスーツ姿の男は貴崎母を迎えに来たらしく、エスコートをしつつも急かし、ついには由芽を置き去りにして行ってしまった。



「由芽ちゃん大丈夫?」

「あたし達は由芽ちゃんの味方だから」



まずいな。



由芽の様子がおかしい。女子たちの声は由芽の耳奥には届いておらず、由芽はまるで生気のない人形のように無表情のままゆっくりと歩きはじめた。ふらふらとした足取りのまま校舎に戻る生徒たちの中へ溶け込み、校舎の中に戻っていった。



「春輝……由芽ちゃん大丈夫かな」

「……分からないが、あまり良くないな」

「わたし心配だよ」

「明日は振替休日だな。由芽をまた遊びに誘ってみるか」

「うん。そうしよ!」



貴崎母は由芽に今までもずっとあんな感じで接してきたのだろう。由芽だって、がんばっていないわけではない。常に自分のできる範囲で努力もしているし、リレーだって全速力で走っていたのだ。それこそ足がもつれて転倒してしまうくらいに。統率が取れていないと貴崎母は断言していたが、そうではない。由芽は間違いなくリーダー格のキャラであって、クラスの中では決してモブではない。



ただ、リーダーシップを人前で取ろうとしないだけだ。人気者だし、男子と揉めた際には女子全員が由芽に味方するくらいにはカリスマがある。明らかに由芽にも落ち度があるにもかかわらず、だ。



つまり、貴崎母は由芽のことをまったく見ていない。ちゃんと目を凝らして見てみれば由芽の良いところは多々ある。姉で元生徒会長だった貴崎彩乃と肩を並べられるくらいに人望は厚い。チャラいキャラと見た目がギャルなだけに霞んでいるが、本質は間違いなくカリスマを持つ統率力のあるキャラなのだ。



あの見た目は両親に対する由芽なりの反抗なのだろう。おそらく陰で見た目も咎められているに違いない。



それからホームルームを終えて、麻友菜と合流してから一緒にうちに帰宅してベッドに直行し色々とあってかなり時間が経ち、二人で風呂に入ったら遅い夕飯になってしまった。時刻は二二時を過ぎたあたり。由芽からライン通話が掛かってきた。



「由芽ちゃんから?」

「ん。出ていいか?」

「もちろん」



通話ボタンを押してスピーカーにするとホワイトノイズ。電波が悪いのかと思ったら違うようだった。水の流れる音——シャワーを浴びているのか?



「由芽、麻友菜も一緒だ。一緒に聞いていいか?」

「…………」

「由芽ちゃん?」



だがなにも話そうとしない。はなすする音が響く。泣いているのか。



「あ、あた、あたし……あたし……大変なこと」

「どうした?」

「お、お母さんを……」

「お母さんをどうしたの?」

「由芽、落ち着け。いったいなにがあった?」



背筋が凍るのを感じた。この感じはまずい。なにがまずいのか分からないが、嫌な予感しかしない。



「由芽ちゃん、大丈夫だから話して?」

「お母さんに……ほ、包丁を」

「由芽!? 今どこにいる!?」

「ホテル」



麻友菜は驚きのあまり切っていた野菜を鍋に入れようとしていたところ、シンクの中にすべてぶちまけてしまった。だが、今はそれどころではない。麻友菜の顔は青ざめていて絶句している。



「麻友菜、落ち着け。こういうときこそ冷静になるんだ」

「……う、うん」

「由芽、今一人か?」

「知らないおじさんと一緒」



状況が読み込めない。なぜ知らないおっさんとホテルにいるのか。



「ホテルにおっさんといるが、今はシャワー中で一人ということで間違いないな?」

「……うん」

「母親となにがあった?」

「家に帰ってから……お母さんに怒られて。それで頭が真っ白になって」

「ああ。落ち着いて話せ。俺と麻友菜しか聞いていない。安心しろ」

「それで気づいたら……ほ、ほ、ほほ、包丁を持ってて」

「ん。それで」



麻友菜は聞いているのも辛いらしく、「ごめん」と言ってその場に膝を抱え込んで座ってしまった。普通の反応だと思う。俺も二番街で生まれていなければこんなに冷静ではいられない。目の前でヤク中の男が女を刺した場面を目撃したこともあったし、朝早くに血まみれの男が路上で倒れていたのを発見して警察に連絡したこともあった。



考えてみればどれも異常だ。



「お母さんを殺そうと……」

「刺したのか?」

「……うん」



絶望的だ。どんなに母親が悪くても凶器で人を襲った時点で犯罪になる。由芽がそこまで追い込まれていると知っていながら、俺はなにもできなかった。いや、なにかをできるなどと考えていた時点で自分を過信しすぎていたし、俺がなにかをできる範疇を超えていたのだ。



「取れないの」

「なにがだ?」

「手についた紅色が取れないの」

「由芽、今どこにいる?」

「ホテル」

「どこのホテルだ?」

「新宿の……」



すぐ近くだった。行くしかないだろう。それにいくら由芽の手が穢れてしまっていても、知らないおっさんに穢されるのは違う。



「麻友菜、行ってくるが大丈夫か?」

「わたしも……わたしも行く」

「無理しなくていいぞ」

「うん。でも、由芽ちゃんを抱きしめてあげたいから」



そうだな。由芽とはしばらく会えなくなる可能性が高い。



とりあえず、母さんと吹雪さんに連絡を入れて状況を話しながら家を出る。母さんは驚いていたが、吹雪さんはまったく動じなかった。さすがだなと思う。



ホテルに直行して吹雪さんの指示どおり入口で待っていると経営者のチンピラが現れた。



事前にホテル名を吹雪さんに伝えると、そこは吹雪さんの知り合い(というよりも舎弟なのかなんなのか分からないが、とりあえず吹雪さんの命令に絶対のチンピラ)が経営しているらしく、すぐに飛んできてくれたわけだ。



「鍵は貸すから、適当にやって」

「ん。助かります」



エレベーターで由芽のいる階まで行き、入口の前まで移動する。



「春輝、無理はしないでね?」

「大丈夫だ」

「本当に」

「ああ。麻友菜、もしも俺になにかあればすぐに警察を呼べ」

「うん」



解錠してドアを開く。



「由芽ッ!!!」

「な、なんだ君は」

「由芽の友人だ」

「友人がなんの用だ」

「話は後だ。未成年に手を出したんだから、タダで済むと思うなよ」

「そ、そんなの」

「あ?」



腰にタオルを巻いた小太りのおっさんがベッドに座っていた。俺が睨みを利かすと縮こまって顔を伏せる。もし由芽に手を出していたら殺す。



ところで由芽はどこだ。由芽の姿が見当たらない。電話で言っていた部屋の番号はここで合っているはず。そうなるとまだシャワーを浴びているのか。浴室のほうに行ってみると、シャワーの流れる音だけが響いていた。



「由芽?」



反応がない。裸の女子がいる浴室に入るのは忍びないが、状況が状況だけに致し方ない。鍵が掛かっていないといいが。ドアノブを回すと難なく扉が開いた。



「由芽?」

「……」



シャワーを出しっぱなしにして、その下で由芽がこちらに背を向けて膝を抱えながら座っていた。スマホは床に放り出されていて、そのディスプレイには“お父さん”と映し出されていてバイブが鳴っている。ちょうど着信中らしい。



脱衣場からバスタオルを取り、シャワーを止めてバスタオルを掛ける。



「あ、あたし……もう死にたい」

「由芽……」



よく見ると、由芽の手にはカッターナイフが握られていた。由芽の手を取るとリストカットをしようとした形跡はあるものの、傷は深くない。意外かもしれないが、手首を切って死ぬことは稀だ。もちろん、傷の深さにもよるが手首を少し切ったくらいで人は死なない。



「そうか。分かった。だが、その決断をする前に俺に時間を貸してくれないか?」

「並木に?」

「ああ。ほらこんなところ出るぞ」



麻友菜が一緒に来てくれて良かった。麻友菜に由芽が着替えるまで見張ってもらって、俺はおっさんにお灸をすえることに。経緯を聞けば、可愛い子が歩いていたから声をかけてホテルに誘ったらしい。由芽は拒否することなく付いてきてくれたのだとか。

状況が状況なだけに、由芽は心神喪失状態だったのだろう。



「んで、吹雪さんに言われて来ましたけど」

「いつもすみません」

「いいっすよ。おっさん、死ぬ? それとも死ぬ?」

「ひぃぃぃぃ」



タイミングよく来てくれたクロさんにおっさんを預けると、由芽が着替えを終えて浴室から出てきた。母さんからのラインで俺もようやく状況を把握したところだった。



ホテルを出てタクシーに乗り行き先を告げる。



「由芽、お前は悪くない……とは言えない状況だ」

「……うん」



とりあえず、うちの前でタクシーを着けて降車する。



「由芽、家族四人で最後に食卓を囲んだのはいつだ?」

「そんなの……覚えてない」

「由芽ちゃんはいつも一人で夕飯を食べての?」

「うん」



母は常に政治家や支援者との会合や打ち合わせと称して食事会をして家を空けることのほうが多いし、父親はそもそもあまり家に寄り付かない。姉の彩乃は家を出て一人暮らしをしているらしい。授業参観の後あたりから由芽に関する情報収集をした結果、由芽は孤独なのだと知った。いくら友達は多くても、その友達には家族がいて帰る場所がある。だが由芽にはそれがなかった。



『由芽の好きなもの?』

『ああ。家族みんなで食べたことはないのか?』

『そうだね。あの子、小さいときはお母さんの作ってくれる肉じゃがが好きだったかも』

『肉じゃが。あとは?』

『和食が好きだと思う』



この前参加した食事会の帰りに彩乃と接触をしてそんな会話をした。由芽はどんなに高級な食事を出されても不味そうに食べていたし、それどころか食に興味がないのかと思っていたが違うようだった。



「座ってろ」

「いったいなにをするつもりなの?」

「この前のクレーンゲームでぬいぐるみを取ってくれたろ。その礼だ」

「そんなの、いいのに」

「由芽ちゃん、春輝って料理すごく美味しいの」



麻友菜はそう言って俺に目配せをした。ソファで膝を抱える由芽にはあえてなにも聞かないことにする。追求しても仕方がない。



それから料理を作ってテーブルに並べる。



「食べておけ。夜は長いからな」



由芽が味噌汁を啜る。人参と大根、それに茄子を入れた簡単な味噌汁だが味噌の分量や出汁にはこだわりがある。それに肉じゃがと煮魚だ。







春輝の家で遅い夕飯を三人で食べた後、由芽ちゃんのお母さんのいる病院へと向かった。由芽ちゃんが刺してしまったのはお母さんの太ももで、命に別状はないらしい。鋭利な刃物で刺された傷であれば、病院から警察に通報がなされるのは当然のことだけど……。



「由芽……なんでこんなこと」

「……」

「なんとか言いなさい」



病院側は個室を用意してくれたらしく、警察が廊下と部屋の中で待機しているなか、由芽ちゃんとお母さんは対面することとなった。これは両者の希望によるものみたい。



「あたしは、あたしは昔のお母さんが好きだったッ!!」

「由芽? なにを言って」

「何をしても怒られて、いつも怖くて。ずっと前から静寂が怖いの。静かな家の中にいるとお母さんがどこかのタイミングで怒鳴るような気がして。静かな空間で突然大きな音を立てられるのが何より怖いの」

「私はあなたの将来のために——」

「あたしはあんな人と結婚なんてしたくない。本当にあんな人と結婚するのがあたしの幸せのためだっていうの?」

「あなたは貴崎家のことも少しくらいは考えなさい」



由芽ちゃんが何を言っても無駄。そんな気配だった。自分がなんで刺されたのか。由芽ちゃんがどんな気持ちだったのか想像がつかないのだと思う。相手の気持ちを推し量るスキルのない人で、自分の我ばかり通す大人の典型のような気がする。



「貴崎家もこれで終わりだろうな」

「ふ、吹雪先生?」



病室に入ってきたのは廊下で待機していた吹雪さんだった。ダークスーツを着込んでいて、体育祭のときにラフな格好で笑顔で応援していた吹雪さんとは一線を画す。鋭い双眸と凍てつくような声は、まさに陰の支配者といったところかも。



「俺には血のつながっていない娘がいる。俺が引き取った当初は心を開かなかったな。そんな娘も今年で一七になる。自由奔放で勉強はからきしダメ。今の高校に入る前は常に一匹狼でリーダーシップなんて夢のまた夢。じゃあ、俺の娘はダメな奴なのか?」

「それは……」

「あいつは、今では人を思いやることはできるし、人一倍明るく可愛い。子どもっていうのは勝手に成長していくもんなんだよな。本人のしたいことはなんでもさせてやったし、人様に迷惑を掛けることや危険なことはこっぴどく怒った。だが、運動会でコケたくらいで怒ったことなんて一度もない。あんたはアホくさくないのか?」

「…………」

「いいか。自分の子どもがただ元気に学校に行ってくれているだけでよしとしろ。自分の子どもがなんの病気もなく健康に生きていることに幸せを覚えろ。自分の子どもが楽しく笑ってくれていることに感謝しろ。それが親の努めだろうがよッ!!」



とんでもない威圧感だった。私服警官が顔をひきつらせるくらいに迫力があった。



「お前ら両親は、この子の未来を奪ったんだ。殺されなくて良かったな。クソ野郎が」



吹雪さんはそう言って、冷たい視線を由芽ちゃんのお母さんに浴びせながら病室を後にした。わたしは親になったこともなければ、吹雪さんの言うようなことを想像もしたことがない。ただ優しい両親に育てられて当たり前のように生きてきて、それに疑問なんて持つことは一度もなかった。



「…………私が悪かったっていうの?」



由芽ちゃんのお母さんはそのまま足を引きずらせて部屋を飛び出してしまった。



今は両親のありがたみが分かる。痛いくらいに。

だからこそ由芽ちゃんが不憫で仕方ない。



『霧島ってクレーンゲーム下手っぴじゃん。普通そこにアーム降ろす?』

『これあげるよ。あたしこの前取ったからさ』

『楽しかったな。また付き合ってくれる?』



由芽ちゃんは自分の意思でこの人から生まれたわけじゃない。気づけばこの人のもとで生まれて育ち、強制的に貴崎由芽として生きざるを得なかった。人は生まれながらに両親を選ぶことができないんだ。わたしはかなり運が良かっただけで、由芽ちゃんはそうではなかった。生を受けることは平等でも公平でもない。それに足掻けず、どうしようもなく凶器を使用して暴力に頼ることが本当に罪?



由芽ちゃんが本当に悪い?

裁かれるのは由芽ちゃんだけなの?



『霧島が羨ましいな』

『カラオケうまいじゃん。天は二物を与えないんじゃなかったのか~~』

『なんか邪魔しちゃって悪かったな~~~。あ、霧島妬くなよ~~~』



「そろそろ行きますよ」

「はい」



女性の私服警官に手錠をかけられた由芽ちゃんは、俯いたまま病室を後にしようとしている。



「待って。待ってください。少しだけ」

「なんですか?」



私服警官はわたしを見て歩みを止めてくれた。



「由芽ちゃん、またゲーセン行ってカラオケで歌って、それで」

「霧島……」

「今度は朝までいっぱい遊ぼう。わたし待ってるから」

「由芽、いつでも食事しに来い。俺たちは待っているからな」

「霧島、こんなあたしでも友達になってくれる?」

「もちろん! わたしずっと待ってるからッ!!」

「並木……あたし、並木がいてくれて良かった。もし来てくれなかったら……。霧島、並木のこと大切にね」

「由芽ちゃん」



堪えきれなくなって由芽ちゃんに抱きついてしまった。もし別の道があったとしたら、わたしはどう動くべきだったのだろう。いや、きっとなにもできない。わたしはただの高校生だし、特段なにか力があるわけじゃない。このままだと大人になってもそう。



じゃあ、あたしはこのまま大人になっていいの?



『あたしさ。並木があのとき追いかけてきてくれて、嬉しかったんだよね』



春輝がわたしの肩に手を置いて優しく引き離した。



「お前はただ転んだだけ。そんなに絶望するな。リレーだってうまくいったろ。今度もちゃんとバトンを渡しに来い」

「並木は……本当にダメ人間製造機なんだね」



『ダメ人間製造機? なにそれ』



由芽ちゃんがはじめて顔を上げた。紅色に染まった目には涙が滲んでいる。



『霧島と話していると楽になる。今度悩み聞いてくれる?』



あの日、カラオケの帰り道で由芽ちゃんはそう訊いてきた。ちゃんと聞いてあげればよかった。どんなに遅くても由芽ちゃんの言葉に耳を貸すべきだった。



「帰ってきたら、ちゃんと話聞くから」

「うん。ありがとう。霧島、並木、行ってくる」

「ああ」

「うん」






放課後、なんとなく廃プールで春輝と過ごしていた。



由芽ちゃんの引き起こした事件がニュースやネットで流れることはなかった。学校では単に病気になって闘病のために辞めることになったと先生が話すだけ。憶測は色々と流れたけど、結局真相は闇の中。事実を知っているのはわたしと春輝のみ。



でも、裁判をして判決が出る頃にはもしかしたらバレちゃうかもしれないけど。



「由芽ちゃんどうしているかな」

「そういえば貴崎母と父は離婚したらしい」

「え?」

「貴崎父は謎の推薦取り消しによって次回参議院選には出馬できないらしい。無所属なら出られるかもしれないが、票集めは無理だろうな」

「そうなんだ。でもなんで離婚?」

「由芽のことで互いに罵り合ったんだろうな」

「なにそれ」



結果的に由芽ちゃんの家庭環境は暴露されることとなり、政治家としては死んだも同然だし、貴崎母のしていたことは虐待と捉えられてもおかしくない。春輝はそう話した。わたしは今後の由芽ちゃんの人生が平穏であることを望むだけ。



屋上の廃プールにいるのも暑くなってきた。連日夏日を記録して、春輝とくっつくのもなかなか大変な季節で、汗対策をしないといけないな~。



『おいしい。ほんとに、おいしいよ』



あの日、由芽ちゃんはボロボロと涙を流して春輝の料理を食べていた。それから決意したのだった。言いたいことをちゃんと言うって。



由芽ちゃんが帰ってくるまでにクレーンゲームを練習しておこう。

微かに紅色に染まる初夏の空を眺めて、春輝とキスをした。



なんとなく、春輝の夢を理解した気がした。由芽ちゃんの涙をわたしは忘れない。





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