第16話 クラン設立


「最近抽選が渋いな」

「え?」

「最近抽選が渋いなーと思ってな」

「どういう事?」

「俺のユニークで1日に1回引ける抽選があるんだけど最近魔導書とか、剣やら弓やらが多くてな」

「良いじゃん!」

「いや、前はスキルばっかりだったのになぁと思ってな」

「そのうち大当たりが来るよー」

「まぁこればっかりは運だもんな」

「そうそう!暗い顔してたらダメだよ?」

「だな!愚痴ってすまんな」

「いいってことよ!」

 それよりクラン立ち上げを早くしないとな。

 そろそろ貸しビルでも見にいくかな?

 いや。マンションの一室を買っても良いな?

 さぁて。どうしようかな?

 パソコンをポチポチと触っているとデザイナーズマンションが売りに出されてるな!

 ちょっと見に行くか。

「ネア、ちょっと見に行きたいとこがあるんだけど」

「おう!行こうか!」

 電話で事前に予約は取って今から行けると言われたからタクシーに乗り込んでその物件を見に行くことにする。

「おお!いいじゃん!いいじゃん!」

「ふぉー!すごいねえ」

 二階吹抜けでさすがデザイナーと言わんばかりのマンションの一室だ!なんでも元は美容室だったらしい。

「5人だったら余裕だろ?」

「あとは人を入れない感じ?」

「あー、パソコンとか事務に強い人は入れたいな」

「じゃあ6人か」

「だな!ここにしよう!家からもそう遠くないしな」

 クランハウスを決めたので、賃貸契約を済ませて来週から入れるようにした。

 ここならみんな文句はないだろ!


 週末みんなで集まって見に行くとみんなテンション爆上がりだった!

「いいね!ハルにしては!」

「いいんじゃね?洒落てるじゃんね」

「あーしもここに住みたい」

「いや、クランハウスだから住むのも構わないけどやっぱ事務所で中な扱いをしないか?」

「あー、あーしもそれは思うわ」

「だろ?」

「てゆーか、全員マジックバッグ持ってるしここは憩いの場じゃねえの?」

「パーティーとか?」

「いいねぇ!」

「事務所でパーティーなんかしないだろ?」

「あははは、たまにはやろうよ」

「まぁ、良いかもな、来週からここ借りてるから家具とかを買いに行こうと思うんだが?」

「よーし!あーしの出番だね」

「いやいやみんなで検討するぞ?」

 わいわいと家具を見に行く。

 いらないものを買いそうになったりするがとりあえず6人分のデスクとパソコン、椅子やらソファーを見て部屋の間取りを見ながら考える。


 できるだけ居心地良くしたいと思ってシックな色合いにしていく。


「やっべ!俺スーツで行くかも」

「あははは!まぁ、アリなんじゃないか?」

「やっぱり?アリだよね?」

「できる大人風な?」

「あはははウケる中退なのにできる大人って」

「うっせ!中退でも別に構わないだろ!」

「あははは、まあね!でこの椅子買うの?」

「いや。今んとこいらなくね?」

「だな、他の家具入れてから決めようか!」

「賛成!」

 ということで家具は買って在庫あるものは持っていくが取り寄せなのもたくさんあるな。


 んでとりあえずマークはクオンがいい感じに作ってくれたのでそれで行くことにした。

「あんたにもできることあったんだね?」

「俺もビックリだ」

「なんだとお前ら!センスの塊だろうが!」

「青い頭してたやつがよくいうよ!」

「あはは、ぶっ殺す!」

「だー、喧嘩はやめれ!てかこれで何作る?ステッカー?パーカー?何がいい?」

「無難なロンTとかかな?」

「どうせ上から防具つけるしな」

「だな。あと名刺は作ってくれよ?」

「あー、そうだな、名刺は必要だな」

「専用のスマホ!」

「会社用の?2台持ちかよ」

 まぁ、それはオイオイでいいだろうが名刺はさっさと注文するか。


 平日暇な俺とネアで事務所の手続きをして、家具を運搬してもらい大体出来たな!


 新事務所にはロゴが入ったクランの名前を入れて平日だが夕方にみんなを呼び出してみる。

「「「ふぉーーー」」」

「な?どうよこのセンス」

「いいね!マジいいって!」

「これあーしのデスク!」

「んじゃ俺ここ!」

「どこでもいいじゃん!て言うかハルが代表でしょ?」

 ズバリ聞いてくるがその通り、

「まあ年齢的にもそうなるな」

「あーしらは?」

「一応肩書は作っておいたけど、カッペイはブレイブ、クオンはワイズマン、シオンはセイント、ネアはスカウトだけど良いかな?」

 肩書きが浮かばなかったのでしょうがない。

「あー、みんなの職業を英語にしただけ?」

「そうそう序列つけても俺ら少ないしな」

「まぁ、良いと思うよ?漢字よりはマシでしょ?」

「まあね!」

「あーよかった!もう名刺出来上がってるんだよね」

 一つづつ渡していく。

「うそ!はやっ!」

「うひょー!俺の名刺だ!」

「やべ、ちょっと感動」

「あーし、まだ学生だけどね」

「私なんかこの世界の人間じゃないですからね?」

「まぁまぁ、しょうがないだろ?」


 想像以上に実感が湧いてくるな。


 ようやくサモナーズ・クラン開設だ。

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