第14話 それぞれ


「これはどうやって手に入れたのですか?」

「それは教えられません」

「そうですか、守秘義務があってもですか?」

「そうですね、どこから漏れるかわからないので」

「分かりました、これは何本ありますか?」

「三本だけですが」

「さ、三本も!ぜひ売ってください」

「はい」

 と三本出すと、全て同じかを試すように針で自分に傷をつけ試している。

「品質には問題ないみたいですねでは1本1000万で買取いたします」

「はい!」

「ではキャッシュに入れますのでカードをお願いします」

「はい!」

 カードを渡して返してもらう。

「これで取引成立です。またポーションがあればお願いします」

「はい」

 と、とりあえずはなんとかなったな。


「おかえり!どうだった?」

「1本で1000万だよ」

「すご!こっちでも金持ちじゃん!」

「そうだな。でもクランの軍資金だからな」

「あっ。そうか」

「お前たちが学校に通ってる間は大人しくしてるよ」

「あ!俺退学になった!」

「おれも!」

「う、うそだろ?」

「ほんとほんと」

「まじで、なんで半年行かないだけで退学にするかな?」

「あーしはギリギリ親が頑張ってくれたみたい」

「そうか。んじゃ、ちゃんと通えよ?」

「そりゃもうちゃんと通うさ」

「んでカッペイとクオンは退学は確定なのか?」

「うん、昨日こっぴどく怒られたって言ったじゃん」

「それもあったから怒られまくった」

「はぁ。そうか」

「でもハンターになって稼げば親も納得してくれるだろ!」

「だよな!」

「んじゃとりあえず低階層でも見てみるか?」

「だな!」

 更衣室もあってとりあえずは武器だけ持っていく。カッペイの聖剣は目立つから他の剣にした!

「んじゃ行くか!」

「「「「おう」」」」

 1階層から順に降っていくが、モンスターが雑魚すぎてみんな一瞬で終わる。

10階層でもオークナイトだからカッペイが切って終了した。宝箱には普通に銀貨10枚が入っていた。

「やべえな、あくびがとまらねぇ」

「だな」

「あーしでも余裕だけど」

「だな」

「とりあえず10階層で戻るぞ」

「「「「はーい」」」」

 でみんなそれぞれ買取に出す。

 銀貨も買い取ってるようだな。

 ステータスをみんな見てみるとショップが追加されていた。向こうの武器や防具魔道具なんかを買えるように仕様変更がしてあった。俺のだけどっちのものも買えるチート仕様だ。

「ずっけー!…ハルエモーン!」

「カッペイ通用しないぞ!んでなんだ?」

「いや普通に剣と防具が欲しくてさ」

「あぁ、いいよ、選びなよ」

「サンキュー」

「あーしらは?」

「んじゃ革鎧か胸当てな?さすがにゴテゴテの買うなよ?」

「はーい」

 てかみんなどうやってスキル覚えてんだ?と、さっきもらったパンフレットを見たら出入り口にある石碑を触ると書いてあった。

みんな選んでるから石碑を触りに行くとネアもついてきて触る。

 俺はボックスVer.2.0.0になった。

 ネアは斥候の他に弓師を、後から触ったカッペイは鑑定、クオンは剣士、シオリは弓師とネアと被りだった。

 そういえば今日の抽選がまだだったと抽選してみると火魔法の魔導書だった?あっちの物も手に入るみたいだな。

 そうしてギルドから出ようとしたらキザな男が絡んできた!

「なんだ?」

「失礼、全員お強いみたいですのでスカウトに」

「間に合ってまーす」

「え!ちょい待ち!勇者クランですよ!」

「間に合ってまーす」

「本当にいいんですか?」

「はーい!」

「えぇー!」

 と勇者クランのスカウトを断って颯爽と歩いていく。みんなポカーンとしていたがクラン立ち上げるのに他のクランに入るばかはいないだろ?


 んじゃ名前決めないとな。

「普通でいいんじゃない?」

「え?最強クランとか?」

「バッカ!サモナーズクランとか」

召喚者サモナーね!いいんじゃないかな」

「んじゃ決まりで!マークは各自考えてこようぜ!」

「あははは、なんか小学生になった気分だわ」

「だな!ちょっと燃えるわ」

「まじで映えるのにしよう」

「よっし!んじゃ飯でも食いに行こうか?」

「まぁ、腹減ったしな」

「ネアもペコペコ」

「おーし!回転寿司いこうぜ!」

「いいね!」

「あははは、んじゃ行くぞ!」


 回転寿司でたらふく食った後は何故か俺の家でくつろぐ3人。今日は日曜だからよかったけど明日からシオリは学校か。

「明日から2人は自動車学校でも通えば?」

「おっ!そうだな!」

「いいね!そうしよう」

「俺は中古で車買うわ」

「えー!見に行きたい!!」

「あーんじゃ来週見に行くか!」

「よっし!」

「んじゃ、平日はネアと2人でダンジョンだな」

「はーい」

「んでカッペイとクオンが自動車学校でシオリは卒業できるのか?」

「こう見えて頭いいから」

「まじか?」

 やっぱり見た目じゃわかんないもんだな。

「あーそういえばそうだったわ」

「あっ!帰り髪色戻し買ってかないとな」

「ははっ!やっぱりシオリもそうじゃんか!」

「うっせ」

 と和気藹々いつもどおりだな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る