第12話 家
家に帰り着くとどっと疲れが出てきたが今度はなんだ?家の前に誰かいるってピンクの頭はシオリか。
「こんにちは」
「あっ!ハル!えっ?若返ってない?」
「まぁ、それはいいとしてどうかしましたか?」
「これは私は天童栞の親の沙織と申します」
と名刺をもらい、
「名刺がなくてすいません。栗原晴と申します」
「この子を半年も守ってくださったとか?よければお話を伺いたいと思いまして」
「分かりました、ここじゃなんなんです家の中で喋りましょう」
と家の中に入っていく。お茶を淹れて出し、対面に座ると、
「えーと。自分も今さっき帰ってきたばかりなのでこれといって説明がうまくないかもしれませんがご勘弁を」
「はい、それではダンジョンでどうやって出てきたのかを」
「そうですね残り二人と一緒に攻略をして出てこれました」
「まだ攻略者がいないとされているダンジョンでですか?」
「そうなりますね、でも事を大きくしたくないと思っています」
「なぜですか?」
「それは私達が巻き込まれ半年もどうにか生きていけたのはスキルが強力だったのが一つあります」
「そのスキルは?」
「それは教えられません」
「そうですか、ではこちらからは詮索しませんが残りの二人は?」
「ん?元気にかえりましたが?」
「いえ、そう言うことではなくスキルを」
「それも教えることはできません!スキルを教えることは今後もないです」
「あ、あぁ、すいません、スキルスキルといって機嫌を損ねてしまったようで、私はスキルを研究しているものでして」
名刺を見ると確かにスキル研究所と書いてある。
「そうですか、ならばいいのですがあまり他人に追及するものではありませんね」
「はい、もうしわけありません」
「あと聞きたいことは?」
「そうですね。ダンジョンのことを聞きたいですね」
「それもあまり喋りたくありませんね、巻き込まれた私達にとってあまり居心地のいい場所ではなかったので」
「そ、そうですよね。はい。分かりました。この度は娘を助けていただきありがとうございました」
「はい。助けられたのはみんなの力あってこそなので」
「そうですか。それでは失礼しました」
「いえ、何も出来ずに申し訳ありません」
「お若いのにしっかりした方ですね、今後とも娘をよろしくお願いします」
「はい、仲間ですからね」
「仲間ですか、はいありがとうございました」
「またね」
と最後にシオリが言って帰ってくれた。
「ふぅ、なんなんだ?、スキルは秘匿しておくのが普通だし、娘のことはあまり聞かないし!」
「結構怒ってたね?大丈夫?」
「あぁ、あの手の人は自分のなかだけで完結するような人が多くて、俺は苦手なタイプだ」
「まーね」
ともう夕方か、ギルドとやらに行ってみたかったがまた明日だな。
「飯にすっか」
「やったお腹ぺこぺこだよ」
ネアも腹ペコらしいのでガッツリドンキーをウーバーして食う。ハンバーグがうまいし、腹に溜まるな。
「ふぅ、お腹パンパンだよー」
「だな、久しぶりに食ったけど美味かった」
テレビをつけると勇者クランと言うのが活躍しているそうだ。攻略階層は25階層か、真ん中くらいかな?
んー、もうちょっと色々調べてみるか。
「ねぇ、これって中に人が」
「入ってないぞ」
「じゃあちっ」
「小さな人でもない。今起こってるのを映像化して映してるだけだ」
「そんな早口で言わなくても」
「テレビはさっきから見てただろ?」
「邪魔しちゃ悪いかなって思ってさ」
「おぉ!気が使えたのか!」
「泣くぞ!」
「泣くなよ、テレビでびっくりしてたらもっと驚くぞ」
「もう驚いてばっかりだよ!デッカい建物がいっぱいだし!人もいっぱい、綺麗で清潔な建物ばっかり」
「まぁ、あっちにくらべたらな」
「しかもこの家がハルの家なんでしょ?」
「まぁ親が残してくれた家だな」
「凄いじゃないか!」
「まーな!」
おっと、線香立ててなかった、
「無事帰ってきたよ」
「これが親?」
「そうだ、さぁ、風呂でも貯めようかな」
「お風呂?貴族しか入れない?」
「こっちじゃ普通なの!」
「やったぁ!」
風呂を溜めてシャワーの使い方とシャンプーやコンディショナーの使い方をレクチャーしてから入ってもらう。
俺はビールを飲みながらパソコンで調べ物である。
「ふう。落ち着いたな」
日本のクランは大小様々だが、大きく分けて五つ、勇者クラン、剣聖クラン、ダブルクラン、桜雅クラン、アルファクランだ。アルファクランだけアイドルクランのようだな。
クラン立ち上げは簡単そうだし…でもあいつらも学校があるからな。まずはネアと2人で、
「ふぅ、いいお湯だったよ」
「はぁ。それ一枚でくるんじゃない!それは下着だ!」
「え?うそ?」
スポーツブラにショートパンツ姿が目に焼き付く。
「寝る時はスウェットを用意してあっただろ?」
「はーい!」
っとに、慣れてないからじゃなくてがさつなんだな。
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