第11話 帰還


「どーすんだよ?てか今いつだよ?」

 電子時計を見ると…半年?

「半年経ってる!」

「テレビつけて」

 テレビをつけるとダンジョンがどうのと言っている?

「は?」

「いやまてまてまて、おかしなことがいっぺんに起こりすぎて頭おかしくなりそうだ」

「あーしは放棄した」

「放棄すんなし、てか家に連絡しねーとまずくねーか?」

「「「まずいな」」」

「あー、俺仕事どーすりゃいいんだよ!」

「あー、そっちのが大変だわ」

「ちょい待ち!全部ダンジョンのせいにしない?」

「ん?」

「今テレビ見てたらダンジョンが出来て半年とか言ってたし!」

 シオリがそう言う。

「まじか!ちょい、テレビ見ようぜ」

 テレビを見てると本当にダンジョンが出来て半年と言っている。よし。これに乗っかろう!

「よしみんないいか?ダンジョンに呑まれて半年間四人で彷徨ってた。で行こうか!」

「それしかないでしょ?」

「よし、みんな電話だ!充電はあるな?」

 みんなそれぞれが電話をする。

 俺も会社に電話をする!

「あ、もしもし」

『この電話は現在使われておりません』

「え、まさかな?潰れたとかないよな?って潰れたし!俺の会社潰れてるし!」

「御愁傷様、俺は早く帰って来いとのことだった」

「同じく」

「あーしは迎えに行くって言ってたけど帰れるからって電話切った」

「じゃあとりあえず、帰ってまた集まるか?」

「だな」

「賛成」

「はーい」


 と3人を見送ると、横にいた。

「はぁ、帰っていいよ?」

「どこに?もう帰れないのに?」

「だよなぁ、なんで着いてきたんだよ」

「ノリで?」

「のるなよなぁー」

「まぁまぁ、ダンジョンあるんだから人が増えてもおかしくないって!」

「おかしいだろ?ってか、ダンジョン出来たのって召喚のせいだろ?」

「ん?」

「ん?じゃねーし、…召喚のタイミングでダンジョンできたのであれば、もう一度行ってあの王様の頭の毛を全部むしり取ってやるのにな…」

「そしたら私も帰れるね」

「…そうだね…はぁ」

ステータス、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 栗原 晴クリハラハル  35歳

 レベル136 職業 忍者 錬金術師

 スキル 抽選 ショップ 収納 鑑定 怪力 生活魔法 忍法 錬金術 付与 8大魔法(火、水、土、風、雷、氷、闇、光) バフ・デバフ魔法 回復魔法 危機察知 気配探知 短剣術極 上級剣術 神速 一閃

 ユニーク ボックス 異世界言語 限界突破

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 全部持ち越してきてるし。

 なんならレベルも上がってら。

 抽選今日できるかな?出来るな。

 よいしょ、『罠探知』


 それから色々と調べた。

 やはり日本もギルドができていてクランというものまで存在するようだ。

 今やダンジョン産業は盛んに行われていてそれのせいで俺のいた会社も潰れたようだ。

 冒険者をハンターと呼んでいるらしく、俺はこれからハンターになる未来しか見えない。


 とりあえずはこいつをどうにかしないとな。

「おいネア?服を買うからこれに着替えて」

「ここで?」

「あっちで」

「はいはーい」

 テーブルの前で考えるが、なんかないのか?収納を探すとポーションじゃない薬が出てきた。鑑定すると、

 若返りの薬…10歳若返る

「はぁ、これでも飲んで若返るか?」

 てかいつこれ手に入れたんだ?あぁ、抽選だ。

 もういいや。これだけ起きてんだ、俺が若返ってもいいだろ?

 瓶を開けて口に運ぶが、いや待てよ、

「何飲んでんの!」

「!?ゴクン」

「お前は!なんてタイミング悪い奴だ!っていて、ウグアアアァ!」

「なに!なんなの?え!」

 身体が軋み骨が筋肉が破裂するような痛みに俺は失神した。


 起きた俺は痛みな耐えたからどっと疲れが出た。

 ステータス、あぁ、25歳になってるな。

「あ、起きた?ってあれ若くなってる?」

「そうだよ。ほんとにタイミングが悪い奴だな」

「なんでよ!着替えてきたんだから報告するでしょ?」

「はいはい。ちょっと待ってそれ裏表逆だから」

「え?そうなの?あ、だから息苦しかったんだ」

「あっちでき、っておま!ノーブラかよ」

「えっちぃ!みちゃだめだよ」

「普通は男の前で着替えないの!」

「はーい!」

「ったく、と言うかノーブラはいかんな!スポーツブラならいいか!とポチッと」

 段ボールが届きネアがすぐに開ける。

「これ私の?着てきていい?」

「中に着るんだぞ?」

「わかってるって」

「はぁ、ビールでも飲もうかな?」

 いっそ酔っ払ってしまいたいな。


「着てきた!ぴったしだった!さっき見たから?」

「ちがわい!多分で買って正解だったな」

「うっそだー」

「五月蝿い!つか、現金あったかな?」

 収納から財布を取り出すと25,000円入っているが、下ろしとくか?

「よし。んじゃいくぞ?」

「はーい!」

「無駄に元気」

「なぁに?」

「べつに」

 とりあえず靴はサンダルでいいか、今は春先だからちょっと寒いけどな。

 ネアのは、ショートブーツか、まぁ、それでいいや。

 とりあえず銀行に行って金を下ろす。少しだけど退職金も入ってたようだな。

 で、ウニクロに普段着を買いに行く。俺も少しサイズがダウンしたから買うか。まずは店員にネアの服を一式見てもらおう。

「すいません、この子の服を見てもらっていいですか?出来れば一式揃えてくれるとありがたいんですけど」

「はい!分かりました」

「んじゃな」

「はーい」

 俺は俺のやつをある程度選んでいく。

少し見に行くとちゃんと選んでくれたようで安心した。

「じゃあこれで、着て行くんで値札外してもらっていいですか?」

「はい!」

 ネアは新しい服に嬉しそうだが、

「ねぇ?これは何?」

「それは帽子だ、見たらわかるだろ!」

 はしゃぎすぎだ。

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